『すみっコぐらし』映画第4弾、ナレーションの井ノ原快彦と本上まなみ、主題歌『君の傘』を歌う木村カエラ(撮影/齋藤周造)

 寒がりの“しろくま”、自信がない“ぺんぎん?”、恥ずかしがり屋の“ねこ”、食べ残されちゃった“とんかつ”や“えびふらいのしっぽ”……ちょっぴりネガティブなところも愛らしい。大人気『すみっコぐらし』の劇場版第4弾『映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』が10月31日に公開を迎える。

 すみっコたちが暮らす町は雨続き。そんな中、空から落ちてきたのは“おうじ”と“おつきのコ”。空の王国の水不足を解決しようとするおうじとともに、すみっコたちは雲の上の大冒険へ! ナレーションの井ノ原快彦と本上まなみ、主題歌『君の傘』を歌う木村カエラが、その魅力をにぎやかトーク。

本作のオファーを受けたときの気持ちは?

『すみっコぐらし』映画第4弾、ナレーションの井ノ原快彦と本上まなみ、主題歌『君の傘』を歌う木村カエラ(撮影/齋藤周造)

井ノ原 ただただ温かい、この世界にまた戻ってこられたことがすごくうれしくて。きっとみなさん、すみっコたちが“そこらへんにいるかもしれない”と心のどこかで思っていると思うんですが、僕も実はそうで。“あの子たちがいてくれている”“ひとりじゃないよ”と言ってくれているような気がしていて。

本上 本当ですよね。第4弾になるんですが、毎回驚きと発見がありつつ、変わらないすみっコたちがいて。劇場では観客の誰もがのびのびしているし、手に握られた“推し”のすみっコグッズがいい感じに年季が入っていたりして。そういうところもいとおしいし、温かい気持ちになります。

木村 いつもとても素敵なアーティストの方々が主題歌をやられている中、この世界に参加できることがすごくうれしくて“頑張らなきゃ”と思いました。物語もすごく素敵で、共感する部分もたくさんあったので『君の傘』の歌詞はすらすらと書けました。

井ノ原 エンドロールで流れる『君の傘』、包み込まれるような気持ちになって、グッときました。カエラちゃんの歌が、自分のためだけに歌ってもらっているんじゃないかって感じたくらい(笑)。

本上 本当に。私、今作のおうじに、すごく自分を重ねていて。一生懸命頑張ってるんだけど空回りしてうまくいかなかったり、ひとりで頑張ろうとしすぎる姿が昔の自分のようで。“もっと周りをよく見て”って応援する気持ちで見ていたんですが、最後に『君の傘』が流れてきたときに“これは私に歌ってもらえているのでは?”と思いました(笑)。

井ノ原 やっぱりそうだよね! みんなそう思うよ。

木村 うれしい。おふたりはナレーションをずっとやられているので、作品の中でその声が流れてくると“来た来た”“これこれ!”ってなります。すみっコたちはしゃべらないから、物語がおふたりの優しい声で展開されていく。“大丈夫だよ”“何してもいいよ”“いけいけ”みたいな(笑)。本当に私に語りかけてくれているようで、心がすごく柔らかくなります。普段の子育てでも優しい声で語りかけてあげたいと思っているので、おふたりのナレーションはとても素敵だと思います。

角とか隅っことか大好き

 日常生活での、すみっコたちとの付き合い方を教えてください。

井ノ原 今までのナレーションの兼ね合いから、ありがたいことに新商品を頂くこともあって。なので、ウチには至るところにすみっコがいるんですよね。壁にシールが貼ってあったり。どれも剥がさないので、ずーっといる(笑)。逆に、すみっコたちがいることを“そういうものだ”と思っているから、あまり意識していないかもしれない。

本上 私は家にいるとき、どうしても隅っこに行ってしまうんですよ。部屋の隅が落ち着くタイプで。小さいころから、テーブルと棚の間の狭いところにキュッと収まっていたし、いまだにそうで。だから、“お母さん、どこ?”“こんなところにいた”って捜されちゃったり(笑)。だから、私自身がすみっコかもしれないです。

木村 それ、一緒です! 私は家では、キッチンが自分のエリアだと認識していて。その隅には私だけの椅子を置いて、ずっとそこに座っています。そんなとき“すみっコぐらしだ〜”って微笑んでいるかも。さらにパソコンを持ち込んで、歌詞を書きながら、料理をしたり。

本上 キッチンの住民ですね。そういえば、井ノ原さんも隅っこにいちゃうタイプですよね?

井ノ原 そうなんですよ。喫茶店でも、小さい窓がある隅っこの席が大好きで。“あの店は絶対あの席”って決めちゃうぐらい。やっぱり、角とか隅っことか大好きですね。

本上 落ち着きますよね。

木村 なんで隅っこって、あんなに落ち着くんでしょうね?

井ノ原 みんなそうなんだね。だからみんな、すみっコたちに共感できるんでしょうね!

本上まなみの推しキャラ

すみっコの中ではわりと、しろくまタイプだと自分では思っていて。だから、しろくまの活躍を見るとうれしいですし。仲間が寄り添ってしろくまに風が当たらないようにしてくれると、自分が優しくされたような気持ちになります。

木村カエラの推しキャラ

私は“ほこり”が好きです。ホコリがキャラクターになっている時点でまず、すごいなと思いました。湿気によってほこりは“カビ”になるじゃないですか。もうあそこがたまらない! 推しポイントです。善と悪があって、ほこりだけで映画1本作れるんじゃないかってくらい(笑)。

井ノ原快彦の推しキャラ

僕は、えびふらいのしっぽが好き。“たぴおか”もそうなんですけど、残されちゃったっていうところがあるから。僕自身はシッポを残さない派です。今回、えびふらいのしっぽがまた違った形に変身するので、注目してほしいですね。

10/31(金)公開『映画すみっコぐらし空の王国とふたりのコ』(C)2025日本すみっコぐらし協会映画部

<取材・文/池谷百合子> 

撮影/齋藤周造 ヘアメイク/松本未央(GON./井ノ原)、笹浦洋子(本上)、フジワラミホコ(LUCK HAIR/木村) スタイリング/前田勇弥(井ノ原)、吉村由美子(本上)、白山春久(木村) 衣装協力/humoresque、SOURCE(本上)