公開中の映画『秒速5センチメートル』に主演しているSixTONESの松村北斗。新海誠監督が手がけたアニメの名作を実写化したことで、公開前から話題となっていた。
「映像業界では、アニメ作品を実写化するのは、とても難しいことだとされています。特に、世界に誇る新海監督の作品です。松村さんは相当なプレッシャーを背負っていたでしょう。しかし、公開10日間で興行収入は10億円を突破。まだまだ伸びそうな気配です」(映画誌ライター)
来春には、Netflixで配信される『九条の大罪』にも出演予定の松村。東大卒のエリート弁護士役を演じることに。
「松村さんは、2012年に放送された日本テレビ系のドラマ『私立バカレア高校』で俳優デビューを果たしました。実績を積み、2021年にはNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演。この作品をきっかけに俳優としての認知度が上がったといえるでしょう」(スポーツ紙記者)
その後、話題作への出演が続いていく。
新海アニメで初めてのアフレコ
「2024年公開の映画『夜明けのすべて』は“月経前症候群”という難しい題材を取り上げた人間ドラマ。松村さんはパニック障害を発症したことで、勤めていた会社を辞めざるを得なくなる主人公を演じました」(前出・映画誌ライター、以下同)
2022年、新海氏が監督を務めたアニメ映画『すずめの戸締まり』では、初めてのアフレコを経験。
「もともと声には自信がなかったそうです。しかし、新海監督には彼の魅力を引き出す力があり、松村さんはそれを“魔法のような体験”をしたと表現していましたよ」
声優としても実績を重ねた松村。最近では売れっ子となり、オファーが続々と舞い込んでいるようだが、彼の魅力はどんなところにあるのか。同志社女子大学メディア創造学科教授であり、コラムニストの影山貴彦氏は、作り手としての見地から“松村と仕事をしたい”と力説する。
「彼の繊細で、凛々しい芝居に引き寄せられるんです。作り手の意図をしっかり受け止めて、それに応えてくれる柔軟性を持っているんですよ」
映画評論家で映画パーソナリティーの伊藤さとり氏は、松村が魅せる“画”に注目しているという。
いちばん難しいのが普通っぽい役
「画に力があると、それに負けてしまう俳優さんもいらっしゃいます。『秒速5センチメートル』では画に雰囲気があり、美しい。独特の世界観で綴られているんです。彼は目立ちすぎず、引っ込みすぎず、見事なまでに画にはまっていました」
日本の映画では、日常を描くことが多いというが、
「実は、クセのある役ってやりやすかったりするんですよ。対して、いちばん難しいのが普通っぽい役なんです。松村さんはそんな役を演じられる方だと思います」(伊藤氏)
過去のインタビューでは、
《決して芝居が上手いわけでも、センスがあるわけでもない》(『婦人公論』2021年10月26日号)
と、語っていた松村。今後はクセのある役も見てみたい気はするけれど─。
