「銭湯と聞くと、昔ながらで地元の年配客が通う場所というイメージがあるかもしれません。ですが最近では、若い方が経営を引き継ぎ始めて施設もリノベし、おしゃれで癒される施設が増えている印象です」
と話すのは、温泉や銭湯に詳しい温泉ライターの泉よしかさん。
リノベできれいな銭湯が急増中!
「昭和レトロな雰囲気を残しつつも脱衣所や浴室は清潔感バツグンな使いやすい銭湯や、カフェやバーを併設した個性派銭湯も人気です。
ふらっと訪れても日帰りセットでタオルが用意されていたり、アメニティーが充実していたりと女性にうれしいサービスがあるところも」(泉さん、以下同)
旅行よりも気軽に、日常の延長で利用してほっと癒される距離感が銭湯の魅力と泉さん。
「また、おしゃれな銭湯は手ぬぐいやステッカーなど、オリジナルグッズの販売をしていることも。レトロ可愛いグッズをチェックするのも楽しいです」
※営業時間等の詳細は各施設のHPなどをご確認ください。
【三重県・伊賀市】一乃湯
妖艶なネオンが誘う、映える老舗銭湯
1926年に建てられ、国の有形文化財にも指定されている外観は、まるで時代を溯ったような趣。唐破風屋根の本館や石柱門など、建物そのものが貴重で、建築目当てに訪れるファンも多い。
富士山のタイル絵や花柄のタイルなど、昭和の風情が残る浴場は清掃が行き届き、快適に過ごせると評判。近年の“昭和レトロブーム”も追い風となり、地元客はもちろん、全国から愛好家が足を運ぶ人気の銭湯だ。
住所:三重県伊賀市上野西日南町1762
TEL:070-3352-2440
URL:https://yutonamisha.com/sento/ichinoyu/
入浴料:大人470円、小学生150円、未就学児70円
【東京都・墨田区】黄金湯
ビアバーとDJブースが魅力の進化系銭湯
東京・墨田区で1世紀近く地元に愛されてきた銭湯。2020年のフルリニューアル後は、新規客も利用しやすい工夫がたくさん。
クラフトビールと音楽を楽しめる番台バー、カフェ併設のラウンジや宿泊スペースも完備と、湯上がりにもほっとひと息つけるのが魅力的。あつ湯、薬湯、炭酸泉、地下水かけ流しの水風呂を備えたサウナなど設備も充実し、スカイツリー観光とあわせて訪れたい。
住所:東京都墨田区太平4-14-6
TEL:03-3622-5009
URL:https://koganeyu.com
入浴料:大人550円(90分)、中学生450円、小学生200円、幼児100円、サウナ別料金
【群馬県・前橋市】まえばし赤城の湯
道の駅にある美肌の湯、ドライブ途中にととのう贅沢
群馬県・赤城山の麓にある道の駅「まえばし赤城」内にある日帰り入浴施設。地元の特産品や手ぶらでできるBBQを楽しんだあと、旅の疲れを癒す人も多い。
浴室の壁一面には、日本で唯一の女性銭湯ペンキ絵師・田中みずきが描いた赤城山が広がり、湯けむり越しに眺める風景はどこか幻想的。湯には肌をしっとりと整える「サンゴライトバスソルト」を使用していて美肌効果もばっちり。
住所:群馬県前橋市田口町36
TEL:027-233-0075
URL:https://maebashi-akagi.jp/enjoy/relax
入浴料:大人600円(休日700円)、小学生以下300円(休日350円)
【埼玉県・川口市】喜楽湯
キッチンカーに野菜直売も!湯あがりのお楽しみ満載
埼玉県川口市の住宅街にある1950年創業の老舗銭湯。井戸水を薪で沸かす昔ながらのスタイルを貫いている。浴室や脱衣所はリニューアルされ、清潔感も抜群。日替わりアロマのサウナも楽しめる。
定期的にキッチンカーが登場し、「チキンオーバーライス」などのグルメや地元野菜の直売が行われる日も。訪れるたびに新たな発見が楽しめるはず。
住所:埼玉県川口市川口5-21-6
TEL:048-202-9022
URL:https://wakimichi.site/kirakuyu
入浴料:大人500円、中学生300円、小学生200円、サウナ券300円(サウナのみ入浴不可)
【大阪府・門真市】みやの湯
個性派の薬湯&ドリンクで癒しと驚きのダブル体験
明るく清潔感のある浴室は女性にも人気の理由のひとつ。ジャグジーや15度前後の水風呂、ドライサウナ、露天風呂などがそろう。人気の「薬湯」は、パインアメの湯など、曜日や月ごとにかわる仕掛け付き。
風呂上がりには、スタッフがセレクトした海外のジュースやちょっと変わったドリンクでリフレッシュ!
住所:大阪府門真市宮野町13-10
TEL:070-8419-1126
URL:https://yutonamisha.com/sento/miyanoyu/
入浴料:大人600円、中学生400円、小学生200円、小人100円、サウナ200円
【京都府・京都市】ぎょうざ湯
ひと風呂浴びたらすぐ、餃子とビール!
京都・祇園の街中にある「夷川餃子なかじま 団栗店」が運営する、完全予約制の貸し切り銭湯。サウナ、水風呂、外気浴のできるスペースが備わっている。
京都の良質な地下水をくみ上げた1mほどの深さがある水風呂は、サウナ愛好家からの評判も高い。1組ずつの予約制なので、周囲を気にせずのんびり過ごせるのが魅力。
サウナでととのった後、そのまま餃子とビールを味わえる体験は「ぎょうざ湯」ならでは。ひとりでも、気心の知れた仲間と語らうのも、どちらも特別な時間になるはず。
住所:京都府京都市東山区六軒町206-1
TEL:075-533-4126
URL:https://www.nakajimagyoza.com/gyozayu
入浴料:大人2名まで7700円、3名以上は1人1650円
【東京都・墨田区】御谷湯
老舗銭湯が大変身! 要介護者向けの福祉風呂も
創業から70年以上、東京の下町で人々の暮らしに寄り添い続けてきた銭湯が、今では5階建ての温泉ビルに進化。まるごと休憩所になっている階もあり、誰もがゆったりくつろげる。
源泉かけ流しの湯や「不感温温泉」、福祉風呂など、思いやりのある設備も魅力。浴室を彩る葛飾北斎「甲州三坂水面」のペンキ絵が旅情を誘う。
住所:東京都墨田区石原3-30-8
TEL:03-3623-1695
URL:http://mikokuyu.com/
入浴料:550円
銭湯をまるごとリノベ!“映える”純喫茶に大変身
飲食店や宿泊施設にフルリノベする銭湯も登場。香川県の「藝術喫茶 清水温泉」は、大正末期創業~平成初期に廃業した元銭湯を、おしゃれな喫茶店に再生。
浴槽を生かした席で、クリームソーダなどの純喫茶メニューが楽しめる。風呂桶(おけ)を器にしたスイーツは、写真を撮らずにいられない可愛さ。
住所:香川県仲多度郡多度津町本通1-7-8
TEL:0877-89-3587
URL:https://artcafe-shimizuonsen.com/shimizu/
教えてくれたのは……泉よしかさん●温泉&旅行ライター。温泉ソムリエマスター、温泉観光実践士。有名温泉から穴場の共同浴場、スーパー銭湯まで、日本全国の温泉施設を巡る。温泉と、その周辺の観光情報を紹介するサイト「子連れ温泉ガイド地熱愛好会」を運営。
取材・文/さくら編集工房
