岩手県の公式サイト内で公開されていた『いわてでステキな出会い「叶えるBOOK」~婚活スキルアップしたいあなたへ』という、婚活を行う男女を支援するページに批判が殺到している。
「女性が地方を離れる理由が如実に現れてる」
このページが注目されたのは、10月27日にあるXユーザーの投稿。
《なかなかひどい内容。女性のファッションのポイントはパンプス、スカートかワンピースで、首、手首や足首が出るため「可憐な雰囲気」になるからなんだそうだ》
サイト内で紹介されていた『婚活スキルアップ〜女性編〜』というページのスクリーンショットを添えてこう投稿。
上記のファッションのポイントのほか、《婚活では、ナチュラルで上品に見えるメイクがおすすめです》といった記載が。さらに女性の婚活力チェックというページには、《部屋が散らかっている》《体重をずっと測っていない》という項目があった。
10月29日現在、542万回表示されるほどこの投稿が拡散されたことで、女性を中心に不快感を表す声が殺到する状況に。
《岩手の方には申し訳ないけど限界と絶望を見た気持ち》
《結婚したい女性が「清楚で可憐な雰囲気」を演出したのなら、それでいいと思うが、それは自分で決めることで、役所が指導するようなことではない》
《女性が地方を離れる理由が如実に現れてるなぁ》
と、古い価値観を県の公式サイトで推奨するのはおかしいという声が続出。
この投稿が話題になった翌日である10月28日には、
《<掲載内容の見直しについて> 本ページにより掲載しておりました「叶えるBOOK」につきましては、このたび県のお問い合わせフォームより、不快感を与えてしまう表現があるとのご意見を頂いたことから、ホームページでの公開を取りやめることとしました。今後の情報掲載については、一層の配慮を行い、皆様に安心してご利用いただける情報発信に努めてまいります》
と、該当ページは削除された。
公開したのは令和元年です
削除前に閲覧したという別のXユーザーの投稿によると、ページの更新日は令和3年だったとのこと。そこで掲載見直しをした理由などについて、管理する『保健福祉部 子ども子育て支援室』担当者に話を聞いた。
「問い合わせフォームから“不快感を与える”というご指摘のメールを数件いただいたため、見直しをすることになりました。ネットで話題になっていることは把握していますが、直接いただいたご意見ではございませんので、それが直接の理由ではありません」
また公開した時期について聞くと、
「公開したのは令和元年です。その後、サイト内の更新があったため掲載ページでは更新日が令和3年という表記になっていました」
とのことだった。
「7年前に公開されたものであればページ内で紹介されていた価値観が古いのも納得できる部分はありますが、令和に入り急速に価値観がアップデートされていますからね。SNSで話題になるまで何の疑問も持たず公開し続けていたわけですから、批判されても仕方ないでしょう。
過去の情報を放置し続けている自治体はほかにあるかもしれないので、これを機に全国の自治体は公式サイトの情報に問題がないかチェックし直してほしいですね」(全国紙社会部記者)
地方女性の県外流出が問題になっているが、行政だけでなく地方に住む男性たちの価値観がアップデートされない限りは、流出問題は解決しないことだろう。
