空気階段・水川かたまりの結婚式に参加したオズワルド伊藤と蛙亭イワクラ

 順調と思われたお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介が、蛙亭・イワクラとの破局をテレビ番組で告白し、波紋を呼んでいる。お互いが結婚の意思を固めていたにもかかわらず、なぜゴールインできなかったのか――ライターの仁科友里さんが分析する。

突然、破局を告白したオズワルド伊藤

 売れっ子芸人のカップルが、テレビで自分たちの恋愛を語る――。オズワルド・伊藤俊介さんと蛙亭・イワクラさんが、それぞれの出演番組で交際は順調と語っているのを見て、時代は変わったなぁと思ったものでした。よほど相性がよかったのでしょう、イワクラさん、伊藤さん双方が結婚するつもりだとテレビで明言しだしたので、結婚は固いと思われました。

 ですが、私は2023年ごろから、このカップルは仲が良いけれど、結婚まではいかないだろうなと思うようになったのです。実際、11月2日放送『チャンスの時間』(ABEMA)に出演した伊藤さんが、イワクラさんとの破局を告白したのでした。

 伊藤さんは破局の詳細については語っていませんので、何があったのかはわかりませんし、決めつけるつもりもありませんが、なぜこのカップルが結婚に至らないと思ったのか。『間違いだらけの婚活にサヨナラ』(主婦と生活社)の著者として、分析してみたいと思います。結論から言うのなら、このカップルは今は結婚のタイミングではなかったし、また結婚を決めてから“なすべきこと”を逃してしまっているように見えたからなのです。

(1)間違っていた結婚の“タイミング設定”

 結婚はタイミングと巷間よく言われます。交際して、お互いが結婚“できる”という状態に至るか、もしくは結婚できる状態になったから婚活するというパターンが一般的です。イワクラさんはルームシェアを通して伊藤さんと知り合い、そこから交際をはじめたそうです。ここから、お互いが結婚できるタイミングを探すことになります。

 2023年放送の千原ジュニアのYouTubeチャンネルに出演したイワクラさんは、千原ジュニアさんの「向こうがM-1獲って、こっちがキングオブコント獲ったら結婚みたいな?」という結婚に関する質問に対し、「まずは賞レースが先」と、賞レースで勝ってから結婚という順番を明示したのでした。

 頂点に立ってから、結婚したいというのはイワクラさんの芸人としてのプロ意識の表れと言えるでしょうが、二人のコンディションを見てみると、なんだかタイミングが合っていないように思えるのです。キングオブコントの成績を見てみると、蛙亭はコンスタントに準決勝に進めていますから、優勝は十分、射程圏内と言えると思います。一方の伊藤さんのM-1の成績を見てみると、ここ数年は決勝に進めていないなど、若干調子が下がり気味と言えるのではないでしょうか。

 賞レースというのは“時の運"とか空気に左右されるは博打的な要素もあり、何が起きるかわかりません。ですから、今調子がいいとか悪いとかは、必ずしも問題ではないと思いますが、1年に1度しかない賞レースで優勝することを結婚のタイミングに掲げるというのは、かなりハードルが高いと思います。

 また、これは芸人同士のカップルならではの問題だと思いますが、イワクラさんと伊藤さん、どちらの優勝を結婚のタイミングとするのかという問題もあります。イワクラさん(または伊藤さん)が先にM-1で優勝して結婚したとして、伊藤さん(またはイワクラさん)は後悔しないのか。理想を言えば、二人が同じタイミングで賞レースを獲れたら問題はありませんが、これはこれでかなり難しいと言えるでしょう。

 賞レースに勝ったら結婚するという超難関課題を結婚のタイミングとするのなら、「〇年以内に優勝する」と目標を具体的に定め、もしだめだった場合はどうするのか、相手に言う必要はありませんが、プランBも考えておく緻密さが必要となります。

(2)実務的なことが苦手な2人の“性格”

 結婚の意思が固まると、急にダレてしまうカップルがいますが、実は婚活はここからが本番です。結婚したい人と巡り合うまでを婚活前半戦とするのなら、後半戦はスケジューリング能力や事務処理能力が求められます。具体的に言うと、お互いの親にあいさつをしたり、結婚式や披露宴のことを決めたり。おおまかなスケジュールを組んで、そこから逆算して、さらに細かいスケジュールを組むことになります。

 伊藤さんとイワクラさんの場合、芸能人ですから、あいさつや手続きはもっと複雑なのではないでしょうか。当然のことながら、一度スケジュールを立てたら、それに沿って行動することが求められます。自分たちの都合でキャンセルや引き延ばしをすることは、原則禁止と言えるでしょう。

オズワルド伊藤俊介

 しかし、伊藤さんはどうもスケジュールに合わせるのが苦手なよう。3月2日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、お酒を飲みすぎて朝起きられず、遅刻があまりに多いので、吉本興業から謹慎を言い渡されたことを明かしています。一方のイワクラさんも遅刻が多いそうで、2024年放送の『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)において、「寝坊はしていないんだけど、遅刻をしてしまう」「家を出ないといけない10分前に風呂に入っちゃったり」と「時間を守れない」ことを告白しています。

 2人ともタイプは違うけれど、スケジュールを守るのが苦手なタイプと言えるでしょう。これでは結婚の実務的な手続きを進めるのは難しく、結婚したいと思いつつ、時間ばかりが過ぎて、「この人は本当に私と結婚したいのだろか」と不信感を抱くことになりかねません。もし2人ともそういうタイプなら、実務派の友人や後輩に調整役を頼み、相談してスケジュールを立ててもらったり、リマインドしてもらう必要があります。

2人の結婚のベストタイミングは…

 2人の交際歴は4年あまり。イワクラさんが30代であることから、「30歳をすぎた女性の時間を奪っておきながら、結婚しないのはひどい」という意見がSNSで見られましたが、私はそう思いません。

 繰り返しますが、結婚はタイミングです。タイミングが合う時に交際していた人と結婚するといっても過言ではないくらい、タイミング勝負です。今のイワクラさん(伊藤さん)には、伊藤さん(イワクラさん)が結婚相手と思えなかったというだけのことではないでしょうか。

熱愛中の蛙亭岩倉との仲良しショット(オズワルド・伊藤のインスタグラムより)

 それに交際してみないとわからないことはいっぱいありますし、交際した結果、結婚に至らないのなら、そこまでのご縁とわりきるべきで、どちらが悪いという話ではないと思います。“30歳をすぎた女性の時間を奪うな説”が定着すると、30代女性との交際は避けておこうという風潮が生まれないとも限りません。被害者意識は自分のために持たないほうがいいと思います。

 それでは、イワクラさん、伊藤さんの結婚のタイミングとはいつなのでしょうか。それは、イワクラさん、伊藤さんがそれぞれ賞レースの覇者となったときと言えるでしょう。それは来年かもしれませんし、3年後5年度ともっと先かもしれません。

 もしくは賞レースのタイトルが獲れる獲れないなんてどうでもいいから結婚したいと思える瞬間がもし来るのなら、そのときが結婚のタイミングなのではないでしょうか。イワクラさん、伊藤さんのさらなる活躍を楽しみにしています。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」