メーガン妃

 日本社会の現状に、「遅れてる! 海外ではありえない!」なんて目くじらを立てている人もいますが……。いえいえ、他の国の皆さんも基本は一緒! そんな、「衝撃」「笑える」「トホホ」がキーワードの世界の下世話なニュースを、Xで圧倒的な人気を誇る「May_Roma」(めいろま)こと谷本真由美さんに紹介していただきます。“炎上女王”メーガン妃より深刻な、チャールズ国王の弟・アンドリュー元王子のスキャンダルとは……。

組織的に性的人身売買

 何をしてもイギリス国民の神経を逆なでする存在、メーガン妃。そんな彼女がまたまたやらかしました。

 パリ市内をリムジンで移動中、車内で座席にハイヒールを履いた状態の足を投げ出した自撮りを自身のインスタグラムに投稿。そこがなんと、ダイアナ元妃が自動車事故で亡くなった現場のトンネル付近だったものだから、英国の大手紙デイリー・メールが1面に批判記事を掲載するまでに……。英国国民の神経を逆なでしたうえに、まさに踏みつけるような行為をやってのけたわけです。これでは王室の権威はますます失墜するばかり。

 しかも、現在英国王室は、メーガン妃以外にも悩みのタネを抱えているんですね。それが、チャールズ国王の弟であるアンドリュー元王子と、米国の実業家であったジェフリー・エプスタインとの関係が発覚したことです。30年以上にわたって組織的に性的人身売買を行い、世界中のお金持ち&権力者たちを接待していたという「エプスタイン事件」。米国のトランプ大統領も関与していたといわれる世界的大事件ですが、「17歳のころ、エプスタインの仲介でアンドリュー王子に性的暴行を受けた」と告発し、王子を相手に民事訴訟を起こしていた一般女性のヴァージニア・ジュフリーさんが4月に自死をしたのです。

 裁判は示談が成立したものの、王子側は全面否定。とはいえ王子は爵位を返上する事態にまで発展しました。そのうえ、アンドリュー王子の元妻であるセーラ・ファーガソンが、エプスタインから長年不可解な資金調達をしてもらっていたという醜聞も飛び出し、英国国民の怒りの火に油を注ぐこととなりました。

 実は、ジュフリーさんは米国の女性ジャーナリストの協力のもと、回顧録の出版を予定していた矢先でした。なお、死亡前には不可解な交通事故に遭い、重傷を負っていたのです。ゾッとするような一件でしたが、回顧録は10月末、そのジャーナリストにより出版されました。内容としてはジュフリーさんが亡くなってしまったこともあり、彼女がこれまで語ってきたことの総集編的なものでしたが、元・王子の非道が書籍化されたことにより、ますます英国王室の立場がヤバくなるような予感しかありません。

谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数。