日本社会の現状に、「遅れてる! 海外ではありえない!」なんて目くじらを立てている人もいますが……。いえいえ、他の国の皆さんも基本は一緒! そんな、「衝撃」「笑える」「トホホ」がキーワードの世界の下世話なニュースを、Xで圧倒的な人気を誇る「May_Roma」(めいろま)こと谷本真由美さんに紹介していただきます。移民が増えたイギリスで起こっている、まさかの現状とはーー。
医療・介護人材の招き入れで…
今年8月、石破茂前首相とインドのモディ首相が行った日印首脳会談で、“今後5年間でインドから日本へ5万人の熟練・準熟練人材を受け入れる”ことを含む「日印人材交流・協力アクションプラン」が正式に署名・発表されました。両国は、今後5年間で50万人以上の人的交流を目標にし、うち5万人はインドから日本への技能・専門人材として予定されています。
これは「労働者派遣条約」ではなく、官民連携による多層的な交流を想定した枠組みですが、一方で日本国内のIT・製造・医療・介護分野での人材不足に対応する目的も強調されています。日本に暮らす皆さんは、この動向を注視したほうがいいでしょう。
というのも、イギリスはまさに「前例」となったからです。イギリスは、ブレグジット(EUからの離脱)によって東欧からの労働者が減ったことや、コロナ禍による医療関係者の不足を理由に、海外から大量に医療・介護人材を招き入れた背景を持ちます。
'23~'24年には、イギリスの介護職およびホームケア従事者の外国人に対して、7万件以上の就労ビザが発給され、総数の半数超をインド、ナイジェリア、ジンバブエ出身者が占めました。実に、'23年に発給された外国人ケアワーカー向け就労許可は約14万件、扶養家族は20万人で30万人以上。たった1年間で膨大な人数が移住してきたのです。
日本が「目をつけられた」ワケ
しかも、この決定は大々的に報じられることもなく、イギリスで暮らす私たちは、その内容を詳しく知らないまま、移民を迎え入れることに……。
表向きは、自国で介護や看護師をしていたということですが、ふたを開けると、質の低い医療・介護サービスが増え、現場の環境は悪化。私事で恐縮ですけど、私の子どもが目の病気で入院した際、アフリカ系の看護師が担当したのですが、うちだけシーツや枕の提供を拒否されたり、掃除をしなかったり、まぁ~イジワルが多くて大変でした。彼らはなぜか、東洋人を下に見るんですよね。
そして、アメリカではトランプ大統領によって、労働許可であるH1━B(特殊技能職の人材に発給される就労ビザ)取得に10万ドル(約1500万円)が課せられるように改定されたため、アフリカや西アジア、南アジアからの出稼ぎはほぼ不可能に。そこで、目をつけられたのが、日本というわけです。
このタイミングで、外国人雇用や移民対策をきちんと考えている高市早苗新首相になったのは、本当に大きいと思います。日本には、私が暮らすイギリスと同じ轍を踏んでほしくないですから。
