「最も期待されていたドラマがコケ認定されるなど、秋ドラマは前評判を覆す作品も出ています」
と、ドラマに詳しいライターの神無月ららさん。
そんななか、女性視聴者1000人に聞いた「がっかり」に選ばれたドラマを見ていこう!
北村有起哉主演の『小さい頃は、神様がいて』
「説教くさい」(山梨県・49歳)、「マンションの人たちのセリフが寒い」(栃木県・33歳)
北村有起哉主演の『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系)が3位にランクイン。松任谷由実の曲の歌詞をテーマに『最後から二番目の恋』シリーズなどでおなじみの岡田惠和氏のオリジナル脚本で、前評判は高かったけれど─。
「北村さんと仲間由紀恵さん演じる夫婦の離婚までをカウントダウンしていくのですが、マンションの住民も個性的。草刈正雄・阿川佐和子の定年後夫婦や、石井杏奈・小野花梨の同性カップルなどそれぞれがさまざまな問題を抱えている。
『最後から二番目の恋』では面白く見られた会話劇がなんだか今作ではすべっている感じ。北村さんも仲間さんも上手だし、メインの2人は悪くないのですが、設定に無理があるのかな……」(津田さん)
今後の展開を前に視聴者が離れてしまった?
手越祐也の9年ぶりのドラマ出演が話題
2位は、
「コメディーかシリアスか、振り切ってほしい」(東京都・27歳)、「ミッチーの歌唱シーンが恥ずかしい」(神奈川県・44歳)
手越祐也の9年ぶりのドラマ出演が話題の『ぼくたちん家』(日本テレビ系)がランクイン。及川光博と手越祐也がゲイという設定に注目が集まっていたが、
「ずっと展開がドタバタしてる感じがして、ひと息つく場面が案外少ないのかな、と。索(手越)に対する玄一(及川)の好意のグイグイ感と、それをまた遠慮なく嫌がる索、親に甘えられずナイフのようにとがる中学生のほたる(白鳥玉季)と、キャラのインパクトは十分だけど、初回で視聴者が望んでいた“ほっこり感”がなかったのかもしれません。
2話以降それぞれのキャラのかわいさが立ってきているので、見続けていくとぐっと愛着が増してくるのかも。そして、ほぼ毎話ラストにギターで弾き語りする玄一の歌唱シーンも後々ストーリーに絡んでくるはずなんですが、ドラマ内の歌って視聴者の共感性羞恥を煽りやすい、ある種の飛び道具なので、そこも好みの分かれるポイントなのかも」(神無月さん)
出演者が歌うエンディングテーマの『バームクーヘン』は甲本ヒロトオリジナルバージョンを望む声が多い?
最も視聴者をがっかりさせた秋ドラマ
そして最も視聴者をがっかりさせたのは、
「1話見て何も覚えていない」(埼玉県・46歳)、「面白くなると思って3話まで見たけれど脱落」(鳥取県・39歳)
放送前は今期イチの話題作といっても過言ではなかった三谷幸喜氏脚本の『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)が「がっかり」の1位に。菅田将暉、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波と若手の人気役者から小林薫ら重鎮までをそろえたが─。神無月さんは、
「あの三谷幸喜が大絶賛された大河ドラマ『鎌倉殿の13人』以降に初めて書き下ろす民放連ドラ、ということで、放送前からいろんなニュース媒体で取り上げられていました。それだけ注目度が高かったということですよね。主人公の久部(菅田)が初回からずっと怒鳴りっぱなし、怒りっぱなしでセリフ回しが舞台俳優のように大げさなのが、いちばん気になっています。
あと、登場人物が初回からとにかく多かった。通常のドラマだと10人前後でスタートして印象づけしてから、徐々にキャラが増えていくパターンが多いんですが、こちらは初回から30人近いキャラを一気出しだったのも、視聴者の混乱を招いたのかもしれませんね」
7話からの第二部では生田斗真も参戦。さらに増えていく登場人物を前に視聴者が離れてしまっては、豪華キャストの意味がない?
今回のランキングを見て神無月さんは、
「脚本家の勝負という感じがしますね。三谷幸喜さんや野木亜紀子さん、岡田惠和さんら大御所から、新人脚本家まで。どちらがいい悪いではなく、新しい風がたくさん吹いてほしいと思います」
秋ドラマもまだまだ序盤。'25年の最後に視聴者に愛される“名作”は?
