「最も期待されていたドラマがコケ認定されるなど、秋ドラマは前評判を覆す作品も出ています」
と、ドラマに詳しいライターの神無月ららさん。
そこで、女性視聴者1000人に聞いた「期待できる」秋ドラマを一緒に見ていこう!
間宮祥太朗、新木優子出演作品がランクイン
「平成の音楽が懐かしい」(千葉県・49歳)、「考察するのが楽しい」(埼玉県・36歳)
5位は、間宮祥太朗主演の『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)。同窓会で集まった小学校の同級生の不審死を契機に描かれる“ノンストップ考察ミステリードラマ”。
前出の神無月さんは、
「小学校のときのいじめ問題の代償を大人になってから支払っていくことになるキング(間宮)以下6人と、被害者だったどの子(新木優子)。このドラマの肝は復讐それ自体よりも、大人になった6人の現在に、いじめていたころの自分たちがずっと影を落としていること。どんなに明るく振る舞っても、過去の自分からは逃げられないことを描いている。
『森のくまさん』の替え歌の順番どおりに殺されていく様はアガサ・クリスティのエッセンスも感じますし、主題歌のポルノグラフィティ『アゲハ蝶』は、ちょうどキングたちクラスメートが6年生だった2002年のヒット曲なのも計算し尽くされています」
日テレの考察ドラマといえば『あなたの番です』('19年)、『真犯人フラグ』('21年)の「最終回がっかり」現象が思い出されるが、踏襲しないことを祈るばかり。
波瑠のTBS、野呂ちゃん出演ドラマにハズレなし?
続く4位は、
「波瑠のTBS、野呂ちゃん出演ドラマにハズレなし」(静岡県・39歳)、「波瑠と川栄のコンビが新鮮」(大阪府・41歳)
波瑠・川栄李奈ダブル主演の『フェイクマミー』(TBS系)がランクイン。
東大出身で転職活動中の薫(波瑠)がひょんなことからシングルマザーの社長・茉海恵(川栄)に代理ママを頼まれて─。小学校受験を皮切りに、正反対の人生を歩んできた2人がニセの母親契約を結ぶ“ファミリークライムエンターテインメント”。神無月さんは、
「『TBS NEXT WRITERS CHALLENGE 2023』で大賞を獲った園村三さんの脚本。有名私立小学校受験をめぐるママ友たちの戦いって、比較的ドラマ化されやすい題材なんですが、主人公たちが替え玉受験をするのは見たことがない切り口でかなりスリリング。
替え玉を頼む茉海恵も、依頼を受けてニセ母になりすます薫も、不正を働いている主人公たちなのになぜか応援したくなる。それはやっぱり2人が戦ってるからなんでしょうね。ボスママ(野呂佳代)グループや担任の智也先生(中村蒼)が薫と敵対するキャラなのに面白パートを担っているのも、ひと息つけて良いバランスだと思います」
替え玉受験は立派な犯罪行為。落としどころも見もの。
愛おしすぎる主人公
「ロイヤルイザーニャ、ロイヤルホープの勝利に涙した」(東京都・40歳)、「玉置浩二の歌声が壮大なドラマにぴったり」(北海道・53歳)
3位は妻夫木聡主演の日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)。競馬の世界を舞台にひたすら夢を追い続けた熱き大人たちの物語。毎週、豪華な仲間が増えていきその名のとおり「ロイヤルファミリー」が完成されていく。早見和真氏の原作で'19年にはJRA賞馬事文化賞を獲得した作品。ライターの津田春子さんは、
「ザ・日曜劇場という作品ですよね。出演者が素晴らしいのはもちろんですがそれよりも馬と人とのストーリーに引き込まれるんです。制作にはJRAが全面協力していることもあり、本編のレースシーンは実際に開催されたレース映像を使用しています。
2話のロイヤルイザーニャ、4話のロイヤルホープと佐木騎手(高杉真宙)のレースシーンは手に汗握って応援した視聴者が多いのでは。ラストに必ず流れる玉置浩二さんの『ファンファーレ』がさらにドラマの感動を増幅させている。最終回を迎える12月末は現実の有馬記念も開催されます。最終回の『ファンファーレ』が楽しみ」
大泉洋主演の『ちょっとだけエスパー』
ロイヤルファミリーが手にするであろう勝利の美酒に酔いしれたい?
2位は、
「宮﨑あおいがかわいい」(福岡県・61歳)、「野木さんのドラマは見てしまう」(神奈川県・48歳)
大泉洋主演の『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)が2位に。『アンナチュラル』('18年・TBS系)や『MIU404』('20年・TBS系)の脚本家・野木亜紀子氏のオリジナル作品。会社をクビになり、人生が詰んだサラリーマン・文太(大泉)が“ちょっとだけエスパー”になって世界を救うSFラブロマンス。神無月さんは、
「秋ドラマの中でもやはりダントツの注目度ですね。横領で人生どん詰まりの文太が、拾われた会社で謎のカプセルを飲んで得た超能力で、ミッションをクリアして世界を平和にしていく……一見するとよくありそうなSF設定なんですが、その超能力が“ちょっとだけ”っていうのがミソですよね(笑)。
救ったはずの画家の命があっさり奪われる2話の衝撃のラストなど、安易なSFにもほっこり人情話にも収まらない、野木脚本の真骨頂に震えました。文太を雇う社長の兆(岡田将生)や、文太とニセ夫婦になる四季(宮﨑あおい)たちの謎もまだまだてんこ盛りですし、飽きさせない仕込みも万全」
他ドラマよりちょっと遅くスタートした同作。今後どうなるか。
竹内涼真が愛おしすぎる
今期の視聴者の心を最もつかんだのは、
「竹内涼真が愛おしすぎる」(栃木県・36歳)、「海老カツ最高」(宮城県・28歳)
竹内涼真主演の『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)が堂々の1位に。完璧だった恋人生活に終止符を打った男女2人の再生ロマンスコメディー。原作は第26回手塚治虫文化賞を獲得した谷口菜津子さんの、発行部数、延べ40万部の大ヒット漫画。
「女は男が守るもの、だから女は家事完璧で男を支えるべし、料理上手な彼女とシゴデキな俺、な主人公・勝男(竹内)の脳内お花畑っぷりに初回こそ“うわ~やだやだモラ男じゃん”と、めちゃめちゃイラつきましたが、彼女の鮎美(夏帆)からこっぴどくフラれた後の勝男の成長曲線がすごかった。
自分で料理を作るようになってから、1つ失敗を重ねるごとに、作ってくれた人の苦労を理解していく勝男にこちらもがぜん応援モードになるんですよね。シャツの裾を必ずズボンにインするキャラもかわいいですし(笑)。鮎美への止まらない未練と後悔を豊かな表情と全身で表現する竹内さんの熱演も素晴らしい。吉沢亮さんが演じるという噂もあったそうですが、このドラマは間違いなく竹内さんの代表作になるはず」(神無月さん)
お亮ならぬお涼の快進撃が始まりそう。秋ドラマもまだまだ序盤。'25年の最後に視聴者に愛される“名作”は?
