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 日常の気になる疑問を解決!解熱鎮痛剤や風邪薬と併用すると危険?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.解熱鎮痛剤や風邪薬と併用すると危険?

A.市販の風邪薬や解熱剤、こんな「病院の薬」と一緒に飲んだらダメ(内科医・谷本哲也先生、薬剤師・長澤育弘先生)

 ちょっと風邪ぎみ、頭痛がする、花粉で鼻づまり……、病院に行くほどではないけれど不調を感じたときに、気軽に手に取れるのが市販薬。

 でも病院でもらう処方薬を飲んでいるときには注意が必要と、内科専門医でナビタスクリニック川崎院長の谷本哲也先生は言う。

解熱鎮痛剤や風邪薬は、処方薬と飲むと、マイナスの作用を起こすことがあります。一回や二回なら、ほとんど影響はありませんが、長期に連用したり、大量に飲んだりすると、問題が起こる可能性があります

 よくあるのが、ロキソニンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤と降圧剤との組み合わせで、腎臓の血流が落ちて血圧が上昇しやすくなる、あるいは抗凝固剤と組み合わせて、出血リスクが高まるといったことだ。

 またアセトアミノフェンといった異なる系統の解熱鎮痛剤と併用すると、副作用のリスクが高まるおそれもある。より注意が必要なのが、風邪薬として販売されている総合感冒薬だ。

総合感冒薬は抱き合わせで、いろいろな成分が入っています。抗ヒスタミン薬や解熱鎮痛剤など、処方薬と成分が重なることもあるため、副作用がより出やすくなるんです」(谷本先生)

安全に飲むために活用するべきはお薬手帳

 そもそも市販薬を飲むときの注意点は、薬の箱に同封されている説明書に書いてあると話すのは、銀座薬局で薬剤師を務める長澤育弘先生。

他の薬との相互作用から、服用の仕方、使用期限、保管の仕方まで、すべて説明書に記載されていますから、それをしっかりと読んで守りましょう。説明書は読まずに捨ててしまう人がほとんどでしょうが、意外に大事なのです

 もし重複して飲んでしまい、アレルギー症状などの異常が出たら、すぐに医師や薬剤師に相談する。そのときに役立つのが“お薬手帳”だ。

処方薬に関しては、マイナ保険証にすべてデータがあるので、病院側も相互作用を調べることができますが、市販薬にはそのデータがありません。ですから市販薬を使ったら、しっかりお薬手帳に記録しておきましょう。

 飲み合わせのリスクを減らすにはお薬手帳を活用して、飲んだ薬を医師や薬剤師に申告することが重要なのです」(長澤先生)

 いずれも薬を長く飲む、あるいは複数薬を飲む場合は、3か月か半年に一度程度の検査はしてほしい、と谷本先生は念を押す。

「診察時や健康診断で血液検査や尿検査を行い、その薬が適切かどうか、定期的にチェックしてもらいましょう」

 お薬手帳をうまく活用しながら、薬の禁忌を冒さないように気をつけたい。

薬を飲む人にNGな食べ物
 肝臓で代謝するタイプの薬は、グレープフルーツ(ジュースも含む)と飲むと、薬の効き目が強まる一方、セイヨウオトギリソウなどのハーブティーと飲むと、効き目が弱くなる。またカフェインの入った薬は、コーヒーなどのカフェインと飲むと、過剰摂取になるので注意。

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取材・文/池田純子