メガネ

 太くてまん丸の黒フレーム、縦長のメタルフレーム……、デザインが素敵なメガネには憧れるけれど、いざかけてみると、どうもしっくりこない。自分に似合うメガネはどう選べばいいの?

顔の形が「卵形」に見えるメガネを選ぶ

めがねミュージアム(https://www.megane.gr.jp/museum/)

「メガネ選びで何よりも大事なのはサイズです。フレームが顔の横幅にぴったりか、少し内側に入るものを選ぶと、しっくりきます。それに次いでデザイン、材質。加えて、メガネをかけたときに顔の形が“卵形”に見えるようなメガネが理想です」

 そう話すのは、大きめのメタルフレームがよく似合う、めがねミュージアムの水野倫菜さん。

「顔の形は、長めでほっそり、長めでふっくら、短めでほっそり、短めでふっくらの4タイプに大きく分類されます。この4つに自分の顔を分類して、メガネの形やフレームの色を選んでいくといいでしょう」(水野さん、以下同)

 例えば、面長の人は縦幅のあるフレームや、ふちの幅があるもので顔に「区切り」を入れると顔の長さが目立たなくなる。反対に短い顔の人は、ふちのないもので顔に「区切り」をつけないようにするのがコツだそうだ。また、顔がほっそりした人はやわらかめの色、ふっくらの人は濃いめの色を選ぶと、見た目が卵形に近づく。

 とはいえ、メガネによって自分の印象を大きく変えたいときもあるもの。そんなときの選び方のコツは?

「例えば、親しみやすくカジュアルな雰囲気にしたいなら、クリアブラウンなど透け感のある色みのプラスチック系フレームがおすすめ。少し落ち着いた雰囲気を出したいなら、前側のフレームはプラスチックだけど、耳にかける部分(つる)はメタル素材のタイプを。お仕事などでかっちり決めたい人は、すっきりめのメタルフレームをご案内しています」

老眼で初メガネの人はふちありフレームを

 ミドルシニア世代で気になるのが、老眼鏡を選ぶケース。通常のメガネ選びとは異なるのだろうか。

「今まで近視でメガネを使っていた人と、老眼になって初めてメガネをかける人では、おすすめするフレームが変わってきます。レンズはプラスレンズ(遠視用)、マイナスレンズ(近視用)の2種類あり、レンズの中心がプラスは厚く、マイナスは薄いという特徴があります。

 そのため、今まで近視でメガネを使っていた人は、マイナスレンズを弱くしてそのまま使うので、フレームは何でもOK。一方、老眼鏡で初めてかける人はプラスレンズを使うため、ふちのしっかりあるフレームを選ぶとレンズの厚みが目立たずに、かけ心地もよくなります」

レンズの大敵は熱!汚れたら流水で洗って

 せっかく新調したからには、長持ちさせたい!

「メガネを長持ちさせるには、レンズを熱にさらさないこと。レンズはプラスチック製が多いので、熱くなるとレンズが膨張してコーティングが引っ張られ、ひび割れたようになってしまいます。温泉やサウナに入るときにはメガネをはずすか、専用のメガネにかけ替えましょう。

 また汚れがついたら、ひとまず流水で汚れを落とし、その後、食器用などの中性洗剤を指につけて、なでるように洗い、最後にまた水ですすぎましょう。洗い終わったら、ティッシュで軽く全体的に水分をぬぐいます」 

 レンズのコーティングは3年ほどで劣化するので、3~5年おきに眼科で度数を確認したうえで、買い替えを検討するとよいそうだ。

「洋服と同じでメガネにも流行がありますので、ぜひ定期的にチェックしてほしいですね。ちなみに、ここ最近は、縦幅のあるメタルフレームなど、クラシカルなものが流行っています。

 自分には似合わないと思い込んでいたものも、かけてみると意外にもなじみがよかったというのは、よくあること。自分の過去のイメージや意識にとらわれず、いろいろなメガネにチャレンジしてほしいですね」

メガネ選びの基本ポイント

サイズ

顔とフレームの横幅がぴったりか、フレームが少し内側に入っているサイズだと、しっくりくる。極端に内側に入っていたり、外側に出ていたりするとアンバランスな印象に。

デザイン

フレームの上のラインが眉毛の形と近いものを選ぶとよい。眉毛が下がっているなら、ラインが下がっているもの、上がっているなら上がっているものを。

材質

セルロイドやアセテートなどプラスチック系や、チタン合金や金、アルミなどメタル(金属)系のほか、木や竹を使った天然素材など種類はさまざま。顔の印象を変える要素なので、いろいろと試すのもよし。

めがねミュージアム

めがねミュージアム(https://www.megane.gr.jp/museum/)

メガネの生産量日本一!福井県産のメガネがずらり

 メガネの世界的産地で、国内のメガネ生産量の9割以上を占める福井県鯖江市。メガネの歴史を学べる博物館をはじめ、メガネのショッピングやメガネづくり体験ができる「めがねミュージアム」は、まるでメガネのテーマパーク。販売されているメガネはすべて福井県産で、県内随一の取扱数。

教えてくれたのはめがねミュージアム主任・水野倫菜さん

転職を機にメガネ業界に足を踏み入れる。現在8年目でまだ修業中とのこと。

取材・文/池田純子 イラスト/石山綾子