政治とSNSの関係がますます密接になる中、選挙情報ポータルサイトの「公平性」が揺らぐ事態が物議を醸している。立憲民主党の衆議院議員公認候補予定者であり落語家の顔も持つやなぎや東三楼氏がXで特定の投稿を削除したことが発端だ。この投稿内容を巡り、同氏と『選挙ドットコム』の関係性にネット上では「ステマ(ステルスマーケティング)ではないか」との疑惑が噴出。
選挙ドットコム側は即座に「事実無根」と表明し11日、やなぎや東三楼氏は謝罪する事態に至った。
立憲・やなぎや東三楼氏のステマ疑惑
事の発端は11月8日、やなぎや東三楼氏が「立憲民主党 党本部はSNS上のデマに対して警告する、訴える等 強く対処しないと、立憲民主党が嘘とデマでイメージを作られる、何を言っても良い政党になる。(中略)じゃないといくら選挙ドットコムに頼んで支部のアカウント増やしてもポストもリポストも増えません」と、SNS上のデマに対して私見を述べたものだった。
問題は「選挙ドットコムに頼んで支部のアカウント増やしても」という部分がXユーザーを中心に物議を醸し翌日にポストを削除したようだが、この投稿のスクリーンショットとされる画像が瞬く間に拡散、
「立憲民主党はステマしてますってこと?」「選挙ドットコムは中立じゃないのかー」「これがマジなら選挙ドットコムってこんな利害関係ある中で世論調査もやってて公平性担保出来てんのかって話になるやん」
と“ステマ疑惑”の声が集中。
選挙ドットコムは日本最大の選挙・政治情報サイトとしてメディア運営の指針として、「選挙をもっと、オモシロク。」を掲げており『イチニ株式会社』が運営している。有権者が投票先を決める上で重要な情報を提供するプラットフォームであり、その運営には極めて高い中立性・公平性が求められる。
選挙ドットコム側は「事実無根」と声明
この一連の騒動に対し、選挙ドットコムは10日、Xの公式アカウントを通じて「【弊社サービスに関するX投稿について】」と題する声明を発表した。
「当該投稿には、特定政党(政治家)のSNS支援に関して、弊社の事業として一切行っていない事実無根の内容が含まれていました。弊社のサービス内容に対する誤解を招く投稿であったため、現在、弊社は当該政党に対し本件についての申し入れを行っております。(中略)特定の政党や政治家のSNSアカウントを開設・運用するなどの行為は一切行っておりません」とし、事実に基づかない情報拡散には法的措置を含め厳正に対処する方針を明かした。
「立憲の米山隆一議員もこの炎上に対し、『句読点の位置が悪く誤解を生んでいますが、元よりその様な内容ではない』自身のXで誤解を生んでいることを強調していました。確かに選挙ドットコムでは『ボクネタ』というSNSやネット戦略を支援するサービスを提供していて、サービス上の誤認・言い方に問題があったとも言えるでしょう」(政治部記者)
選挙ドットコムの声明の翌日、やなぎや東三楼氏は「選挙ドットコムに頼んで支部のアカウントを増やすという投稿の部分と、あたかも選挙ドットコム様がポストやリポストを増やしてくれるかのように受け止められる投稿の部分は、全く事実ではありません。この様に事実ではない誤解を招く内容を投稿してしまったことを猛省しています」などとして謝罪したが、
「じゃあどういう意味だったんだよ」「いやこれじゃぜんぜん釈明になってないでしょ」など、納得のいかない声も多いようだ。
