ポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ移籍を目指す、東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆選手(25、以下敬称略)と各球団との交渉が解禁された。“日本のベーブルース”“和製バリー・ボンズ”とも称される大砲だが、現地では評価が割れてーー。
2022年に王貞治氏(85)の記録を抜く56本のホームランを打ち、史上最年少の「三冠王」に輝いた村上。プロ8年で通算246本塁打を誇る“日本一のスラッガー”のメジャー挑戦と移籍先は、国内のみならずアメリカでも注目されている。
当初は大谷翔平投手(31)、山本由伸投手(27)、佐々木朗希投手(24)ら日本人トリオを擁するロサンゼルス・ドジャースも獲得に乗り出すと思われたが、移籍事情に詳しいスポーツライターによると、
「村上が主戦場とするサードのポジションですが、日本でもお馴染みとなったマックス・マンシー(35)と来季の契約締結が発表されました。またファーストには不動のMVP選手のフレディ・フリーマン(36)、そしてDH(指名打者)には大谷と空きがなくドジャースは見送るとされています。
また覇権奪回を目指す(ニューヨーク)ヤンキースも有力視されますが、大戦力を揃えるチーム事情においてポジション争いは熾烈。レギュラー確約の条件を優先するのであれば(ニューヨーク)メッツ、(シアトル)マリナーズが現実的な移籍先になると思います」
メジャーOBが村上獲得は「お金の無駄だ」
2022年12月にボストン・レッドソックスと契約を結んだ、吉田正尚選手(32)の5年総額9000万ドル(約138億円)を上回るともされる村上の契約金。マネーゲームが予想されるが、そのレッドソックスOBのルー・メローニ氏(54)は村上獲得に懐疑的だ。
《もし、これが本当ならお金の無駄だ。彼には近づかないほうがいい》
自身のXで“忠告”したポストで、村上に関するデータを引用。昨シーズンの村上は、93マイル(約149キロ)以上の球速に対する打率は.095とする、つまりNPBの速球派投手と対峙した際に1割も打っていないとのデータだ。
同じくデータを懸念材料としているのが、移籍先候補の一つとされるトロント・ブルージェイズの専門メディア『ブルージェイズ・ネーション』。ワールドシリーズでドジャースに敗戦したブルージェイズだけに、来シーズンの“リベンジ”に向けて早くも選手補強に動いているようだ。
11月11日(現地時間)の記事では、主軸のウラジミール・ゲレーロJr.選手(26)に続く大砲を獲得したいチームにおいて、村上の長打率には一定の評価をするも、
《村上にとって懸念材料の一つは、時速93マイル以上の速球に苦戦していることです。 2025年の村上は、該当する投手に対して打率わずか.095にとどまり、キャリア全体に視野を広げても、これは期待はずれの数字と言えます》
「ブルージェイズにフィットしない」
球速平均が150キロ以上とされるMLBだけに、1割未満の数字が「期待はずれ」とも言われる始末。さらに“弱点”として挙げられたのが、昨年の三振率28.6%、空振り率36.7%との数字。NPBでも8年のうち4度の「三振王」となっただけに、“三振が多い選手”との印象が持たれている。
「ブルージェイズがWS進出できた要因として、それぞれの打者がシーズンを通して質が高く確実な打席に立ったと分析し、三振が多い村上は“ブルージェイズにフィットしない”とまで言い切っています。
とはいえ大谷争奪戦の時は土壇場でひっくり返されたブルージェイズだけに、チームとしては意地でも“日本人選手の獲得に動く可能性もある。それこそ村上批評は、他球団を油断させるための“ブラフ”とも受け取れますが、はたしてーー」(前出・ライター)
2026年シーズン、大谷ら日本人トリオとワールドシリーズで対戦する村上の姿も見てみたいが。
