米の価格高騰対策として配布が検討されている「おこめ券」。しかし、この政策をめぐっては多くの異論が噴出している。
おこめ券か現金給付か
2025年11月11日、渦中の自民党・鈴木憲和農相が『深層NEWS』(BS日テレ)に出演し、「おこめ券」について言及した。高いコストが掛かるとして問題視されている事務費や輸送費については、「おこめ券は既存のもので、いくつかの自治体では物価高対策として支援している例もある」と説明し、既存システムの流用であることを強調。
自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」からの配布となるため、自治体ごとに対応が異なることで不公平感が出る可能性については「おっしゃる通り」としながらも、自治体がやりやすい仕組みで進められることが迅速な配布につながると語った。
しかし、それでも政策の評判は芳しくないようだ。
「11月9日のテレビ朝日系『ビートたけしのTVタックル』では、社会学者の古市憲寿氏が“こんなバカな政策ってあるんだなってびっくりしました。考え得る限り最悪な政策じゃないですか?”と酷評しています。同日のフジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』でも、橋下徹氏が“僕は反対ですね”と断言。おこめ券を配布するくらいなら、現金給付にすべきだとして猛反発しました」(スポーツ紙記者)
『日曜報道 THE PRIME』には、国民民主党の玉木雄一郎代表もゲスト出演。高騰した米価格を維持しながらおこめ券を配布する状況について「両方で税金使ってる形になる」と指摘し、「野党としてもしっかり対案を出していきたい」と語った。
現金は「生々しい」武田の“持論”
そんな中、11日放送の『サン!シャイン』(フジテレビ系)では、スペシャルキャスターの武田鉄矢もおこめ券に言及している。
「武田さんは“いただくと、ないよりうれしいんじゃないですかね”と話し、政策に肯定的な立場を取っています。鈴木おさむ氏から“なぜ現金給付ではないのか”と疑問が飛び出すと、“現金って生々しいんです”と反論し、“(自身の母親は)生で渡すときには必ず『ごめんなさいね』って謝ってましたよ”と持論を展開しました」(テレビ誌ライター)
しかし、武田の個人的な意見に、ネット上では「論点がズレてるな」「じゃあ結婚式とかのご祝儀も現金は生々しいからやめろってこと?」など懐疑的な意見が。
「世間からはさまざまな意見が寄せられていますが、武田さんの主張も一理あると思います。現金は“現ナマ”という言葉もある通り、確かに生々しい印象があることは事実でしょう。とはいえ、日本人がそんな“現ナマ”が大好き(笑)。おこめ券について批判的な声が寄せられてる以上、多くの国民が求めているのもまた、現金給付である側面は否めません」(政治ジャーナリスト)
賛否が入り乱れる「おこめ券」論争。政策の是非よりも、“支援の形”そのものが問われているのかもしれない。
