『モーニングショー』に出演する玉川徹(番組公式ホームページより)

 激戦つづく朝のワイドショー戦線。長年、民放視聴率1位を独走している『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)のコメンテーターとして毎日活躍しているのが、玉川徹氏だ。

定年退職を迎えていた玉川徹氏

「Xを開くと、タイムラインには玉川氏への批判コメントがずらり。良くも悪くも注目されているということなのでしょう」(芸能ジャーナリスト、以下同)

『DayDay.』(日本テレビ系)や『サン!シャイン』(TBS系)などライバル局を寄せ付けない強さを見せつける『モーニングショー』。牽引する“朝8時の怪人”の素顔とは――?

「玉川氏は京都大学院修了後の1989年にテレビ朝日に入社。もともと特撮ドラマや日本テレビ系の『木曜スペシャル』といったテレビが好きで業界を志望したそうです。『内田忠男モーニングショー』でアシスタントディレクターを経験した後、『スーパーモーニング』でディレクターを務めました」

 転機となったのは『ワイド!スクランブル』時代だった。

「政治をテーマに自ら“リポーター”として伝えた際に手応えをつかんだそうです。これによってどう世間に投げれば返ってくるのかを実感したとのこと」

 日々のコメントは、テレビの演出家として培われた賜物だったというわけか。そして、やがて出る側へ――。

「もともとはテレビに出るとは考えていなかったという玉川氏。ただ演出力があるのにもかかわらず管理職となって現場を離れる先輩たちを見て、『出演者も兼ねたらずっと現場でやれるんじゃないか』と考えたそうです。コメンテーターとして同局のワイドショーで活動し始めたのは2011年からでした。その実績が認められたのか、2015年の『羽鳥慎一モーニングショー』から毎日出演するようになりました」

 このとき、羽鳥に言った言葉に、玉川氏の信念が透けて見える。

「羽鳥さんには『僕が悪役をやるので善人に専念してください』と提案したのだとか。“善の羽鳥、悪の玉川”。その対立構造が番組のスパイスとなっていきました。羽鳥さんは株が上がり、玉川氏は下がりっぱなし。でも、タレントならまだしも、彼はテレ朝社員。踏み込んだ発言をしても会社に守られていたのです」

 だが、2022年9月、同番組で安倍晋三元首相の国葬の際に菅義偉前首相が読み上げた弔辞についての“私見”が物議を醸した。

「『(広告大手の)電通が入ってます』と誤認コメントして大炎上。10日間の出勤停止処分に遭いました。番組にコメンテーターとして本格復帰したのは2023年4月。その後、同年7月に定年退職を迎えています」

 それでも、玉川氏は現在も番組に出続けている。

「特定の事務所には所属せずに、フリーのコメンテーターとして出演しています。語り口は、『電通』発言以前とそう代わりませんが、当時、篠塚浩社長は、玉川氏の復帰について『取材をしてファクトに基づいてコメントをすると基本に立ち返って出演するということになっています』と言っていますから、反省してきちんと下調べして発言しているのだと思います」

 視聴者からの厳しい目にさらされながら、今日も“玉川節”が炸裂する――