スキャンダルによりその立場を追われるも、日本全国を周ってファンに笑顔を届けてきた“元・人気芸人”。しかし、今度はその活動の場にもトラブルが――。
2024年7月、ロケバスの中で20代の女性に性的暴行を加えたとして、同年10月に書類送検された元ジャングルポケットの斉藤慎二。9月20日には体調不良などを理由に本人の申し出で当面の活動休止が発表されたが、事件が明るみに出ると、当時所属していた吉本興業はマネジメント契約を解除。全レギュラー番組を降板し、2025年3月26日、不同意性交と不同意わいせつ等の罪で東京地裁に在宅起訴された。
運営会社が売上金の“持ち逃げ”を告発
世間を騒がせた事件だったが、斉藤は2025年4月末にバウムクーヘン店『バームSAITOU』をオープン。群馬県高崎市で開店した際には、朝から長蛇の列ができる盛況ぶりだった。その後も各地で移動販売を行い、持ちギャグを披露するなどファンとの交流も見せてきた。
しかし、11月12日『FRIDAY DIGITAL』で報じられたのは、そんな新事業を巡る衝撃の“金銭トラブル”だった。
「バームクーヘンの販売事業を行うT社の社員・A氏が、斉藤氏による売上金の“持ち逃げ”を告発したのです。販売利益はT社と斉藤氏で折半する契約だったものの、10月8日と9日に福岡で売り上げた約160万円と釣り銭の準備金が、会社の口座に振り込まれていないとのこと。
斉藤氏側は報酬の一部が未払いになっていることを理由に売上金を手元に留め置いていると主張していますが、A氏は未払いについて真っ向から否定。報道後にはインスタグラムで《エビデンス資料含め警察に相談させて頂いております。全ては警察と司法が判断される事だと思っています》《斉藤氏と今バームクーヘンを販売させている為に動いている関係会社は絶対に許しません!!》との声明を発表しました」(ワイドショースタッフ)
食い違う両者の主張。A氏はFRIDAYの記事で、斉藤について《警察に被害届を提出する予定》と語っていたが、このトラブルに進展があったという。
「11月13日、『FRIDAY DIGITAL』の記事が公開された翌日に被害届が受理され、捜査が開始されたといいます」(全国紙社会部記者)
「従業員から勝手にお金を…」新証言
動き出した金銭トラブルの真相解明。詳しい事情を探るべく、T社に問い合わせたところ、A氏から返答があった。
――斉藤は《8月分と9月分の報酬》が未払いだと主張しているが?
「報酬は全額支払っています。本来、月末締めで計算して翌月末に支払うことになっていましたが、生活が大変だということで、今まで暫定的な“先払い”もしてきました」
斉藤は11月13日、Xで《令和7年10月17日から、すでに弁護士さん含め対応しております》《応援をしてくださっている方々、バームクーヘンをご購入いただいているお客様を裏切るような行為は断じてしておりません》《重要なのは、取引先の社長がT氏ではなく、私を支えてくれる形で同席してくださったのが全てだと思います》と声明を発表している。この声明に対してA氏は「憤りしかありません」として上で、さらに斉藤について新たな“証言”も残した。
「FRIDAYには書かれていませんが、斉藤は従業員から勝手にお金を借りるなど、会社としては許されない行為があったこともお伝えしておきます」
怒りを露わにするA氏。トラブルの実態について事実確認のため斉藤にも話を聞くと、代理人弁護士が回答を寄せた。
「報酬の支払いについては、契約書などで期日が厳密に設定されておらず、話し合いによって“月末締め・翌月払い”という形をとることになっていました。しかし、実際にはその形に沿わない支払いが続いてきました」
どうやら、報酬の支払日は“口約束”となっていたため、これが今回のトラブルの発端になったようだ。
「斉藤さんは、生活がある中、報酬をいただけてない状況で働き続けることの危うさを感じています。7月ごろまでは確認できる状態になっていた損益計算書が突然見られなくなったので、売上金や経費などを確認するため資料の開示を依頼しましたが、送付された資料と斉藤氏が当初確認していた内容とでは数字に違いがあります。結果として報酬額にも変動が生じるため、詳細な資料を元に正しい計算をした上での協議を進めたいと考えております」
金銭のやり取りは「あくまで必要経費」
A氏は未払いについて否定しているが……。
「売上金は斉藤さんからA氏に送金し、その後、報酬が斉藤さんに支払われる形でした。その一部に、未払金があるということです。7月分までは損益計算書で売上の内容を把握していますが、8月分、9月分は正確に把握できていません。これまで支払われた額で報酬は全額なのか、確認するために資料の開示をお願いしました。10月の売上もA氏に送金していますが、斉藤さんに対する報酬は支払われていません。
160万円については、報酬の支払いに不安があるため留め置かせていただいている状況です。未払いの報酬が確認できた場合、相殺してお渡しする予定です。横領ではなく、いっさい手をつけていない状況です。釣り銭に関しても、斉藤さんは所持していないと主張しています」
事態の解決に向けて、どのような動きになるのか。
「今後の流れとしては、お互いに総勘定元帳や附属明細書などを見ながら、誤った経費の付け方がないかなどを確認した上で、両者納得のいく支払い・返済の形を協議していく予定です」
A氏が証言した“従業員からの借金”については、こう説明する。
「交通費などの経費を自腹で支払わなければならない際、その清算をT社に依頼したところ、従業員による立替で受け取るよう指示があり、受け取ったことはあります。あくまで事業に関する必要経費の不足分であり、従業員との間に個人的な金銭の貸し借りはありません」
斉藤側の主張では、あくまで報酬金の一部は未払いであり、また支払われた金額に不足分がないかの確認も望んでいるという。従業員との金銭のやり取りについては、経費の精算のためであり“借金”という認識ではないとした。
斉藤から提出されない“領収書”
しかし、この主張について、A氏は到底納得がいかないと話す。
「斉藤は、その日の売上がいくらあるかなど、間違いなく常に確認できるようになっているはずです。売上が把握できていないなんてことは、あり得ない。売上金の記録を変えることは基本できませんし、仕入れ先や代金も資料には正式な形で記載しています。水増し請求をしているなんてことは、まずあり得ません。資料を開示してほしいのであれば、いくらでも応じます。報酬は間違いなく、全額支払っています」
また、斉藤との金銭のやり取りにおいて、事業に関わる不安材料があるとも。
「斉藤に対して現金で手渡ししているお金もあるんですが、その領収書がいっさい貰えていないんです。領収書がないと経費として計上できないのですが、一向に提出してもらえず……。従業員との金銭のやり取りについて、斉藤が仮に経費の立替をお願いしていたとしても、その領収証は今も貰えていません。毎回、経費は領収書と引き換えることになっていますが、従業員に立替金を渡した事実はありません」
トラブルの取材に応じた後、A氏は悲痛な胸の内を明かした。
「もともと斉藤とは何度か食事の機会があって、ご家族ともお会いしていました。そんな中、ロケバスの事件があって。詳細は当人同士にしか分かりませんが、斉藤が涙ながらに相談してきたので、なんとかしてあげたいと思ったんです。
バームクーヘンの販売は共同でやってきたのにも関わらず、仕入れ先と手を組んで勝手に事業を進めて……。私が許可するかどうかに関係なく、まず連絡をよこせよと。こちらとしては、斉藤たちがしていることは“信義則違反”に該当すると認識しています。
今後、その辺りも盛り込んで差し止めを求めていきます。横領の件は刑事事件として引き続き警察に相談していきますし、バームクーヘンの事業に関わるほかの部分の金銭のやりとりに関しては、民事で協議を進めます。インスタグラムに掲載した声明文に記載したとおり、すべては警察と司法が判断すると思っています」
真っ向から対立する、“報酬金”を巡る両者の主張。かつて手を組んだ際の信頼関係は、もはや跡形もなく崩れ去っていた――。
