ユーミンこと松任谷由実

 歌手・松任谷由実が11月16日の『日曜日の初耳学』(MBS・TBS系)に出演。活動名を“荒井由実”から“松任谷由実”に変更した過去について語った。

荒井由実としてデビューした松任谷由実

松任谷由実ことユーミン

 松任谷は、1972年に『返事はいらない』で荒井由実としてデビュー。『ひこうき雲』『卒業写真』などヒットを生み出し、世の中に“荒井由実ブーム”を巻き起こした。そんな人気絶頂期にプロデューサー・松任谷正隆氏と結婚し、その後約一年半あまり活動を休止。番組MCの林修が活動休止の理由を尋ねると、

松任谷は「ブームに慣れてなかった」と少しおどけながら答えている。

 笑いつつも松任谷は「精神的に参った」と続け、「この先どうしたらいいのか分からなくなって」と当時の“荒井由実旋風”の苦悩と葛藤を明かした。そして復帰時の改名については「半分冗談で変えたところもあるんですね」と告白。「松任谷っていう名前がかっこよかったから。3文字で」とニッコリし、スタジオの驚きと笑いを誘った。

 林が「定着したブランドを捨てるようでもったいない」と漏らすと、頷きながら「その頃も“バカなんじゃない”と言われた」と苦笑いしている。

「番組でも語っていましたが、改名した松任谷さんは“絶対荒井由実を超えてやる”と思うようになったそう。実際、改名後の活躍はすさまじいものがありますよね。1981年の『守ってあげたい』から始まり、『真夏の世の夢』『春よ、来い』などミリオンヒットを連発。アルバムは70年代から2020年代の全てで1位を獲得して、ギネス世界記録にも認定されています」(音楽ライター)

ユーミンの名づけ親

 番組ではニックネームの“ユーミン”についても言及。松任谷が中学生の頃に追っかけをしていたバンド「ザ・フィンガーズ」のメンバーであるシー・ユー・チェンが名づけ親だそう。この追っかけがきっかけで、シンガーソングライターの道につながったという秘話も披露した。

 どの呼び名を聞いてもパッと曲が浮かんでくるという稀有な存在だが、ネット上では「いまだに荒井派、松任谷派が存在する」という声も。

 さらに、「楽曲も荒井由実と松任谷由実で違いがあるから面白い」「時代も曲調も違うから、まるで2人のアーティストが存在しているようです」「荒井由実時代が好きな人と、松任谷由実時代が好きな人で分かれるよね」

 と、それぞれの“推しユーミン”を語る熱い声が止まらない。

「ユーミンが起こした社会現象で有名なのは、“クリスマスは恋人と過ごす”という文化。映画『私をスキーに連れてって』の挿入歌『恋人がサンタクロース』がきっかけだと言われています。番組で松任谷さんは“強迫観念になっちゃいますよね”と戦犯であることを謝っていました。バブル景気もあいまって盛り上がったとはいえ、現代まで続くカルチャーを作り上げたことは、いかにユーミン人気がすごかったかを物語っています」(前出・音楽ライター)

 今年もクリスマスシーズンがやってくれば、『恋人がサンタクロース』を耳にする機会があるだろう。71歳になっても松任谷由美はまだまだ色褪せない。