11月21日公開の細田守監督のアニメ映画『果てしなきスカーレット』が、厳しいスタートとなった。
公開から3日間の興行収入は全体の3位となったものの、三連休を含めた11月24日までの興行収入は約2.7億円。全国447館での大規模公開という点を考えると、かなり寂しい結果となっている。
公開初日の着席数は3%程度の大苦戦
「今年は『鬼滅の刃』や『名探偵コナン』といった人気漫画原作の劇場版が大ヒットを飛ばす中、オリジナルアニメ作品は軒並み苦戦するという二極化が進んでいます。そのため細田監督というビッグネームでも、公開前から苦戦が予想されていましたが、想像以上に客入りが悪いんです」(広告代理店関係者)
細田監督といえばフリーで活動していた時に製作した『時をかける少女』が小規模公開からクチコミで広がり、異例のロングヒットで注目を集めた。
その後、『サマーウォーズ』が16億円5000万円。アニメ制作会社の『スタジオ地図』を設立すると、『おおかみこどもの雨と雪』が42億円、『バケモノの子』が58億円。'21年に公開された前作『竜とそばかすの姫』は66億円の大ヒットとなるなど、日本アニメ界のヒットメーカーとして知られている。
「今作は4年の月日を費やしていることから、製作費は最低でも20億円はかかっているのでは?と噂されています。興行収入の半分は映画館の取り分になるため、最低でも40億円は突破しないと、赤字になります。しかし公開初日の着席数は3%程度。このままでは10億円にすら届かない可能性が高いです」(同・広告代理店関係者)
初日に鑑賞した人たちから酷評が相次いでいることも、客足が伸び悩んでいる理由だという。
「途中ミュージカルシーンがあるなど、攻めた演出のため“インド映画だった”“絶望感に襲われた”と酷評が相次いでいます。また主人公が心の声で状況を説明しすぎていることで、“陣内智則のコントか”など、“酷評大喜利”化しています」(映画ライター)
興行収入もクチコミも微妙なだけに、主人公の声を担当した芦田愛菜を心配する声も増えている。
「作品が大コケすることで芦田さんの俳優としてのキャリアに傷がつき、“黒歴史になってしまうのでは”と心配する人も少なくありません」(同前)
しかし同映画ライターは「芦田さんのキャリアにはマイナスにはならない」と断言する。
「エンディングテーマも担当していますが、こんなに歌が上手かったのか!と感動しました。確かにストーリー自体は深みがなく退屈する場面もありますが、映像美はさすが細田監督といったところ。またカナダのトロント国際映画祭など海外の映画祭にも招待されているので、芦田さんの存在が海外の方にも知ってもらえるチャンスだと思います」
日本のSNSでは厳しい意見が多く上がっている同作だが、芦田の声優と歌は絶賛が相次いでいるだけに、今後は声の仕事や歌手のオファーも殺到するかも?
