豊田真由子氏

 参政党の政調会長補佐を務める豊田真由子氏をめぐり、党内で波紋が広がっている。

参政党は公式HPに質問状を公開

「11月25日配信の『文春オンライン』で、同党の梅村みずほ参院議員と豊田氏との間での国会議事堂内の仕事スペースをめぐるトラブルが報じられました。梅村氏から地下スペースの使用を勧められた際に豊田氏が『激高した』などと伝えられたのです」(スポーツ紙記者、以下同)

 2012年、自民党公認で出馬し、衆院議員として初当選した豊田氏。だが、5年後の2017年、秘書に対する「このハゲーーっ!」といった暴言や殴る蹴るなどの暴行疑惑が報じられ、離党。同年10月の衆院選に無所属で出馬したが落選した。

「その後、テレビのコメンテーターとして活動していた豊田氏でしたが、昨年9月、参政党の神谷宗幣代表から引き上げられ、政調会長補佐・ボードメンバーとして起用されました」

 近頃は人が代わったような穏やかな語り口で知られていたが、今回報じられたのは、久々の気迫あふれる“圧巻ボイス”。一体どうしてスイッチが入ってしまったのだろうか。

「その根底には、豊田氏の立場をめぐる複雑な心情が存在していたのではないか」と指摘するのは全国紙政治部記者だ。

「暴言騒動で政治家としての道を断たれた豊田氏でしたが、8年後に参政党という舞台を与えられた。しかも神谷代表から『過去のいきさつはあるが、能力と想いのある方』として復権させられたのです。その過程で、彼女は実績を積み上げ、神谷代表の期待に応えようと奮闘していたことは想像に難くありません。にもかかわらず、執務スペースの配置で“地下”という扱いを受けたことが、プライドに傷をつけたのかもしれませんね

 一連の報道に対して参政党側は25日、公式サイトを通じて対応を発表している。

「参政党は公式サイトで、週刊誌からの取材問い合わせに答える形で、『豊田ボードが激昂して指摘の発言をした事実は確認できません』と“地下発言”を真っ向否定。執務スぺースも豊田氏が要望したものではないと反論しています」(前出・全国紙政治部記者、以下同)

 さらに翌26日、梅村氏がボードメンバーと参院国対委員長の職を辞任することになった。

「解任の理由は、梅村氏が『直接コメントしてはいけない』というガイドラインに反して週刊誌などからの取材に応じたのが一番の理由だと見られています。また神谷代表は、これを懲戒処分ではなく、梅村氏自身も了承したものと述べています」

 実際に豊田氏が激高したのかどうかはうやむやになった印象だが、いずれにせよ豊田氏の“復権”の物語がこのあとどのような展開を迎えるか、要注目だ。