NHK外観

 11月24日、沖縄本島で大規模な漏水が発生し、広範囲で断水のおそれが生じるという事態が起こった。この災害情報をNHKがX(旧Twitter)に投稿したところ、ネット上で炎上を巻き起こし、大きな物議を醸している。

断水情報に500万アクセス

 NHKは日頃から、地震や台風、大雨、大雪などの災害情報や防災情報を「NHK生活・防災」というXアカウントで発信しており、24日も前述の断水情報を伝えた。

「その投稿は『沖縄本島で水道管が破損、大規模な漏水、約37万世帯で断水のおそれがある』という災害情報でした。ところが、この投稿の閲覧数は500万回以上。いつもの投稿は3万とか5万程度のインプレッションですから、この数字は明らかに異常です」(全国紙社会部記者、以下同)

 この異様な注目度の背景には、投稿に添えられたリンクをクリックすると、アカウント登録を求める画面や受信契約を促す画面が出てくるという、NHKの新たな運用体制がある。

 ネット上では、NHKが緊急性の高い災害情報にアクセスしようとするユーザーに対して、契約や登録を要求しているとして批判が集中。SNS上には《災害で電池がないときにコレが出てきたらキレると思う》、《NHK、緊急時に見ようとしてこれだと防災には使えないね…ログインは緊急時ハードル高い》といったような声が上がった。

 以前は、NHKのネット上のニュースはそういった画面が出ることなく、スムーズに見ることができていたはずだが、なぜ変わったのだろうか。

じつは、2025年10月にNHKを取り巻くインターネットの状況が大きく変化しました。同月1日に施行された改正放送法によって、ネット配信がNHKの“必須業務”に変更。これに伴い、従来の『NHKプラス』は『NHK ONE』へとサービスを統合。受信料を払っている人だけが利用できるサービスに移行したのです」

 そして、11月18日からは受信料を払っていない人が無料でネット情報を閲覧する“ただ乗り防止”のため、利用者に対する受信契約の確認が本格的にスタート。そのため、今回の沖縄の断水情報をクリックしてより詳しい情報を見ようとすると、契約確認などの画面が出現する仕様となっているのだ。

 ただ、緊急時にいちいちログインなどを求められるのは、利便性に著しく欠く気もするが……。

NHK広報の見解

「緊急性の高い情報にアクセスする際、利用規約や契約を求めるポップアップが出てくることに、ユーザーが不満を抱くのは当然でしょう。特に災害時はバッテリー残量も少なく、一刻を争うため、いざというときに役に立たないと受け取られてしまったのです」(前出・全国紙記者)

 緊急時にもこうした面倒な作業が要求されるのか。週刊女性PRIMEはNHK広報に話を聞いてみた。

 まず、利用に受信契約が必要なことを示す「ご利用にあたって」という画面は、一度内容を確認すればそのブラウザでは2度目以降は表示されなくなるという。記者がためしたところ、たしかに次からは表示されなくなった。

受信契約やアカウント登録を促す『NHKONE』のポップアップ画面

 ただし、「アカウント登録のお願い」や「受信契約の確認のお願い」といったポップアップ画面が出てくるケースも。これらについては、広報は以下のように回答した。

「NHK ONE アカウントをご登録いただき、受信契約情報の登録・連携手続きをしていただくと、受信契約の確認の取れるため、以降、そうした画面は表示されなくなります」

 受信料を支払っていることが、NHKが発信するインターネット上の情報を閲覧する条件ならば、受信契約の情報を登録することは仕方ないが、こういった面倒な作業が緊急時に求められると厄介だが――。

 緊急時に関してのNHKの回答は「アカウント登録のお願いや受信契約の確認は災害時・緊急時には表示されません」とのこと。さらに、一度だけ出る「ご利用にあたって」という画面についても、「災害時や緊急時にニュースが配信される際には、この画面が小さく表示される仕様となっており、必要な情報が確実に伝わるよう配慮しています」とのことだった。

 NHKが災害時や緊急時の情報提供に配慮をしていることはわかったが、いずれにせよ、民放のSNSや以前のNHKのように、ネット上のNHKの情報を簡単に閲覧することができにくくなったということ。

 NHKの情報をフル活用したければ、事前に「NHK ONE」のアカウント登録を済ませておくしか選択肢はなさそうだ。