「ラオスの国民の皆さまの温かい人柄やお心遣いにより、充実した心に残る訪問となりました」
11月22日、初めての海外公式訪問を無事に終え、帰国された愛子さま。同日、宮内庁を通じて感想を綴った文書を公開し、ラオスでの5日間をこう振り返られた。
絶賛された、愛子さまのラオス訪問
「今年は、日本とラオスの外交関係樹立から70周年の節目に当たります。これを受け、ラオスからの招待があり、愛子さまのご訪問が実現しました。現地では国家主席への表敬訪問や晩さん会など、両国の友好のための行事に臨まれたほか、小児病院や不発弾の被害を啓発する施設にも足を運ばれました」(皇室担当記者)
愛子さまにとって、初めての海外公式訪問ということもあり、現地でのご動向は常に注目を集めた。ご滞在中、宮内庁が公式インスタグラムで愛子さまの様子を投稿すると、瞬く間に拡散され、中には35万件もの“いいね”が寄せられた投稿も。
そんな愛子さまのラオスご訪問は『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務め、長年、皇室取材に携わる、つげのり子さんにとっても印象深い瞬間にあふれていたという。
「5日間を通じて、愛子さまに同行した関係者の表情がとても和やかだったことから、愛子さまは常に温かい雰囲気に満ちていらっしゃったのだろうと感じました。
行く先々での等身大なお言葉も印象的で、『クアンシーの滝』をご覧になった際は“泳いでみたい”とおっしゃったり。機織りを体験された際は、夢中になる愛子さまに係の人が“好きなだけ織ってください”と声をかけると“日が暮れちゃう”と返されたり……。形式張らず、常に自然体なお姿で、親しみやすさを感じました」
ご到着の翌日は国家主席の表敬訪問に臨まれた愛子さま。この時の装いに、つげさんは驚きを隠せなかったそう。
「表敬訪問の際、愛子さまはラオスの伝統衣装をお召しになっていました。これには“意外!”と驚きました。というのも、佳子さまや眞子さんが海外公式訪問で大統領を表敬訪問をされる際は着物を着用されていたことが多かったからです。
近年、内親王による表敬訪問時の装いは着物というイメージがありました。ただ、後から愛子さまが着用された伝統衣装が国家主席の奥様からのプレゼントだという情報が明かされて。贈り物に感謝の気持ちを示そうとなさる愛子さまの優しさが伝わりました」
愛子さまの装いから深い思慮がのぞいたのはこれだけではないと、つげさんは続ける。
「晩さん会でお召しになっていた黄色の着物も印象的でした。実は、ご訪問の前から晩さん会では黄色の着物をお召しになるのではと予想していたんです。
ラオスの国花は『チャンパー』という花で、ちょうど愛子さまが晩さん会でお召しになった着物のような淡い黄色の、とても可憐なお花です。晩さん会でのスピーチでもチャンパーについて触れていらっしゃいましたから、きっと国花を意識して選ばれたのだと思います」
現地で見せた愛子さまのお心遣い
愛子さまらしく自然体で振る舞いつつも、気遣いを欠かさない姿勢が随所に見られた今回のご訪問だが、その裏ではたゆまぬ努力があったという。ラオス行きに先立ってご進講を担当した有識者の1人で、ラオス近代史を研究する菊池陽子東京外国語大学教授はこう振り返る。
「ご進講の際は愛子さまだけでなく、両陛下にもご同席いただき、1時間ほどでラオスの歴史についてご説明いたしました。愛子さまは特に内戦期の空爆被害についてご関心をお持ちで、短い時間ながら、“具体的にどれくらいの被害があったのか”など積極的にご質問されていました。
今回、ラオスで不発弾の啓発センターに足を運ばれていることや、いただいたご質問からも、戦争で被害を受けた人々に強く心を寄せていらっしゃることが伝わりました」
愛子さまは、菊池教授の話にメモを取りながら熱心に耳を傾けられたという。そんな愛子さまの現地でのご動向を菊池教授は感慨深く見守ったという。
「ラオスの文化や歴史を尊重してくださっていることが随所に表れていて、ラオスを研究している者としてうれしく存じました。外交関係樹立70周年という節目に訪問してくださったことは、両国間の関係を再確認し、未来へつなげていくきっかけになったと思います」
ご訪問前から入念に準備を重ねられた愛子さまの篤実さは、現地で交流した人々にも伝わったようだ。国際協力NGO「IV-JAPAN」の代表理事として、ラオスで女性たちの職業訓練に携わる冨永幸子さんはこう話す。
「愛子さまとは首都・ビエンチャンで、ご懇談の機会をいただきました。初めに私が“ラオスで職業訓練をしています”とお話しすると、愛子さまは既にそのことをご存じだったようで。そこからいろいろとお声がけやご質問をいただきました。
ご出発される際は“お身体にお気をつけて今後も頑張ってください”とおっしゃっていただいて大変ありがたかったです」
ラオスで30年以上活動してきた冨永さんの胸には、もうひとつ心に深く響いたことがあるという。
「愛子さまが2日間にわたってラオスの伝統衣装『シン』をお召しになってくださったことは、ラオスに対する尊敬のお心が伝わって、とてもうれしかったです。
ラオスに住む人々は、官庁や結婚式など正式な場に伺う際、必ずシンを着ていくのです。ラオス人がとても大切にしている伝統衣装なので、そういう気持ちを酌み取られた愛子さまのお気遣いは素晴らしいと思いました」
世界中に広まる「愛子天皇」の声
愛子さまのご訪問は感動だけでなく、希望ももたらしたようだ。NPO法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」の代表看護師で、今回、愛子さまが訪問された「ラオ・フレンズ小児病院」に勤務する赤尾和美さんはこう振り返る。
「愛子さまからはラオス特有の疾患や日本の医療現場との違いについてなど、かなり専門的なご質問をたくさんいただきました。一番印象に残っているのは“お仕事をされていて異文化を感じたご経験はありますか?”というご質問でした。
私は活動についてお話しする機会がある際は“異文化・異医療”というテーマを取り上げています。異文化の中で働くことの課題を深く理解していただけたことに感銘を受けました」
そして赤尾さんは、今回の愛子さまのご視察は「非常に意義深いものだった」と続ける。
「ラオスは、さまざまな事情から“医療が身近にない”という問題を抱えています。これまで、ラオスでの医療活動についてさまざまな場でお話ししてきましたが、ラオスがどこにあるのか知らない人も多くいました。
今回のご訪問によって、ラオスの人々や医療、子どもたちの現状について興味を持ってくださる方が増えたと思います。知名度が低いゆえに海外からのサポートを受けにくい状況もありましたが、国際的に注目が集まることで、よりよい支援につながると思っています」
現地で大絶賛を呼んだ愛子さまのラオスご訪問。その結果、日本で根強い“『愛子天皇』を熱望する声”が世界中に波及しつつあるという。
「ラオスの現地メディア『The Laotian Times』は愛子さまのご来訪について報じつつ、“日本では皇統を継ぐことができるのは男系男子のみだが、女性が皇位につくことを認める世論が高まっている”という趣旨の記事を掲載しています。
さらにイギリスのライフスタイルメディアの『Tatler』でも、愛子さまの初めての海外公式訪問が“輝かしいものだった”としたうえで“なぜ父の皇位を継承できないのか”と指摘する記事を掲載したのです」(皇室ジャーナリスト、以下同)
2024年に『共同通信』が行った調査によると女性天皇を認める人は9割に上る。この世論は今後さらに世界中に広まっていく可能性を秘めているという。
「愛子さまを天皇にという声は、2024年に愛子さまが学習院大学を卒業して、本格的に公務を担われるようになって以降、目立つようになりました。皇位継承者を男系男子のみに限定しては、皇室の存続が危ぶまれるという点や、愛子さまのお人柄も相まって“愛子さまを天皇に”との声は日に日に高まっています。
初の海外公式訪問を終え、今後は国際親善のため、年に1度のペースで海外へ赴かれることが予測されます。そうなれば、『愛子天皇論』がさらに世界中に広まっていく可能性も考えられるのです」
愛子さまフィーバーは国内にとどまらず、世界にもとどろきつつある─。
