麻生太郎氏

 自民党の麻生太郎副総裁が12月3日、都内で開かれたパーティーで高市早苗首相の台湾有事を巡る発言について言及した。麻生氏は「今まで通りのことを具体的に言っただけで何が悪いのか、という態度で臨んでいただけるというので私も大変喜ばしい」と、高市首相の発言は問題ないとの認識を表明。

高市首相を持ち上げる発言も

渋い表情で投票を行った麻生太郎氏(2024年)

 さらに「中国からいろいろ言われているが、言われるぐらいでちょうどいい」「今までのところ、これによって大問題に発展するわけでもない」と述べ、中国側の反発をものともしない姿勢を見せた。

 また、高市首相が女性初の首相であることにも触れた麻生氏。「自民が新しく変わる象徴だ。支持率は極めて高い」と、高市首相を持ち上げる発言もしている。

「そもそも麻生氏は、台湾有事に関しては高市首相と極めて近い考えを持っています。それというのも、2024年1月に麻生氏が訪米していたときのこと。ワシントンで記者団に対して、台湾有事は“日本の存立危機事態だと日本政府が判断する可能性が極めて大きい”と述べています。

 じつは2021年7月にも講演で“台湾で大きな問題が起きれば、存立危機事態に関係すると言ってもおかしくない”と発言しているので、麻生氏にとって台湾の問題はずっと懸念事項として頭にあるのでしょう」(中央紙政治部記者)

国民から賛辞の声

 国内からも高市首相の発言には賛否さまざまある中、はっきりと首相の肩を持つ発言をした麻生氏に、国民からは「よくぞ言ってくれた!これぞ麻生太郎だよね」「カリカリしてる中国に対して、この余裕の発言は麻生さんにしかできないな」「この人は発言が一貫してブレないのがいい」

 といった声が上がっている。

 ちなみに高市首相は中央アジア5カ国との首脳会合を、12月20日に東京都で初開催する方向で調整中だ。

「これにも麻生氏は、2日に国内で開いた総会で“国際社会の中央アジアへの関心は高まっている。首脳会合の成功は外交上、極めて重要だ”と意見を述べています。ここ半年ほどの間にロシアや中国、アメリカが中央アジア諸国と首脳会談をしていることにも言及し、中央アジアとの関係深化を強く後押しする方針を打ち出していました」(前出・中央紙政治部記者)

 10月の総裁選で高市首相の勝利に多大な貢献をしたとされる麻生氏。11月19日には講演の場で「(高市内閣を)生んだ以上は育てねばいかん」と発言していたが、言葉のとおり高市首相を全面的にバックアップしている様子がうかがえる。高市首相の強気の発言も、バックに麻生氏がいるからこそかもしれない。