'25年もいよいよ残りわずか。中居正広や国分太一など、例年に増して話題を集めたスキャンダルが多かった芸能界。その中でも特に人々の心に衝撃を与えたニュースは何か? 20代〜60代の男女500人が選んだ2025衝撃の芸能ニュースランキングを大発表!
ラジオ界の重鎮のコンプラ違反がランクイン
10位は18票で「生島ヒロシ(74)複数ハラスメントで活動自粛」。1月にコンプライアンス違反でTBSラジオのレギュラー番組を降板、芸能活動無期限自粛に。
「老害の典型として身につまされた」(東京都・60歳・男性)、「長くやり続けると感覚が麻痺するのだろうと思った」(新潟県・65歳・男性)などの声が。この結果に、「むしろよく順位に入ったなという感想」と語るのは、芸能評論家の宝泉薫さん。
「ここ数年はラジオメインだったので、忘れられつつあった人が変な方向でひと花咲かせちゃったなと少ししみじみしました」(宝泉さん、以下同)
また彼の年齢や芸歴の長さも要因なのではと指摘。
「歴史がある人ほど巻き込まれやすい。芸能界に定年がないゆえの不幸という感じもします」
続いては「石橋貴明(64)食道がん公表・セクハラ報道」が19票で9位に。4月に食道がんを公表し、芸能活動を休止。その直後、過去のセクハラが報道され、手術後に謝罪コメントを発表した。
「テレビで見ていた人の病の報告は悲しい」(神奈川県・51歳・女性)、「告発されても無理はないと思うが、激やせしていたのでいたたまれない気持ちになった」(大阪府・60歳・女性)などの声が。
「どう思えばいいのか、みなさん困ってますね。暴れん坊キャラでやってきた人だから、もしかするとセクハラ報道より病気のほうが本人には痛手かも。芸人はいじられてなんぼなのに、いじれない人になってしまったのでつらいですよね」
また宝泉さんは、このニュースに「何とも言えないわびしさ」を感じたという。
「一時代を築いた人たちがスキャンダルで軒並み崩れていく年に、彼は病気まで抱えてしまった。人の運命っていろいろだなと感じずにはいられません」
8位は「ノースキャンダルという印象」

8位は21票で「吉沢亮(31)住居侵入容疑で書類送検」。昨年末に酒に酔って隣の家へ入ってしまい任意で事情聴取。年明けに所属事務所からコメントと謝罪が発表された。その後、示談が成立し不起訴に。
「ノースキャンダルという印象だったから驚いた」(東京都・26歳・女性)、「人の家に入ってしまったのはまずいが、CMなどの降板は残念」(愛知県・53歳・女性)など意見はさまざまだが、糾弾はなし。
「事件後の対応がうまくいきましたよね。今年は不可解なスキャンダルが多かったですが、これは昔ながらというか。芸能界には“仕事で返す”という言い方がありますが、『国宝』が大ヒットして、まさにそうなったなと。ほかと比べると、ちょっとほっこりしました(笑)」
7位は27票で「Aぇ! group草間リチャード敬太(29)公然わいせつの容疑で略式起訴」。10月、下半身を露出したとして公然わいせつの疑いで逮捕。略式起訴〜罰金10万円の略式命令を受け、グループを脱退した。
「好きなタレントだったのでショックがより大きい」(山形県・35歳・女性)、「SNSで動画も拡散されて、かなりの衝撃があった」(大阪府・61歳・女性)などの声が。
「経緯をよく見ると彼がだらしなかったわけでもないような感じがあって。だからここでも叩く意見はないですよね。ただ、今は結果で判断されてしまう時代。“起訴されたしグループ脱退だから、ひどいことをやったんだろう”って。この風潮には疑問を感じます」
6位は「ダウンタウン松本人志(62)『DOWNTOWN+』で復帰」で28票。'23年末の週刊文春セクハラ報道から、文春との裁判〜訴訟取り下げを経て、11月1日に有料ウェブコンテンツ『DOWNTOWN+』スタート。開始早々、会員数は50万人を超え、大きな話題に。
「不祥事を起こしても簡単に復帰できる芸能界は異常」(岡山県・44歳・男性)、「どのツラ下げて復帰する」(新潟県・45歳・男性)など厳しい意見が寄せられたが、
「彼はもともとファンもアンチも多かったので、“待ってました”というファンも多数いるでしょう。会員数50万人超えはすごいなと思います」
この数字をキープできるのか下がるのか、あるいは増えていくのか。「テレビとネットの綱引きが始まっている気がします」と宝泉さんは推察する。
「『DOWNTOWN+』が成功したら、令和のコンプラ基準に合わせるべきという考え方が窮屈な芸能人は、どんどん自前で始めるかもしれない。しかもそれが面白ければ、テレビの立ち位置は難しくなるなと。
話はズレますが、来年のWBCはネットフリックスが日本での独占放映権を獲得し、地上波での生放送は未定。楽しいコンテンツが地上波に回ってこないなんてことにもなりかねない世の中です」
本人が週刊誌のインタビューで反省も
5位には30票で「福山雅治(56)フジテレビ不適切会合参加」が。8月、週刊誌のインタビューで過去にフジの会合に出席していたことを認め反省の弁を述べた。
「本人のロングインタビューで知ったので余計びっくり」(東京都・58歳・女性)という人から、「中居氏のことがあったので、同様の展開をたどらないよう関係者がかなり努力して話題を下火にした感じがあり、それはそれですごいなと思った」(千葉県・61歳・女性)と鋭い意見も。
「二番手のおいしさが作用したニュースでしたね。彼は木村拓哉さんが抱かれたい男No1だった時期にずっとNo2だった人。だからこそ、いろいろな場面で矢面に立たずにすむポジションにいた。今回も中居氏の騒動があったので、うまく対応できたんだと思います。たぶん、もう誰も蒸し返してはこないでしょう。無風状態をつくるのがうまいなと感じました」
4位は4月の週刊文春報道に端を発する「田中圭(41)と永野芽郁(26)の不倫疑惑」が103票でランクイン。出演CMの削除や、永野は来年の大河ドラマも降板に。
「田中圭は家族を大事にしているイメージだったので意外」(神奈川県・60歳・女性)、「永野芽郁の言動がわかりやすく人のものにガツガツしていて引いた」(京都府・44歳・女性)などの声が届いた。また、「純情そうなのに騙された気分」(北海道・64歳・男性)という意見には、「僕は彼女に主張の強さを感じていたので、驚きはなかったです」と宝泉さん。
「不倫がエンタメのように世間の関心を集める流れは、'16年のゲス不倫(ベッキー×川谷絵音)から始まりましたが、それと比べるとこの件は普通だなと。昔の不倫はさらにエグかったですし(笑)」
3位は「広末涼子(45) 看護師に暴行で活動休止、双極性感情障害公表、185キロのスピード違反で書類送検」で173票。4月に新東名高速道路で追突事故を起こし、搬送された病院で看護師に暴行。その後、精神疾患を抱えていたことを公表し芸能活動を休止した。
「何かしでかしそうな印象があったので、ある意味納得」(兵庫県・57歳・女性)、「この人が何をやっても驚きはないけれど、185キロという数字に1票」(和歌山県・53歳・女性)などの声が。
「彼女は時代を背負ってきた人で、10代からいろいろな風に吹かれてきた。非常に女優的な性格で、それが芸能界にも向いていたんです。だけど、バッシングなどで嫌な思いをしながらもこの仕事が好きで長年やってきた人が、芸能界に適応できなくなった。はたしてこれは彼女の問題なのか?ということを考えてしまいます」
時代を背負うと、アンチのパワーもその分、強くなる。
「何かあったらとことん叩いてやろうというパワーが、世の中全体に湧き上がっている気がします。そんな状況では誰も太刀打ちできない。上位3人は、その象徴のように思います」
テレビ局を巻き込んだ今年一のスキャンダルは
それでは、いよいよトップ2。2位は「国分太一(51) コンプライアンス違反で活動休止・TOKIO解散」が197票を獲得した。6月、コンプラ上の問題があったとして日本テレビが『ザ!鉄腕!DASH!!』の降板を発表。
国分は無期限活動休止でTOKIOも解散した。その後、10月に国分が日弁連に人権救済の申し立てを行い、11月26日に記者会見。原因となったコンプラ違反が具体的に何なのかは本人にも伏せられており、「答え合わせをしたい」と繰り返した。
「まじめで性格がいいと思っていたのに」(大阪府・42歳・男性)と、誠実キャラとの落差にショックを受けた人が多かったもよう。また、「何をしたのかはっきりさせなくてずるい」(岩手県・61歳・女性)という意見には、「これは彼が気の毒。本人もわからないから無理なんです」と宝泉さん。
「このスキャンダルは何もわからず、筋書きがまったく見えないドラマを見せられているよう。芸能界の歴史の中で最も不可解な騒動ではないでしょうか。本人も何が原因なのかわからないから、反省や謝罪の言葉を明確には述べられない。このままだと、将来もし活動再開したくなったとしても厳しいですよね」
そして1位は386票で「中居正広(53)フジテレビ問題で芸能界引退」。昨年末に女性とのトラブルが報道され、年明けから降板や番組打ち切りが続出。1月9日に本人HPで謝罪と示談成立、芸能活動を続けられることになった旨を報告した。
だが報道は過熱し、フジ幹部社員の関与が疑われるなど、メディア全体を揺るがす問題へ。フジテレビへのCM差し止めや経営陣の引責辞任などにもつながった。
「報道が事実ならかなり悪どい」(岡山県・41歳・男性)、「被災地への寄付などで好感を持っていただけに大変ショック」(大分県・69歳・女性)と中居への声もあれば、「芸能界とテレビ局の裏の嫌な部分が露見した」(和歌山県・53歳・女性)、「テレビ局の隠蔽も関わっていて信用を揺るがした」(東京都・32歳・男性)とフジテレビに対する声も。
「大きな問題が2つ合わさった、今年を代表するスキャンダル。これもわからない部分が多い騒動でしたが、その後に国分さんの件が出たことで、それよりはわかりやすい話だなと」
宝泉さんが着目するのは1月9日の中居のコメント。「あれが大きな節目では」と語る。
「復帰宣言が致命的になったという不思議さ。ファンはうれしかったけれど、アンチが叩いて報道が勢いを増した。たぶん中居氏側は世間の空気を読めなかったんでしょう」
そしてフジテレビにも大きな影響を与えた。
「これまでイケイケでやってきたフジが“楽しくなければテレビじゃない”を手離してしまった。多くの人はテレビに楽しさを求めていると思うんですが、それがなければ何の存在価値があるのかと。松本さんや国分さんの件も含め、テレビ全体がジリ貧になっていきそうです」
そしてランキング全体を通して「世の中全体に余裕がなくなっているよう」と宝泉さん。
「昔のスキャンダルはある種の豊かさがあり、問題を起こした人が立ち直るところまで見届けるのもエンタメでした。でも今は一発退場。エンタメの中心にいた人たちがいなくなり、芸能界が弱体化していく。そんな流れを感じてしまいます」
来年はハッピーなニュースが駆けめぐることを願いたい!
著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)
