チャールズ国王と、弟のアンドリュー元王子(左)。兄弟仲は悪くないそうだけど……

 日本社会の現状に、「遅れてる! 海外ではありえない!」なんて目くじらを立てている人もいますが……。いえいえ、他の国の皆さんも有名人や王室のゴシップや下ネタは大好きで、若者はおバカなことをしでかすし、高齢者は変なこだわりで周囲を振り回すし、しょーもない男女のケンカも日常茶飯事なんですってば! 

 そんな、「衝撃」「笑える」「トホホ」がキーワードの世界の下世話なニュースを、Xで圧倒的な人気を誇る「May_Roma」(めいろま)こと谷本真由美さんに紹介していただきます。人間の思考回路や行動なんて、基本は一緒なんです!

英国王・弟を巡る大騒動

 チャールズ国王の弟であるアンドリュー王子が、ジェフリー・エプスタインと深い関わり合いを持っていたことが判明し、大騒動になっている。

 30年以上にわたって組織的に性的人身売買を行い、世界中のお金持ちと権力者たちが、その世話になっていたという「エプスタイン事件」。そんなおぞましい事件に、国王の弟が関与していたわけですから、イギリス国民からは非難轟々。

 ついには、アンドリュー王子の爵位を剥奪する事態にまで発展してしまったのですが、まだまだ下火になる気配はありません。

 なんと暮らしていたウィンザー城から追放され、現在はイングランド東部ノーフォーク州にある国王の別邸「サンドリンガム・ハウス」に居を移しています。文字どおりの“都落ち”を体現するなんて、中世さながらの貴族社会を見ているよう……。

 ノーフォーク州は、ロンドンから電車で2時間半ほどの距離にある北海に面した州。左遷で地方に飛ばされるようなものですね。

 しかも、「サンドリンガム・ハウス」での生活に関しても、イギリス国民からは「裕福な生活をするようなら許さない!」といった声が出る始末。そのため、もともとは使用人が使っていた建物の部屋に住まわされるのではないかと噂されています。

 性のはけ口を間違えて、好感度を失う芸能人はたくさんいますが、ロイヤルファミリー、しかも国王の弟が使用人の小屋(それなりに大きな邸宅ではあるけれど)で慎ましく暮らすことになるなんて……非合法、非道徳的な性欲の代償は、かくも恐ろしいものです。

 ちなみに、住居の決定はチャールズ国王を筆頭に王室が担うわけですが、ウィリアム王子が主導権を握っているともいわれています。チャールズ国王は、そこまで仲が悪いわけでもない実の弟に対し非情な措置はしたくない。

 ですが、ウィリアム王子は叔父の不名誉を許さないというわけです。ウィリアム王子はインタビューで、「自分が国王になったら、もっと大きな変化を起こす」と明言しており、王室の縮小化、つまりリストラを考えているという噂も。

 アンドリュー元王子の大失態は、英国王室を変えるきっかけになるかもしれません。

谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数

構成/我妻弘崇