※写真はイメージです

 日本社会の現状に、「遅れてる!海外ではありえない!」なんて目くじらを立てている人もいますが……。いえいえ、他の国の皆さんも有名人や王室のゴシップや下ネタは大好きで、若者はおバカなことをしでかすし、高齢者は変なこだわりで周囲を振り回すし、しょーもない男女のケンカも日常茶飯事なんですってば!

 そんな、「衝撃」「笑える」「トホホ」がキーワードの世界の下世話なニュースを、Xで圧倒的な人気を誇る「May_Roma」(めいろま)こと谷本真由美さんに紹介していただきます。人間の思考回路や行動なんて、基本は一緒なんです!

ワンナイトラブを求める英国マダム

 一時期、現地の若い男性とワンナイトラブを楽しむためにバリ島へ出かける日本人女性の存在が話題になったものでした。

 実は、私が暮らすイギリスでも似たような光景があります。ちょっと違うのは、渡航先がアフリカだということ。特に、アフリカ西海岸にあるガンビア、ザンジバル島のあるタンザニアなどは、風光明媚なビーチを有するリゾート地であり、ガンビア行きの航空券とホテルがセットになった「ホリデーパッケージ」ツアーは、熟年マダムたちに人気です。

 多くのイギリス女性たちは、「ずっと現役でいたい」という気持ちを隠そうとしません。ですが、熟年となれば国内ではなかなかお相手が見つからない。そのため、若々しさやたくましい肉体を持ち、それなりにチヤホヤしてくれる男性を求め、比較的安価でリゾート気分を味わえるガンビアやタンザニアへ向かうのです。

 リゾート地とはいえ、現地の男性は豊かではありません。彼らからすれば、お金を持っているマダムは魅力的。お互いに「おいしい」と思えるWIN-WINの関係ですから、ワンナイトどころかそのまま恋人になるケースも少なくありません。

 実際、私の知人もアフリカへ出かけ、そのまま恋人をつくってしまったこともあるくらいです。アフリカから恋人を呼び寄せ、イギリスで一緒に暮らす……だけど、やっぱり色恋沙汰ってキレイ事ばかりじゃありません。

 結婚すると、男性はイギリス国籍を取得します。男性は自分の家族を次々とイギリスに呼び寄せ、妻に面倒を見ろと要求します。そして、妻が持つ財産に対して、「自分にも権利がある」と主張し、トラブルへと発展する。夢から覚めれば、現実なんてこんなものです。

 こうした財産トラブルを未然に防ぐため、公正証書の作成サービスを利用している女性もいるほどです。イギリスでは、配偶者の権利が強いため、すべてを相手側の親族に持っていかれないように公正証書を用意し、保険をかけておくというわけです。そもそも、そこまでしなきゃいけない相手と付き合うなんて……。

 一夜のバカンスだったはずが、一生のトラブルになるなんて本末転倒もいいところ。欲はかきすぎないに越したことはありません。日本には、「足るを知る」という素晴らしい言葉が。イギリスにもその手の格言はあるんじゃないかしら。

 ときめくことはいいことだけど、ほどほどに!

谷本真由美 たにもと・まゆみ 1975年、神奈川県生まれ。著述家。元国連職員。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経て、現在はロンドン在住。X上では、「May_Roma」(めいろま)として舌鋒鋭いポストで人気を博す。著書に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス【PLUS】新書)など著書多数。

構成/我妻弘崇