2025年ベストヒット商品

 物価高で「節約」「奮発」のメリハリ消費を心がける人が増えた2025年。「効果が目に見えやすいもの、自分らしくカスタマイズできるものに注目が集まりました」と話すのは、最新トレンドに詳しい専門家。今年、あなたはどれをチェックした?

来年はオーラルケアが注目される?

 昨年に続き、値上がり基調だった'25年。コスパ(費用対効果)の高いものを選ぶ流れは止まらず、加えて“酷暑”の影響を受けた、美容・健康、ファッション商品が大きな話題となった。

今年は過去2年の猛暑をさらに上回る“観測史上最も暑い夏”でした。消費行動は気候と切っても切り離せないもの。特に暑さ対策や紫外線ダメージの軽減に力を入れた商品に人気が集中しました

 と、トレンドウォッチャーのくどうみやこさん。美容分野で象徴的だったのが、高価格帯シャンプーのヒットだ。

髪のエイジングが気になるミドル世代にとって、熱や紫外線のダメージは深刻です。自宅用としては高めでも、プロのケアよりは格段に割安で、しかも本格的なケアができる点が評価されました。

 なかでも『ジアンサー』は大ヒット。『結局どれを選べばいいの?』と迷子になりがちな消費者に、その名のとおり“答え”を示してくれたことも支持を集めた理由でしょう

 ファッションでも暑さ関連のアイテムが存在感を示す。

テーラードのジレは猛暑の中でも“きちんと感”が求められる場面で大活躍。セットアップでそろえれば着回し力が高く、コスパ面でも優秀です。冷感接触素材、UVケア商品も今年はデザイン性が格段によくなっていました

 グルメ分野では「体験」がキーワードに。

カフェクオリティーのドリンクを自分で作れるドリンクベース、具材を選べる麻辣湯など、食をエンタメ的に“カスタムして楽しむ”スタイルが広がりました

 気になる'26年のトレンドについては、こう予測する。

美容の関心は“肌→髪”と移ってきたので、次は“口=オーラルケア”が注目されそう。実は女性ホルモンと口臭には深い関係があり、女性ホルモンが減り始めるミドル世代は要注意。男性よりも女性のほうが口臭が2倍きついというデータもあるほどです

 口臭と歯の着色汚れを防ぐという新成分が入った“進化系マウスウォッシュ”も市場に出回り始めており、オーラルケアの選択肢は今後さらに広がる気配が濃厚だ。

《美容・健康部門》酷暑によるダメージを丁寧にセルフケア

化粧直しとUVケアを兼ねる手軽さがいい

UVパウダー』

UVパウダー アネッサパーフェクトUVブラッシュオンパウダー(3g)3498円/資生堂(マツキヨココカラ限定販売)

酷暑で紫外線によるダメージを例年以上に警戒する人が増加。そこにフィットしたのが『アネッサ パーフェクトUV ブラッシュオンパウダー』。メイクとUVカットが同時にでき、ブラシとパウダー一体型で化粧直しも簡単という効率のよさがタイパを求める層にウケて、夏季には売り切れにより、入荷待ちになるほどの人気でした

話題の“リカバリーウェア”が気軽に試せる!

ワークマン リカバリーウェア』

レディースメディヒール(R)ルーム長袖シャツ、ロングパンツ 各1900円/ワークマン

ここ数年来人気のリカバリーウエアですが、上下で1万円近くするものが多数。そんな中、ワークマンの『メディヒール』が、低価格なのに実感が得られると爆売れ。リカバリーウエアのすそ野を広げてくれました

年齢が出やすい髪に惜しみなく投資
トレンドワード『美髪課金』

ジアンサースーパーラメラシャンプー(400ml)1760円/花王

 @cosmeベストコスメアワードにてジアンサーのシャンプー&トリートメントが総合5位を獲得。

肌のエイジングとあわせて、特に髪の毛は年齢が出やすいパーツであるという認識が広まり、ヘアケアにお金をかける『美髪課金』というワードも沸騰。ドラッグストアで買える“サロン品質”のケアアイテムとして『ジアンサー』シリーズが大ヒット

《グルメ部門》カスタマイズできる体験系がSNSで話題に

Z~ミドル世代まで大人気映えも健康志向も叶える

麻辣湯』

麻辣湯

中国・四川省発祥で、香辛料がきいたスープで肉や野菜、春雨などを煮込んだ料理。韓国で先にブームに火が付き、日本にも入ってきて大人気に。トッピングを自分で選ぶ体験、野菜がとれる健康志向、SNS向きの“映え”ビジュアル……。すべてのトレンドを満たしています

 2007年渋谷に誕生した「七宝麻辣湯」。現在では全国に53店舗を展開する人気チェーンに成長

低価格&自由にカスタムおうちカフェを楽しめる

『濃縮ドリンク』

おうちドリンクバーペプシコーラ(340ml)348円/サントリーホールディングス(写真右) TAZOチャイティーラテベース(1000ml)918円/キーコーヒー

『家でカフェ気分を味わえる』と人気が出たのが濃縮ドリンクベース。低価格で本格的な味を楽しめる上、自分でカスタマイズできる楽しさで人気爆発。『TAZO』(写真左)のチャイティーラテは、牛乳と1:1で割るとスタバと同じ味になるとSNSで話題に

やみつきになるザクザク食感!異国情緒たっぷりのスイーツ

ドバイチョコレート』

ドバイチョコレート

ピスタチオフィリングに中東の麺『カダイフ』を揚げたものを混ぜ込んだドバイチョコレート。日本では今年前半に話題になり、100円ショップのダイソーでも売り出すと、一時は入手困難に

まだまだ継続中!第6次ドーナツブーム

『新感覚ドーナツ』

もっちゅりん205円〜(テイクアウト料金・現在は販売終了)/ミスタードーナツ

数年来、人気継続中のドーナツ界隈。日本初上陸の店も増える中、話題をさらったのはミスタードーナツの『もっちゅりん』。“サクッ&モッチリ”の食感に、夢中になる人が続出

《ファッション部門》機能もデザインも兼ね備えたアイテム

ミドル向き上品カジュアルに合うスニーカー×バレエシューズ

スニーカーリーナ』

cSPEEDCATBALLETSD1万2100円/PUMA

 

近年、チュールやレッグウォーマーなどバレエに関連するモチーフやアイテムがトレンドに。その流れで出てきたのがバレエシューズ風スニーカー『スニーカリーナ(バレエスニーカー)』。スニーカーの機能性にバレエシューズを掛け合わせた上品さが、ミドル世代のきれいめファッションにも取り入れやすい

涼しさもきちんと感も!1枚持っていると重宝

『テーラードジレ』

ジレ2万4200円/NEWYORKER(株式会社ダイドーフォワード)

ビジネスシーンなどきちんとした服装が求められる場で、ジャケット代わりに重宝されたのがテーラードタイプのジレ。白Tシャツの上に羽織るだけで涼しげなビジネスカジュアルが完成します。高見えするのでコスパも◎

デザインが年々おしゃれに 「着るUVケア」

『シャツ型ラッシュガード』

ラッシュガードシャツ 2490円/Qoo10

半袖ではもうこの日差しから身を守れない、と夏のマストアイテムになったラッシュガード。今年目立ったのはシャツ型のもので、『パーカ型だとカジュアルすぎる』というミドル世代も、ふだんの服装に取り入れやすい

※掲載価格は編集部調べ。一部、終売となっている商品もあります。

くどうみやこさん トレンドウォッチャー、大人ライフプロデューサー。大人世代のライフスタイルやトレンドに詳しく、時流をとらえた独自の視点で情報発信。メディア出演、企画、執筆など幅広く活躍。