世界的人気グループBTSの最年少メンバー、ジョングクが公開した料理配信が、思わぬ形で日本の食品メーカーに注目を集めている。
ジョングクがエスビー『ゴールデンカレー』を使用
配信はファンプラットフォーム『Weverse』で「カレー」と題したライブ配信で、幼なじみに味噌カレーパスタを振る舞う様子を公開。その中で使用したカレールーが日本のエスビー食品株式会社の『ゴールデンカレー』であることが話題になり「パッケージが若干違うけど、これはもしや、、、??」「ジョングク日本のカレールー使ってる」など、日本のファンから反響が相次いだ。
ニンジンが苦手なジョングクはジャガイモやタマネギ、ベーコンを使い、味噌とカレーを組み合わせたレシピに挑戦し「カレーと味噌はやっぱり合うな」と満足げな表情を見せた。配信では300万人以上が視聴しており、釜山弁で友人と語り合う自然体な姿にファンも満足だったに違いない。
配信終了後、Xでは「ゴールデンカレー、売り切れそう」「次はゴールデンカレー買ってみよう!」「我が家もいつもゴールデンカレーです!」といった声が相次いだ。日本のファンからするとスーパーで手に入るルーを愛用しているという親近感と、ジョングクのソロアルバム『GOLDEN』とのタイトルの一致がファンの興奮に拍車をかけている。
この反響について、メーカー側はどう受け止めているのか。エスビー食品の広報担当者に聞いてみた──。
「まず、ご購入をご検討いただき、ありがとうございます!『ゴールデンカレー」は当社が自信をもってお届けするスパイス感が特徴のカレーです。ぜひ今回を機にご自宅でもお楽しみいただければ幸いです」(エスビー食品広報・以下同)
今回の配信について把握しているかを尋ねると「もちろん情報は届いており、社内でも喜びの声が多数寄せられています」との回答が得られた。世界的スターによる愛用は、メーカー社員にとっても予期せぬサプライズだったようだ。
売上への影響はというと
SNSでの盛り上がりについても、「トレンドに上がるなど、盛り上げていただいている点にも注目しております」と、熱量の高さを認識している。
気になるのは売上への影響だ。過去にはジョングクが愛飲している紅茶キノコ(コンブチャ)が、ARMY(BTSファンの総称)による注文殺到で一時品切れ状態になった例もあるが……。
「売上としては(現時点で)大きな影響が出ているわけではありませんが、『カレー』や『ゴールデンカレー』を食べたくなり、選んでいただける良い機会になったのではないかと思っています」 と、確実にブランドの認知と喫食意欲の喚起につながっているようだ。
聞き馴染みのない「味噌カレーパスタ」
配信で作られた「味噌カレーパスタ」。味噌×カレーという相性や組み合わせはどうなのだろうか。
「当社でもカレーと味噌を組み合わせたレシピを複数ご提案しており、良い組み合わせだと思います!」
実際、同社のレシピサイトでは「薬膳カレー」や「カレープルコギ」などで味噌を隠し味やコク出しに使う手法を紹介している。味噌の発酵による旨味と、カレーのスパイシーさは、味に深みを出すための相性の良いパートナーなのだ。
続けて「韓国では『ゴールデンカレー』が主要商品ですが、それ以外に『とろけるカレー』というカレールウ商品も販売しております。韓国以外では、北米エリア(米国)でも人気が出てきています」とのこと。ジョングクは米国での活動も多いため、手に入れやすさという点も愛用している一因かもしれない。
BTSは来春にメンバー全員での活動再開を予定している。そのカウントダウンが刻まれる中、ジョングクが何気なく放った日常のひとコマは、ファンによる「聖地巡礼」ならぬ「聖品購入」の波が静かに広がっていきそうだ─。
