当地でも大人気の浜崎あゆみは、観客ゼロで公演。卓球の混合団体ワールドカップは、日本の相手国の得点に歓声が上がり、逆に日本に対しては妨害行為の声─―。
『鬼滅の刃』は公開、『クレヨンしんちゃん』は公開見合わせ
「高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言から、日中関係は緊張状態に。中国政府による日本への渡航自粛の呼びかけ、水産物輸入の実質停止などとともに、エンタメやスポーツ界にも影響が出ています。浜崎さんの公演は開催直前に中止要請がなされ、無観客公演となりました」(スポーツ紙記者)
卓球のワールドカップは、中国開催。日本対オーストラリアの試合ながら、現地の人と思われる日本へのブーイングがあふれた。エンタメやスポーツで、このような状況はいつまで続くのか……。
「スポーツの現場ではしばらく続くでしょう。というよりも他のジャンルが落ち着くまで続くといったほうが正しいかもしれません。
現状、ほかの業界とは違い、スポーツでは政府、また業界全体や企業が絡み、大きなお金が動くような状況にはなっておらず、現在の日中関係の状態から“現場のノリ”で自然発生した日本バッシングにとどまっている」(スポーツライター)
日中だけでなく韓国も含めて、スポーツでは同国間はもともとライバル関係という見られ方が多い。
「直近の卓球でいえば、ライバル心がいつも以上に顕著に現れたものといえる。ただそれだけでは、金銭的には中国も日本も得も損もない。他のジャンルは経済的な影響が大きいゆえに、日本側への“制裁”として意味がありますが……」(同・スポーツライター)
政治的判断は、自国に対する誇りや感情も大きいが、そこには“カネ”も大きく関わる。大金が動くといえば、やはりエンタメ業界。
「尖閣諸島問題での反日デモなど、より政治的な活動に発展した場合は別として、エンタメにおける“弾圧”はしばらく断続的に続くのは仕方ないにせよ落ち着いていくと見ています」
そう話すのは芸能プロ関係者。
「浜崎さんクラスのアーティストは中国でも百万人単位のファンがおり、今回の中止は日本への見せしめとなりつつ、現地ファンの反感を集める結果にもなっています。これでは中国側に意味はない。
また映画では『鬼滅の刃』は予定どおり公開されましたが、『クレヨンしんちゃん』は公開見合わせに。両作とも製作は東宝です。東宝は今年、歴代最高の興行収入を記録。中国側も日本政府は別としても売れる作品を作る映画会社に刃を向け続けるのは得策ではないはず。『鬼滅』はもとより『クレしん』だって現地で数十億円レベルの興収となるでしょうし。
少々心配なのは、浜崎さんは今回の件について“知識がない部分へ口出しするつもりはない”とコメントしましたが、中国側に対し事を荒立てる発言をするようなアーティストなどが出てくると面倒になるかもしれません」(同・芸能プロ関係者)
人を楽しませるエンタメやスポーツを外交カードにするのはもうやめて!
