箱根駅伝 撮影/北村史成

 箱根駅伝といえば、お正月の目玉行事のひとつ。今年も1月2日、3日に開催される。コースや出場校などだいたいの概要を知っている人は多いだろうが、今回ご紹介するのは「知っていたら“通”」と認定されそうなトリビアばかり。箱根駅伝ファン歴30年のライターに教えてもらった。ぜひ中継を見ながら楽しんで。

(1)元々は「日テレ」じゃなかった!

 箱根駅伝の放送局といえば、日本テレビ。しかし、箱根駅伝を初めてテレビ放映したのは、意外にもテレビ東京(当時は東京12チャンネル)で、第55回大会(1979年)から。

 しかも、いまのような中継スタイルではなく、1月3日正午から録画ダイジェストが放送されたあと、最終10区のみが生中継されたよう。放送局が日テレに移ったのは、第63回大会(1987年)から。

(2)テレビ視聴率、関西が低いのはなぜ?

 第101回大会(2025年)のテレビ視聴率(関東地区)は1月2日の往路が27.9%、3日の復路が28.8%だった。ここ10年では25%を下回ったことがなく、まさにオバケ番組。ところが、関西地区となると……例年、なんと約10ポイント以上低くなる。

 一番の原因は“出場校”。箱根駅伝に出られるのは「関東学生陸上競技連盟」に加入している大学のみ。基本的には、関東の大学以外は出場できない大会なので、関西の視聴率が低いのも納得だ。

(3)留年したら5回走れるの?

 箱根駅伝の規定によると、選手は4回までしかエントリーできない。補欠や予選会の出場も含まれる。つまり、留年した選手でも、まだ4回エントリーされていなければ走ることができるのだ。

 近年の留年選手の代表格といえば、第97回大会(2021年)の竹石尚人選手(青山学院大学)。2、3年時に5区を走ったが、4年時は左足を痛めたためエントリーメンバーから外れた。大手生命保険会社の内定を蹴って留年を決め、翌年に5区を走った。結果は区間17位。大学卒業後は、静岡朝日テレビに入社した。

(4)東大も出場したことがある!

 スポーツはあまり……というイメージの最高学府・東京大学。しかし過去に1度だけ、予選会を勝ち抜いて第60回大会(1984年)に出場している。結果は全20校のうち、17位。東大に後れをとったある大学の監督は、「学力では文句なしに負けるんだから、せめて走りでは勝ってくれよ!」と叱咤激励したとか。

 東大としての出場ではないものの、近年は関東学生連合のメンバーとして東大の選手も箱根路を駆け抜けている。前回大会、秋吉拓真選手(工学部・現4年)は8区で7位相当の好走を見せた。今大会は秋吉選手とともに、本多健亮選手(大学院2年)も関東学生連合チームのメンバー入り。ふたりの文武両道&理系ランナーにも注目!

(5)踏切で選手が電車待ち?

 かつて、コース上には3つの踏切が。遮断機が下りたら、選手は電車の通過を待たなくてはならず、審判員が停止時間を計って合計タイムから引いていた。JR東海道線・横須賀線の戸塚大踏切(2区と9区)と、京浜急行の蒲田踏切(1区と10区)はもうないが、箱根登山鉄道の小涌谷踏切(5区と6区)は現存している。

 近年は電車のほうが止まって選手を通過させるようになったが、そのきっかけは数十年前、運転士が独自判断で電車を止めたのが始まりというから驚きだ。

箱根登山電車

(6)先導の白バイは超エリート!

 テレビ中継で、選手の手前にチラチラと映るのが、先導の白バイ。東京都と神奈川県の境界である六郷橋(1区と10区)で、白バイが入れ替わるのは有名。選手と一定の距離を保ちながら低速で走るのは、かなりの技術が必要で、じつは先導の白バイ隊員は全国白バイ大会で優勝した隊員をはじめ、昇任試験合格者や乗車経験などを基準として選ばれているという。エリート中のエリートなのだ。

 また“男性隊員の聖域”だったのは、もはや過去。女性白バイ隊員が初めて箱根駅伝で先導したのは第95回大会(2019年)。第100回大会(2024年)では女性ペアによる先導も話題になった。

(7)かつては監督が伴走して給水していた!

 給水が行われるようになったのは第73回大会(1997年)から。それ以前は “昭和のド根性”で水分を摂取することなく走っていたというから驚き。2014年までは監督が運営管理車から降り、選手に直接ボトルを渡しながら喝を入れることができたが、2015年から各大学の給水員が伴走して手渡すスタイルへ。給水場所は基本的に、各区の10キロ地点と15キロ地点付近。ただし1区と6区は給水がなく、5区のみ3地点ある。 

 また、2024年(第100回大会)までは「主催者が用意する水およびスポーツドリンク」と決められていたが、選手たちから“普段から飲み慣れているドリンクを飲みたい!”というリクエストが。よって2025年(第101回大会)から「主催者が用意する水および指定ボトルを使用し、指定ボトルの中身は主催者が用意するスポーツドリンク、または各校で用意した飲料」へと変更になったばかり。

(8)予選会からのVはたった2校のみ、今年は…?

 予選会から出場し、総合優勝に輝いた大学はこれまでに2校しかない。まずは、1997年の神奈川大。優勝候補だった前大会でまさかの途中棄権ののち、予選会をトップ通過、その勢いのまま初優勝を飾った。

 2013年の日体大はまさに下克上。その前年は19位だったが、予選会を1位で通過。本戦では5区山上りで服部翔太さんの快走もあり、頂点まで上り詰めた。今回の予選会をトップで通過したのは中央学院大学。虎視眈々と優勝を狙っているはずだ。