水戸黄門が、約7年ぶりに帰ってきた。2017年より放送を開始したシリーズ1、2019年に放送したシリーズ2に続き、水戸光圀役は武田鉄矢、助さん役を財木琢磨、格さん役は荒井敦史が演じる。久々の共演となった、“助格コンビ”を直撃。息ぴったりな2人の7年たった今でも変わらないこととは?
夏の思い出が『水戸黄門』しかない(笑)
─7年ぶりに『水戸黄門』の制作が決まったときの心境はどうでしたか?
財木 前回から約7年空いたことへの不安はありましたけど、撮影が決まったのはめちゃくちゃうれしかったです。7年という月日の間に、いろんな作品に携わらせていただいて、役者として成長しているのかなって、期待していたんですけど、いざ現場に入ると、全然変わっていない。
荒井 僕も変わっていないですね。宣伝とかで“成長した助格を”と言おうと思っていたんですけど、言うのをやめました(笑)。
僕は京都の撮影現場に入るのが久しぶりだったんですけど、財木さんは何度か入っていたので、雰囲気とかを事前に聞いたりしていました。でも、今まで(水戸黄門)の撮影であんなに戦ってきたんだから、“僕らいけるよね”って言って現場に入ったら、もうすんごい大渦にのみ込まれた気分!
財木 常に台本がそばにないと、ついていけないくらいの、京都特有のスピード感やスタッフの活気というか。そういうものにのみ込まれながら過ごしましたね。
荒井 そういうところも含めて、純粋にうれしかったです。20代前半で“助格”として京都に入って、フィルム時代からのスタッフがいる現場でしっかり叩き込んでもらってきた経験は、これから先の糧になるでしょうし。
─水戸黄門役・武田鉄矢さんとのエピソードはありますか?
荒井 今回のクランクインの前に武田さんにお会いして、“お久しぶりです”と言った瞬間に7年前に一気に戻りましたね。
財木 スッとあのころに戻ったよね。
荒井 これまでと変わらなかったですね。僕がひたすら人をいじって現場を回すっていう(笑)。財木さんが受け身な感じでいてくれるので、僕が助さんをいじって会話が広がるみたいな。
財木 はいはいはい。
荒井 今回も僕が“助がまた旅に出ちゃった”みたいなことを言って、後から来る財木さんを迎えるっていう。武田さんも“あいつはまたどこに行っているんだ”みたいなことも言っていたし。
財木 それに、武田さんが“助格の2人を見ていると暑いよ”って言ってきたりしてね。
荒井 そうそう。撮影時期が夏になることが多くて。近年、夏の思い出が『水戸黄門』しかない(笑)。
─おふたりの思う、『水戸黄門』の今後は?
“『水戸黄門』に出ています”と言うと驚かれることが多い
財木 “『水戸黄門』に出ています”と言うと驚かれることが多いいんです。ご隠居が武田鉄矢さんで、僕らが助さん格さんをやっている『水戸黄門』というのがまだ伝わっていないなと感じていて。もっとたくさんの人に知ってもらいたいなと思います。
荒井 原田龍二さん、合田雅吏さんコンビの人気がすごいので、“水戸黄門の助格”といえばこの2人という印象が残っていると思います。そこを荒井&財木コンビのものにしたいですね。
財木 『水戸黄門』は、時代劇のトップといっても過言ではない作品だと思っています。20代以下では『水戸黄門』を知らない方が増えてきているようですが、これからもトップで居続ける作品であるよう自分も頑張ります。
荒井 僕らの世代(30代前半)の時代劇のイメージって、『水戸黄門』のような、どなたにも楽しんでもらえる作品なんですよね。そういう時代劇がなくなってしまうのがまずいなあというのがあって。できるだけ続けたいなと思いますね。
財木 そうだよね。
荒井 町の中華屋さんとかに行くと、45分くらいにお店の人が急にチャンネルを変えるんですよね。僕、何回も遭遇しているんですけど。印籠はこのくらいの時間に出てくると決まっている。
財木 それがみんなに浸透しているのが、『水戸黄門』のすごいところだよね。
荒井 そうそう。1話完結で、最後は笑って終われるみたいな。みんなが一緒に楽しめる作品が続いてくれればいいなと思います。
撮影中の思い出
財木琢磨
マッサージガンを撮影現場に持って行ったところ、武田さんがものすごく気に入ってくれて。2日後には僕が持っているものより大きいマッサージガンを買って現場に持ち込んでいました。「これ使うか?」と武田さんに渡されたときは、自分も持っているんだけどな……と思いながらも使わせてもらいました(笑)。
荒井敦史
衣装で頭巾があるんですが、助さん格さんの2人とも頭巾の形が違うんです。スタッフさんのこだわりポイントだそうです。「誰も気づいてくれないんだけどさ……」と言っていたので、スタッフさんに代わって伝えます(笑)。
『水戸黄門スペシャル』
12月28日(日)夜6:00~7:54 BS-TBSにてオンエア
水戸光圀(武田鉄矢)は、能楽をきっかけとして、甥である前田綱紀(榎木孝明)に会うことを口実に助さん(財木琢磨)、格さん(荒井敦史)らを伴い金沢へ。道中に立ち寄った輪島で、金沢で不穏な動きがあると聞いた光圀は、心穏やかではない。急ぎ金沢へ向かうと、そこには前田綱紀暗殺の企みが…。
