放送開始50周年を迎えた「スーパー戦隊」シリーズが、現在放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(テレビ朝日系)を最後に休止することがわかった。背景には、主な視聴者層である子どもの人口減少、爆破シーンや豪華な衣装にかかる制作費の高騰、テレビから配信サービスへの移行が進み、広告収入が落ち込んだことなど、複数の要因があるようだ。
1975年放送の第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』から、半世紀続いた同シリーズ。近年は若手俳優の登竜門的な役割も果たしていた。子どものころに夢中になったヒーロー、子育て中に出会った“推し”など、誰しも一人は思い入れのあるヒーローがいるはず。
そこで今回は「いちばん好きな戦隊ヒーロー俳優」についてアンケートを実施。30代~60代の男女300人から回答を得た。「スーパー戦隊出身とは知らなかった……!」と、驚きの声も上がったランキングはこちら!
最近は“悪役”もこなすイケメン俳優
第5位は『烈車戦隊トッキュウジャー』('14〜'15年)でトッキュウ1号を演じた志尊淳。列車や路線図がモチーフになった同作品は、鉄道マニアの間でも人気を集めた。
「あまりにもイケメンで惚れました」(石川県・女性・35歳)
と、“1号”にふさわしい、文句なしのルックスを絶賛する声が多数寄せられた。
「優しいお人柄で、幅広い年齢層のファンがいる志尊くん。ママ世代の視聴者にも大人気でしたね」
と、放送作家でコラムニストの山田美保子さん。志尊は4年前に急性心筋炎を患い、一時期は深刻な状態にも陥ったが、NHK大河ドラマ『青天を衝け』で復帰。30歳の節目を迎え、12月に発売されたばかりのアニバーサリー写真集が早くも話題となっている。
「大病を経て、最近の志尊くんの発言や演技からは真の強さやたくましさをすごく感じるんです。人一倍お母さんを大切にしていらっしゃる、そんな優しさも魅力ですよね」(山田さん)
第4位は『百獣戦隊ガオレンジャー』('01~'02年)でガオシルバー役を務めた玉山鉄二。
「6人目の戦士という設定が斬新だった」(和歌山県・女性・41歳)
とあるように、5人組が基本のスーパー戦隊では異色の存在。5人とは別行動をとることが多い、孤高のヒーローを演じた。
「あれから20年以上がたち、最近の玉山さんの貫禄といったら! 驚きました(笑)」(山田さん)
昨年の日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS系)に楽団の団長役で出演した際、「玉山さん、役作りのために太ったの!?」とSNSでプチ騒ぎに。
「今年45歳となり、見た目だけじゃなく実質的にも存在感たっぷり。きれいな役どころにとどまらず、最近は悪役もこなされて、男くささがぷんぷん漂う役もお似合いですよね」(山田さん)
話題映画に出演の2人
第2位は同率で2人がランクイン。まずは、志尊淳とともに『烈車戦隊トッキュウジャー』に出演し、トッキュウ4号を演じた横浜流星。
「彼のファンになるきっかけとなった作品」(岩手県・女性・66歳)
「アクションもキマっていたし、なによりイケメン」(神奈川県・女性・55歳)
と、50代~60代女性の票を多く集めた。
「3月の日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞を皮切りに、NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』、映画『国宝』と大活躍。今年はまさに“横浜流星イヤー”といえる1年でした」(山田さん)
『国宝』では、吉沢亮演じる主人公のライバル役に。撮影にあたり、彼らは歌舞伎の稽古に約1年を費やした。稽古中、吉沢は横浜に対して「下手したら追い抜かれる」と危機感を覚えるほどの気迫を感じたと、のちにトーク番組で語っている。
「昨年末、吉沢さんが泥酔騒ぎを起こしてビールのCMキャラクターを降板する騒動がありました。なんの因果か、同じ商品のCMにいま横浜さんが出演しているのもおもしろいですよね(笑)。監督からの信頼も厚く、今後の活躍が楽しみな俳優さんです」(山田さん)
横浜と同票を集め、同じく2位となったのは『海賊戦隊ゴーカイジャー』('11〜'12年)で俳優デビューを果たした山田裕貴。
「ヒーロー戦隊を真摯に演じている様子が伝わってきた」(埼玉県・女性・61歳)
「見た目はクールだが、中身は熱い役どころがよかった」(千葉県・女性・56歳)
などの声が寄せられた。
「ゲームやお笑いのマニアだったり、カレーハウスCOCO壱番屋への愛を熱く語ったりと、とにかく個性的でユーモアのある方。『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)での活躍もうなずけます」(山田さん)
今年は3本もの主演映画が公開。中でも『爆弾』は、ヘルシンキ国際映画祭でワールドプレミア上映されるなど大きな話題に。山田にとって初の海外映画祭参加となった。
「西野七瀬さんとの結婚生活のエピソードを屈託なく語るなど、自然体で飾り気のないところも素敵です」(山田さん)
「いちばんの出世頭」国民的俳優に
第1位に輝いたのは、『侍戦隊シンケンジャー』('09〜'10年)でシンケンレッドを演じた松坂桃李。侍をモチーフとした同作では、レッドが“殿”で、そのほかのメンバーが“家臣”と、明確な上下関係が存在するユニークな設定だった。
「やんちゃながら、“殿”としてしっかりリーダーシップを発揮していたのが印象的」(宮城県・男性・61歳)
「何事にも一生懸命取り組むところがよかった」(東京都・男性・64歳)
と、男性票が多く集まった。
「戸田恵梨香さんと結婚し、パパになられてからますます安定感が増した印象です」
と、山田さん。これまで、日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞など数々の賞を受賞。今年は主演を務めた日曜劇場『御上先生』(TBS系)で、東京ドラマアウォード2025の主演男優賞も受賞した。
「戦隊シリーズ出身者の中では間違いなくいちばんの出世頭。いまや日本を代表する国民的俳優なのに、親しみやすいお兄ちゃんらしさをずっと持ち続けているところがチャーミングですよね」(山田さん)
今回のランキングで、山田さんが個人的に注目するのは8位にランクインした塩野瑛久。『獣電戦隊キョウリュウジャー』で、キョウリュウグリーンに選ばれる男子高校生役を演じた。
「ジュノン・スーパーボーイ・コンテストを経て華々しくデビューしながら、事務所の移籍などでなかなか芽が出なかった苦労人。イケメンなのに、バラエティー番組などではざっくばらんで全然飾らない。そのギャップがまたいいんですよ」(山田さん)
昨年放送のNHK大河ドラマ『光る君へ』で一躍ブレイク。今年は『終幕のロンド~もう二度と、会えないあなたに』(関西テレビ・フジテレビ系)など、連続ドラマに立て続けに出演した。その魅力を、山田さんはこう語る。
「かわいい役も男くさい役も両方こなせる。ネクストブレイクが期待される若手俳優の中でも、頭一つ抜きん出た方だと思います。ぜひみなさんにも注目してほしいです」
多くのスターを輩出した戦隊シリーズ。制作を担当する東映の関係者からは「終了ではなくあくまでも休止」との声も。世代を超えて多くの人々に愛と勇気を届けてくれたヒーローたち。また出会える日を信じて待ち続けたい。
取材・文/植木淳子
