「年明けから引き続き、食品の値上げラッシュが予測されます。小麦粉や油などの原材料だけでなく、物流コストや人件費が高くなっているためです。石油価格高騰で、JRの運賃も3月から値上げされる予定。電車賃以外にも航空運賃も上がる。プラスチック容器を使った洗剤やシャンプーなど日用品も上がる。さらに、NTTの固定電話も基本料金が100円上がるという話が出ています」
とファイナンシャルプランナーの安部智香さんは話す。
家計簿のすべての費目が値上がりに!?
値上がりするのは、食品、日用品、交通費、通信費と家計簿のどの費目にも当てはまるもの。すべてが上がると思って間違いないようだ。
2025年の値上げ品目は昨年を大幅に上回り、2万580品目。値上げ率平均15%だ。値上げが止まらないのは、複合的な原因が絡み合っているから。
「例えば、卵。鳥インフルエンザがおさまっても、鶏の飼料が上がっている。物流コストや人件費も上昇中。原因が一つ解決したから値上げが止まるわけではなく、これが当分、続くことが予想されます」(安部さん、以下同)
思わずため息が出てしまうような状況。いったい私たちは、どうやって今の生活を維持していけばいいのか。
「私たちが値上げを止めることはできませんので、細かい支出を見直していくしかありません。食品や日用品は、安くまとめ買いをする。こだわりがなければプライベートブランド商品を買う。また、ふるさと納税で食品や日用品をもらう。通信費や保険、サブスクなどの固定費を見直す。さらにクレジットカードのポイントを貯めて、商品にかえる……。すでに実践していることも多いでしょうが、反対に、まだやっていないことがあれば、ぜひ試してほしいですね」
物価高が続くインフレに勝つには、資産運用も重要だ。
「2025年9月の消費者物価指数は前年比で総合指数が2・9%上昇し、インフレが継続。それなのに、大手銀行の定期預金は0・2~0・3%、ネット銀行でも1・0~1・2%。定期預金のままだと、インフレに負けてしまいます。インフレに勝つには、資産運用で3%ぐらいの運用益を狙わないと実質、資産は減ってしまいます。
NISAやiDeCoを利用して、節税しながら資産運用することも考えるべきですね。個別株なら株主優待で生活必需品を手に入れることもできます。株式投資が不安なら、まずクレジットカードなどで貯めたポイントで、ポイント投資から始めて、慣れたらお金でやってみてはいかがでしょうか」
自分の「お楽しみ」には惜しまず使う!
とはいえ、すべてのお金を投資してしまうと、いざというときに困る。「使うお金」「貯めるお金」「増やすお金」の3つのバランスが大事だという。
「3~6か月分の生活費を『使うお金』として、普通預金に入れておきます。『貯めるお金』『増やすお金』は、中長期で考えるお金。ライフプラン表をつくると、必要な時期が一目瞭然です。例えば、3年後に車を買い替えるなら、定期預金で貯めてほしいし、子どもの大学入学まで5年以上あるなら、積み立て投資で増やすといい。それぞれのご家庭のライフプランをもとに計画を立てましょう」
しかしながら、いくら物価高だからといって、ガマン、ガマンではたまらない。楽しみには使う、興味のないものには使わない、そんなメリハリ支出を意識してほしい、と安部さん。
「推し活など、自分の楽しみのためには、惜しみなくお金を使っていただきたい! その代わり、なんとなくコンビニで買ってしまうおやつやお茶など、単に習慣になっている買い物や行動は見直しましょう。無駄なものに使わなければ、自分の楽しみにお金を回すことができます」
また“投資”といっても、資産運用だけではないという。
「健康に投資すれば、長い目で見ると医療費の節約になりますし、学びに投資すれば転職に必要な資格が取れたり、将来起業できたりするかもしれません。人間関係も投資の一つ。意味のない付き合いはやめて、本当に付き合いたい人との交流にお金をかけていくと、上質な人間関係をつくることができて、豊かな人生につながると思います」
とにかく、この「値上げ」をきっかけに、お金の使い方について家族で話し合ってほしいと安部さんは声を強める。
「妻一人で節約しても限度があります。夫は何が協力できるのか、お子さんはお小遣いの使い方を見直せないか、家族で相談してほしいですね」
年末年始の休みには、ぜひ家族でマネー会議を!
値上げに打ち勝つ! やっておきたい生活の見直し
ふるさと納税活用
ふるさと納税で必需品をゲット。海鮮やフルーツなど豪華食材ではなく、米や日用品など、生活に役立ちそうなものを狙うのがコツ。自己負担金2000円で全額控除される控除限度額は、年収と家族構成で異なるので注意。
ポイント活用
クレジットカードでポイントを増やし、商品券や生活必需品にかえる。さらにポイントを運用して増やすのも、投資の練習になっておすすめ。タダでもらえるポイントなら、投資初心者でも気軽にトライできるはず。
まとめ買い
肉類や魚介類などの食品は、スーパーの特売日を狙って、まとめ買いをして、冷凍しておく。日用品も安いときに購入して、ストック。お得な業務用サイズや詰め替え用を買うことを心がけて。
固定費の削減
携帯電話も、格安スマホにかえると通信費が大幅にダウン。また携帯電話と、ネット回線、ガス、電気を組み合わせると、割安になるケースも。その他、生命保険やサブスクなどの見直しも、固定費削減には必須。
PB商品の活用
特にこだわりがなければ、スーパーやドラッグストアのPB(プライベートブランド)商品を選ぼう。一般メーカーより1、2割は安く買えることが多い。セブンプレミアムやトップバリュ、matsukiyoなどが有名。
株主優待活用
化粧品や美容アイテムなど、いつも愛用しているものがあれば、そこの会社の株を持つことで、株主優待によって商品がもらえるかも! 株主優待を受けるには、権利確定日までに株式を保有する必要がある。
取材・文/池田純子
