コメ価格高騰をはじめ国民の生活を直撃する物価高が続く中、高市早苗首相(64)を含む内閣閣僚18人の保有資産が公開された。
高市首相が公開した資産は18人中10位となる3206万円。一方でトップに立った、最も資産を保有する閣僚は、唯一の2億円超えとなった2億7248万円の小泉進次郎防衛相(44)。
その内訳は国債7000万円、公社債7764万円、有価証券1億2484万円に加えて、東京メトロの株式700株。この額面だけを見ると、さすがは小泉純一郎元首相(83)の跡取りというべきか、“最もお金持ちの閣僚”であることが明らかになった。
しかしながら疑問が浮上するのが、2025年4月に公開された衆議院議員465人の資産報告書。この時、小泉防衛相が記したのは「資産ゼロ」。わずか12月までの8か月間で、高市首相と自民党総裁の座を争う中で約3億円もの資産を築いたことになるが……。
実は、今回公開されたのは首相や閣僚個人だけでなく、配偶者などの家族の分も合わせた資産額となっている。高市首相は、奈良市の不動産1142万円と乗用車2台に加えて、夫の山本拓元衆院議員(73)が所有する不動産1064万円を合わせての3206万円ということ。
資産はすべて滝川クリステルの名義
そして小泉防衛相の場合も、約3億円の資産はすべて妻・滝川クリステル氏(48)の名義であって、自身はあくまでも「資産ゼロ」を貫いている。
そんな防衛相には、自民党内で検討される議員報酬5万円アップも許したくなるが、国務大臣の年間給与額は約2961万円。首相に至っては約4061万円と、日本の平均年収478万円(令和6年分 民間給与実態統計調査より)の数倍にあたる報酬を受け取っている。
また閣僚以外の、衆参両院の国会議員572人が手にした2024年の平均所得も2513万円と高額だ。にもかかわらず、小泉防衛省のような「資産ゼロ」はありえるのだろうか。4月の資産報告書では、同大臣も含めた議員94人が「資産ゼロ」としている。
自民党で最年少当選を果たした大空幸星議員(27)、元タレントの森下千里議員(44)ら2024年に当選したばかりの新人議員は頷けるが、一方で国民民主・玉木雄一郎代表(56)や日本保守・河村たかし共同代表(77)ら党代表も「資産ゼロ」だ。
進次郎もまた父親から“地盤”を受け継いだ世襲議員として、何らかの資産も譲り受けているように思えるのだが、政治とカネ問題に詳しい政治ライターによると、
「国会議員の資産公開制度には“カラクリ”があります。資産報告書には不動産、有価証券、自動車などの乗り物、美術工芸品、ゴルフ権、そして預金及び貯金を提出する義務があり、各議員はこれらに基づいて自主報告します」
資産公開法にも“グレーゾーン”
1988年に発覚した戦後最大級とされる汚職事件とされる「リクルート事件」を受けて、議員資産の透明性を高めるために1992年に成立、翌年に施工された国会議員資産公開法。以降、国会議員は資産を国民に公開する義務が生じた経緯がある。
ところが前出の政治ライターによると、もはや“政界あるある”とも言いたい、資産公開法にも“グレーゾーン”があるようだ。
「たとえば見逃されるのが“預金及び貯金”ですが、公開されるのは議員の定期預貯金のみで“普通預貯金”は含まれていません。つまりは個人口座に預貯金をたんまり貯め込だり、はたまた現金で“タンス貯金”をしているかもしれない。
そして不動産ですが、家族資産も公開する必要があるのは閣僚や副大臣といった要職のみだけに、本人とは別名義に変更して保有している可能性もあります。そして公開法には虚偽記載による罰則もない。
これまで制度見直しも求められますが、その度に与野党からの反発もあって改正には至りません。“資産ゼロ”は庶民アピールとも取れますが、ネット時代においてまともに受け取る国民はおらず、逆効果にも思えますが」
全ての資産額を公開した方が、国民から信用される時代か。
