12月31日に放送されるNHK『第76回NHK紅白歌合戦』の“目玉”として期待された、嵐のサプライズ出演の可能性は低そうだ。12月15日に『サンケイスポーツ』Web版が配信した記事によると、NHK側からのオファーにメンバーは了承しなかったという。

 2020年末のグループ活動休止から5年、2026年3月のラストツアーに向けて動き出した嵐。それだけに2020年までに12回出場した大晦日の“国民的テレビ番組”で、ファンや視聴者に最後の挨拶をすると思いきや、彼らは“その場”を選ばなかった。

「もちろんNHKも交渉を続けるでしょうし、まだ出演の可能性は残されています。しかし、“彼ら”にとってNHK、いやテレビ自体をパフォーマンス披露を優先すべきコンテンツと見做さなくなっているのでしょう」

 旧ジャニーズ時代から長年取材を続ける芸能ライターが感じるのは、近年のSTARTO ENTERTAINMENT社で起きている確かな変革。それを如実に示したのが、3年ぶりの開催を控える12月31日の「カウントダウンライブ」だ。

 1996年の『V6』コンサートから始まった通称“カウコン”は、旧ジャニーズ事務所(現STARTO社)所属グループが一同に集まる、1年に1度のお祭りコンサートとして知られる。

カウコンを『Netflix』にて世界独占配信

 そして1998年からスタートしたフジテレビ系列での独占生中継は、幸運にもチケット当選して東京ドームに駆けつけるファンの一方、テレビの前でアイドルらと一緒にカウントダウンを迎えるファンの“受け皿”にもなっていた。

 それだけに2025年ー2026年のカウコン開催の発表と同時に、当然の如くフジ系列で放送されると思いきや、STARTO社は「ファミリークラブ」での有料ライブ配信を決定。さらに2026年1月7日には、『Netflix』にて世界独占配信することを発表したのだ。

 片やフジテレビはというと、夜10時から新年を跨いだ0時45分まで『新しいカギ 大みそか年越しSP(仮)』を放送予定。同局の人気バラエティ番組でのカウントダウン放送を決定したのだ。

左からtimeleszの原嘉孝、寺西拓人、元Jr.の森継亮太、茶髪でキャップをかぶり、今とはまるで別人のSnowManの目黒蓮(2017年10月)

「フジとしても恒例行事だったカウコン中継も選択肢にあったはずですが、条件面などで折り合いがつかなかったのでしょうか。一方のSTARTO社としても、ジャニー喜多川氏の問題をめぐって各局が“手のひら返し”の態度を示したことで、各局との関係にも変化が起きているように見えます」(前出・芸能ライター、以下同)

 かつてテレビ局とは主な取引先だったSTARTO社を含む音楽系の芸能事務所だが、コロナ禍以降から新たなコンテンツ、プラットフォームへの移行が見受けられる。特に新ビジネスとして定着しつつあるのが、ライブやコンサートのネット配信事業だ。

「出ることに意義」の紅白にメリットない

テレビから支払われるのは一定額の放映権料ですが、サブスク形式のネット配信では得られる利益も無限大です。コロナ禍、そしてジャニー氏問題で敬遠されている間に、STARTO社も配信事業におけるノウハウを熟成させ、更なる利益をもたらすNetflixといった配信会社とのタッグを優先しているのかもしれません。

 Snow Manによる大晦日のYouTube生配信も今年で3年目。注目された紅白出場も、現状はKing&PrinceとSixTONESの二組のみと、年齢層が高いテレビ視聴者よりもネット配信に慣れ親しんだ世代を優先するのも当然で、既に高い知名度を誇る彼らにしてみれば、“出ることに意義がある”紅白にもはやメリットは少ない

 嵐ラストツアーも生配信の準備を進めていると聞きます。2026年は野球世界大会『WBC』をはじめ、他分野でもネット配信が主流となるつつある中、STARTOグループにも〈見たい人だけが見られる〉サブスク時代に突入しそうですね」

 2026年はSTARTOアイドルにとって変革の年になりそうだ。