12月14日にNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の最終話が放送された。その後、視聴率がこれまで放送された大河でワースト2位だったと報じられ、物議を醸している。
“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の生涯
同作は吉原の貸本屋から始まり、版元として喜多川歌麿や東洲斎写楽、葛飾北斎らを世に送り出した“江戸のメディア王”蔦屋重三郎の生涯を描いた物語だ。脚本は『JIN‐仁‐』などで知られる森下佳子が担当。『国宝』などの熱演が話題の実力派・横浜流星が、大河初出演で主演に挑んでいる。染谷将太、橋本愛、渡辺謙ら若手からベテランまで豪華な顔ぶれが脇を固め、語りを綾瀬はるかが務めたことも話題になった。
「クライマックスでは、病に倒れ死期を迎えた蔦重の姿が描写されました。死の淵に立つ蔦重を前に、桐谷健太さんが演じる大田南畝が涙をこらえて“俺たちは屁だー!”と叫び、集まった仲間たちが一斉に“へ”とコールし蔦重の周りを踊り歩きます。蔦重が意識を取り戻し“拍子木、聞こえねぇんだけど”とつぶやくと、皆が“へ?”となり拍子木が高らかに鳴り響くラスト。べらぼうらしさ全開の、粋な演出が話題となりました」(テレビ情報誌ライター)
1年におよぶ放送がついに幕を閉じ、ネット上では「なんてべらぼうな終わり方!最後の最後まで、最高の大河でした」「初めて大河ドラマに興味を持ち、1年間観ました」「すばらしい1年をありがたやま」
など絶賛の声が溢れている。
大河ドラマの中でワースト2位の結果に
しかし翌日の12月15日、最終話の平均世帯視聴率が9・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったこと、初回から最終回までの期間平均の世帯視聴率も9・5%(同)で、2桁に届いていないと報じられてしまった。
「この数字は、これまで64作ある大河ドラマの中でワースト2位です。2020年の『いだてん~東京オリムピック噺~』の8・2%に次ぐ低視聴率ということに。同じ平成生まれの吉沢亮さんが主演を務めた2021年の『青天を衝け』は期間平均14・1%と高視聴率でしたから、数字上では大きく差が開いてしまいました」(前出・テレビ情報誌ライター)
これには「とても面白く毎週楽しみに観ていたので、ワースト2位とは驚き」という声があがる一方で、
「今や数多くの視聴媒体があるのに、視聴率なんて意味のない幻」「毎年のように視聴環境が広がり、多様化している時代に過去作との比較は無意味だろう」「作品の出来と視聴率がリンクしない典型的な例となりましたね」といった反響があり、視聴率自体を疑問視する声が多く寄せられている。
視聴者には数字には現れない、たしかな感動が届いていたようだ。
