粗品

 12月13日に『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』(日本テレビ系)が放送された。9代目女王に輝いた『ニッチェ』以上に注目を集めているのが、同大会で初審査員を務めた『霜降り明星』粗品のコメントの数々だろう。

 放送前に公式Xで公開された動画でも、「レベルが低すぎるんで」「面白くないものには面白くないと言わせていただこうと思います」と発言。

『THE W』反省会で女性芸人たちが粗品に反論

 実際、本番でも結成1年目の『パンツ万博』に対して、

「正直、1秒も面白くなかったです」

 と辛辣なコメント。その他の出場者にも厳しいアドバイスを続けたことで、SNS上では賛否となっていた。

 一方で、「粗品さんが厳しい審査をしたことで、女性芸人たちのキャラクターやネタへの想いが浮き彫りになって良かった」とお笑いライターは指摘する。

放送後にHulu限定で『大反省会』が配信されました。この大会に限らず賞レースの反省会はMCを務める芸人らが“面白かったけどな”とフォローを入れるのが中心で、ぬるい配信になりがちです。でも今回は粗品さんの審査を受けて、女性芸人たちが反論や舞台裏を明かしてかなり見応えがありました

 『エルフ』に対して、「普段、質の悪い客の前でやっているから」とコメントした際にギャルの荒川が「Wから出ていってください、迷惑なんです」と反論したことに対して、SNSでは「ファンを馬鹿にされたことが許せなかったんだろうな」など、さまざまな考察コメントが相次いだ。

『反省会』で荒川さんは、最初から粗品さんに対して反論しようと思っていたことを明かしています。どんな芸人でもファンをディスられて良い気はしないとは思いますが、今回のやり取りはあくまでも“エンタメ”だったことがわかり、芸人としてのポテンシャルの高さが改めて再確認できましたね」(お笑いライター、以下同)

 また昨年『あっぱれ婦人会』を解散し、ピン芸人に転向したとんでもあやに「自分でネタを作っていない」というダメ出しに対しても、『反省会』で面白いリアクションがあったという。

若い芽を摘んでしまう可能性も

粗品さんは予選をチェックするだけでなく、決勝メンバーの情報をリサーチしたことを自身のYouTubeで明かしています。とんでもあやさんの今回のネタは『モダンタイムス』という“地下芸人の帝王”と呼ばれるコンビの方が作っているのですが、粗品さんの審査に対して“(人にネタを作ってもらって)何が悪いの?”と反論。“自分の面白さを引き出してくれる人にネタを作ってもらっている”という、こだわりが伝わってきました

 賛否のあった審査だが、今後の賞レースにも影響を与えそうだ。

フレッシュな顔ぶれが揃った『THEW女芸人No.1決定戦』(公式サイトより)

“1組目は基準”にして“相対評価”をする審査員が多い中で、粗品さんはYouTubeで“絶対評価”で審査したことを明かしています。やっと正しい審査ができる芸人が現れたなと、その点は希望が持てました。プロとして審査員を務めるなら、客の受けなどに左右されずに信念を持って審査をすべきでしょう」(放送作家)

 一方で、辛口審査という“劇薬”に対して心配も。

決勝に進んでいる時点で選ばれし芸人たちですから、“1秒も面白くなかった”など厳しすぎるコメントは、炎上狙いにしか見えず残念でした。特に今回は芸歴の浅い若手も多く出場していましたからね。才能の芽を摘んでしまう可能性もあるので、ダメ出しをするにしてももう少し言葉は選ぶべきだったでしょう」(同・放送作家)

 自身のYouTubeで、「俺に噛みつくのは金脈」「(自分に批判が向くことで)視聴者の溜飲を下げられて良かった」とヒールに徹したことや、自分に反論した荒川を誉めていた粗品。

 例年以上に話題を集め、世帯視聴率も昨年の6.6%から微増の6.7%にアップしただけに、粗品の起用は大成功といったところか。