高市早苗首相、日本維新の会・吉村洋文代表

 自民党と連立を組む日本維新の会・吉村洋文代表が「腹立ってしょうがない」と怒りをあらわにした。胸の内を明かしたのは、12月16日に自身のYouTubeチャンネルでおこなった「緊急生配信」。一体何があったのだろうか――?

吉村洋文代表の最重要課題

「吉村代表が自民との連立の絶対条件として出していたのが、衆院議員の定数削減。定数削減に合意できなければ連立はできないとまで明言していたほど、吉村代表にとっては最重要課題だったわけです。しかし法案を提出していたにもかかわらず、審議すらされずに臨時国会が終了してしまいました」(地方紙政治部記者)

 16日の夜には、高市早苗首相と吉村代表が党首会談を実施。会談後の会見で吉村代表は「12月5日に提出したにもかかわらず、審議すらされずに国会が終わってしまうのは残念。審議されない以上、成立しようもない。野党のみなさんにしっかり審議してもらいたいなと思います」と述べている。

 ここで気になるのは、連立合意の絶対条件が果たされない場合に、連立を離脱することになるのかどうか。これにはインタビュー出演した『ニュースウォッチ9』(NHK)で、「高市さんは約束守ってくれてますから。自民党維新で法案を提出しましたから」と離脱の意思はないことを表明。「自民党に対する不満というよりは、むしろ審議してもらえない野党に対する不満が強いです」と語った。

「そして同日夜には藤田文武共同代表とYouTubeで緊急生配信をおこない、“腹立ってしょうがない”の発言が飛び出したわけです。もちろん吉村代表はこれで諦めたわけはなく、“通常国会は時間切れということにはならない。絶対にやるんだ。諦めない”“高市総理もやろうということで完全一致しました”と強く主張しています」(前出・地方紙政治部記者)

吉村代表の怒り

 野党に向けられた吉村代表の怒り。しかしネット上では、「全く進展しないっていうのは、結局野党だけじゃなく与党も口だけでやる気がないんだろ」「連立維持のために高市さんには配慮しつつ、責任は野党になすりつけてる感が……」「議員定数削減が維新の存在感を示すパフォーマンスのひとつになってないか?」

 などとさまざまな反響があがっている。

 今国会では審議すらされなかった議員定数削減だが、じつは12日には立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長が成立は「100%無理」と断言。

「国会には国会のルールがある。本当に法案を通したいなら各党にも説明を尽くす必要があるし、必要なプロセスを踏んで提出するのが当たり前」と述べている。さらには吉村代表に向けて、「無知の極み」「顔を洗って出直された方がいい」とまで。

 腹立たしい思いをぶちまけた吉村代表だが、“最重要課題”の行末は……。