楽天・古賀康誠との自衛隊自主トレを報告した辰巳涼介(公式インスタグラムより)

 12月17日、東北楽天ゴールデンイーグルスの辰巳涼介選手(28)が自身のインスタグラムを更新。ストーリーズで、自主トレ先の大分県の陸上自衛隊別府駐屯地で「入隊しました」との“移籍”報告をした。

 ポスティングシステムでのメジャーリーグ移籍を希望するも球団から認められず、「必要としてくれるチームがあるか」と11月11日に国内FA権を行使した辰巳。1か月以上が経過するも、メジャーどころか他球団からのオファーも届いていない。

 覇権奪回に向けて大型補強に動く読売ジャイアンツも有力視されたが、同じくFA宣言をした元北海道日本ハムファイターズの松本剛選手(32)を獲得。辰巳とは同じ外野手だけに、巨人は松本を選んだわけだ。

 巨人の指揮官・阿部慎之助監督(46)は、12月13日の『ニッポン放送ショウアップナイター60周年 名球会ラジオ』にて松本獲得の理由を明かしている。今シーズンは66試合の出場と不振に終わり、加えて32歳の年齢に獲得への疑問の声も上がったが、

阿部巨人が重要視した「人間性」

「やっぱり一番(の理由)は人間性を見て。次世代のジャイアンツを背負っていくベテランになってほしいっていうのもあって、獲得調査していただいた」

 補強ポイントである「センター」の守備はもとより、何よりも松本の「人間性」が理由と明言。日ハムにおいてキャプテンシーを発揮し、2023年から選手会長を3年間務めた松本の人間性は誰もが認めるところで、巨人は選手としてだけでなく、将来の指導者、幹部候補を見据えての獲得だったわけだ。

 片や辰巳。2024年に最多安打のタイトルを獲得したシュアな打撃、2021年から5年連続でゴールデングラブ賞に輝いたアグレッシブな守備力と、球界屈指の外野手としての実力は申し分ない。

 一方で、その2024年のゴールデングラブ賞授賞式では、頭から指先までを金色に染め上げた「ゴールデンコーデ」で出席するなど、パフォーマンスからも「個性的」な性格と見える。

 また今年2月の沖縄キャンプでも、突如ブルペン入りすると熱のこもった投球を披露して152キロを計測。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手を意識してか、「二刀流」挑戦の自信をのぞかせるも、石井一久GMからは“ダメ出し”を食らって却下されたことも。

 そんな時に突拍子もない言動が目立つ辰巳だが、主にパ・リーグを取材する野球ライターは、

良くも悪くも堂々として物怖じしない、年上のコーチや後輩選手との接し方も全く変わらないフラットな性格。あまり表情も変えないだけに“何を考えているかわからない”との評価もあります。でも、投球練習を始めたのも“チームの力になりたい”一心で、パフォーマンスも場を盛り上げたい、ファンを楽しませたいという気持ちから。

 ただ表現方法が独特だけに、時として“周囲から浮いている”“扱いにくい”との印象が残るのかもしれません」

「何を勘違いしているのか」

楽天・辰巳選手とその妻。仲睦まじい様子が伺える(公式インスタグラムより)

 さらに辰巳が抱える“問題”も経験される一因だとも。

 12月17日に『デイリー新潮』で報じられたのは、辰巳父による息子への“公開説教”。【今の成績で大リーグなんていけるわけがないでしょう。何を勘違いしているのか】と、メジャー移籍希望にダメ出しすると、

【きっと妻が『海外に行きたい』って騒いでいるところから始まっているに違いないです】

 今度は矛先を辰巳の妻に向けるのだった。

「辰巳選手が11歳年上の妻と結婚した2023年を機に、親子関係は“断絶”状態にあるといいます。彼もまた妻のYouTubeに出演しては、父親を“息子の収入を管理できなくなった毒親”と断じて反論するなど、双方は食い違ったままで舌戦による親子ゲンカが続いているのです。

 かつてはグラウンドで結果を出せば、多少のプライベートの“いざこざ”は見逃された野球界ですが、各球団もコンプライアンス意識が高まっている現状、家族トラブルの表面化は正直イメージが良くない。炎上リスクを受け入れてまで“必要な選手ではない”との判断ということでは」(前出・野球ライター)

 その言動が誤解されがちな辰巳だが、まずは父との誤解を解いた方がよさそうだ。