高市早苗首相、日本維新の会・吉村洋文代表

 日本維新の会・吉村洋文代表が12月18日、MBSテレビの情報番組『よんチャンTV』に生出演。自民党との連立をめぐる発言がネット上で波紋を広げている。

吉村洋文代表の不満

大阪府の吉村知事(本人SNSより)

「今年10月に発足した自民党と維新による自維連立政権。その際、吉村代表が連立の絶対条件として掲げていたのが衆院議員の定数削減法案でした。しかし臨時国会では提出こそされたものの審議されないまま閉会となり、約束の実現は遠のいた形となりました」(全国紙政治部記者)

 12月16日には高市早苗首相との党首会談後に記者会見が開かれ、吉村代表は「12月5日に提出したにもかかわらず審議すらされずに国会が終わってしまうのは残念。審議されない以上、成立のしようもない。野党のみなさんにしっかり審議してもらいたい」と不満を口にした。

 連立合意の“絶対条件”が果たされないまま臨時国会は閉会。連立離脱という選択肢はあるのか――。

「吉村代表は同日夜、NHK『ニュースウォッチ9』のインタビューで“高市さんは約束守ってくれてますから。自民党維新で法案を提出しましたから”と述べ、離脱の意思はないことを明言していました。さらに“自民党の中にも反対の人もすごく多いと思います”としたうえで、“自民党に対する不満というよりは、むしろ審議してもらえない野党に対する不満が強い”と、怒りの矛先を野党に向けていました」(前出・全国紙政治部記者)

 その夜には、藤田文武共同代表とともにYouTubeで緊急生配信をおこない、「腹立ってしょうがない」と怒りをあらわにする場面も。「絶対にやるんだ、諦めない。高市総理もやろうということで完全一致しました」と強い決意を示した。

連立解消の可能性も

 12月18日の『よんチャンTV』で吉村代表は、議員定数削減が来年の通常国会に持ち越されたことに触れ、「成立を絶対させるという思いでやっていきます」と決意を新たに。さらに「成立させなかった原因が自民党にあるなら大問題」と語り、共演者から「(法案が)採決に付されなかったら離脱ですか」と尋ねられると、「高市さんとの信頼関係がなくなったら離脱だと思ってます」と連立解消の可能性にも言及した。

 続けて「たしかに臨時国会は日数が短い」としつつも、「特別委員会で審議する法案は企業団体献金と定数削減の2本ですから、この委員会で結論出さないとかあり得ない」と訴えた吉村代表。共演者から「その時はもう決断する?」と問われると、「その時は、もうボーン!」とちゃぶ台をひっくり返す仕草を見せ、スタジオにはどよめきが広がった。

 断固たる姿勢を示した吉村代表だったが、ネット上では「国会議員でもないのに威勢だけいいよね」「議員でもない人が連立の是非や国の法律改正を左右するキーマンとして振る舞うのはどうなのか」「国民のメリットがわからない。何のためにやるの?」「維新のやりたいことのために自民を利用しているようにも見える」

 などと冷ややかな反響が相次いでいる。

 通常国会での審議の前に、あらためて国民に対して実施する意義を訴えるべきかもしれない。