12月22日(現地時間21日)、ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指していた東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆選手(25)の移籍先が決定した。交渉期限間近での契約合意に至ったのはシカゴ・ホワイトソックス。
当初は8年総額280〜290億円との長期の大型契約も伝えられたが、米メディアでも報じられた通りの2年、約53億円の短期契約にまとまった。というのもーー、
「現地でこぞって取り沙汰されたのが、メジャー級のパワーを持つ一方で、スピードボールを苦手とするデータと三振率の高さ。そしてお世辞にも上手いとは言えない三塁と一塁の守備です。
レッドソックスOBのルー・メローニ氏(54)も、データを引き合いに《これが本当ならお金の無駄だ》とXで懐疑的な私見を投じるなど、必ずしも村上を必要とするMLB球団も多くなかった印象です」(MLBライター)
事実、ホワイトソックスと村上の契約合意と同日、MLB公式サイトでも【なぜ、2年だけの契約?】との記事が掲載された。MLB記者のマーク・フェインサンド氏による解説、分析によると、今回の「2年契約」は日本人打者の今後の動向、契約にも影響を及ぼしそうだ。
パワー自慢の“マッチョマン”
記事で名前が挙げられたのが、2022年に日本人野手として最高額となる5年、約126億円の大型契約でレッドソックスに移籍した吉田正尚選手(32)。日本プロ野球では2度の首位打者を獲得した、WBC2023でも4番打者として侍ジャパンチームを優勝に導いた日本を代表する強打者だ。
ところが、アメリカで“マッチョマン”のニックネームを頂戴した吉田だが、メジャー1年目こそホームラン15本と片鱗を見せるも、2024年は10本、そして2025年は故障もあって4本と減少。比例して出場試合も減り、OPSも下がっている。
それだけに「パワー自慢」の日本人打者に対して、メローニ氏のように懐疑的になるのもやむ得ないということか。
フェインサンド氏も【各球団がNPBの打者に対して懐疑的になっているかは不明だが】と前置きしつつも、
【当時、レッドソックスは“払いすぎ”だと見る意見も多かったが、それでも吉田は村上よりもわずかに高い平均年俸で、より長期の契約を勝ち取った】
吉田はあくまでも「コンタクトヒッター」と分析した上で、【各球団が、村上のような(パワーヒッター)タイプの打者に対して、少し慎重になっていると私は感じている】と、MLBによる日本人のパワーヒッターへの評価を明かした。
契約控える岡本和真にも影響か
この村上が交わした短期契約は、同じくポスティング申請中の読売ジャイアンツ・岡本和真(29)にも影響しそうだ。村上と同様にホームランが持ち味の「パワーヒッター」で、守備も三塁と一塁を主戦場としている岡本。
交渉期限は2026年1月4日だが、村上はホワイトソックスに移籍したことから各球団が早期獲得に動く可能性もある。岡本についても、村上同様に短期契約の可能性もあると評したフェインサンド氏。
【もっとも岡本は、村上よりも洗練された打者だと見なされている。それに3歳年上であることを考えれば、それは理にかなっている。(略)もしも岡本がメジャーに適応すれば、違いを生み出せる選手になるかもしれない】
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手(31)が高めた日本人打者の期待値だが、やはり彼は日本人離れした規格外のパワーということか。
