12月15日、秋篠宮家の次女・佳子さまは「第8回みどりの『わ』交流のつどい」に出席された。
「この公務は姉の子さんから引き継がれたもの。ほかにも、結婚し皇籍を離脱した子さんの公務を佳子さまは多く担われています。加えて、今年はブラジルを訪問されたほか、デフリンピックなどのご自身の公務も並行してこなされました」(皇室担当記者)
注目される佳子さまファッション
多忙を極める中でもお出ましの際には“使命感”を持って服装を選ばれているようだ。佳子さまの着こなしについて、スタイリストの霜鳥まき子さんはこう解説する。
「ひと言で表すならば“メッセージファッション”。日本工芸会の総裁である佳子さまは、よく全国の工芸品アクセサリーを身につけています。工芸品が映えるよう服の色とアクセサリーの色を連動させるなど、端々に工夫を凝らされているのです。こうした配慮から、佳子さまがご自身の役割を常に意識されていることが伝わります」
佳子さまは今年6月にブラジルを訪問された際、石川県の輪島市に工房を構える「升井彩 本乾漆」のイヤリングを身につけられた。代表の升井克宗さんは「その心遣いに支えられた」と明かす。
「佳子さまは何度かうちのアクセサリーを着用してくださいました。その反響は大きく“佳子さま御用達”の品は1800個ほど売れています。弊社は2024年に起きた能登半島地震で被災し、経済的に苦しい時期もありました。そんな中、佳子さまがうちの商品を見つけてくださったことで助けられたと感じています」
募らせていた佳子さまへの感謝の気持ちを伝える機会は偶然訪れたという。
「東京の催事に出店した際、偶然来店した方の旦那さんが皇室の報道を担当する記者の方でした。私が“佳子さまにお礼をしたい"とお伝えし、手紙と新しいイヤリングをお渡ししたのです。すると後日、宮内庁からお礼の電話をいただき、思いがけない形で佳子さまに感謝を届けられ、感動しました」(升井さん)
佳子さまのご配慮に感銘を受けているのは升井さんだけではない。滋賀県の工房「アトリエ トアーノ」でプロデューサーを務める高橋利典さんは、佳子さまが自社のイヤリングを着用された後、思わぬ反響があったと振り返る。
佳子さまに市全体が励まされている
「佳子さまには、草津市の市花である『あおばな』を広めたいという気持ちで制作したイヤリングを着用いただきました。その後、全国から注文が入り、ふるさと納税の申し込み件数が例年の5倍となったことに大変驚きました」
同工房の代表で作家の鵜飼明子さんは佳子さまへの思いをこう語る。
「地元のアクセサリーを選んでくださることは作り手としてうれしいです。あおばな農家の方もとても喜んでいますし、“滋賀に住んでいたのにあおばなを知らなかった”という方々から応援の声もいただきます。制作者だけでなく、市全体が励まされています」
着用されるアクセサリーが話題になる佳子さまだが、前出の霜鳥さんによると、服装からも佳子さまの思慮深さをくみとることができるという。
「一般的に“ザ・皇室ファッション”といえばテーラードジャケットにタイトスカートというスタイルを想像されるでしょう。しかし、佳子さまはご自身の骨格や似合う色をふまえて“脱・皇室ファッション”を模索されているのだと思います。また、一度着て終わりではなく、小物などを替えて着回しされるご姿勢も今のサステナブルな時流に合っており、人々が親近感を抱く要因ではないでしょうか」
多忙な中でも、服装の細部にまでこだわるご姿勢が人々に励ましを与えている─。
霜鳥まき子 スタイリスト・名刺服プロデューサー。JAL国際線CAを経てスタイリストに。個人・法人のブランディングや制服デザインなどを手がける。著書に『似合う服だけ着ていたい』(文藝春秋刊)など
