2026年1月1日に放送予定のフジテレビ系クイズ番組『クイズ$ミリオネア』で、2代目司会者に抜擢された嵐・二宮和也。人気番組を任される二宮をサポートするのはなんと、初代司会者・みのもんたさんとのことだがーー。
2025年3月1日に亡くなったフリーアナウンサー・みのもんたさん(享年80)。『ミリオネア』のほか、『午後は○○おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)、『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS系)など多くの番組で活躍した名司会者だ。
そんなみのさんが、13年ぶりの復活となる『ミリオネア』でAI技術によって蘇る。つまり二宮と“AIみのもんた”によるW司会を実現させようというわけだ。番組総合演出の錫木亮氏も「さまざまなご意見もあると思います」とするように、
《AIとCGで再現する試みは、技術的には先端的でも、倫理やモラルの面で強い違和感を覚えます。死後の人格や話法を再構成することは、人格権や死後の尊厳の侵害に近い行為とも言えます。》
《技術は凄いと思うが、そこまでしてみのさんを司会者として見せる必要があるのだろうか?みのさんのイメージのままの番組でやりたいのなら二宮さんにも失礼なのではないか?》
《数年前にAI美空ひばりさんが紅白に出てた時ですら、モヤモヤしたものがありました。ましてやまだ亡くなられてまだ間もないみのさんの、言っちゃ悪いが偽者を、お正月から見たいとは思わないです。》
ネットでは、やはり故人をAIで“再現”することに違和感を覚える、また司会を引き継ぐ二宮にも失礼だとする意見も。そして思い出されたのが、2019年の第70回NHK紅白歌合戦で、30年ぶりの新曲とする『あれから』を披露した「AI美空ひばり」。
紅白での“AIひばり”の作られた感に「気持ち悪い」
「一部視聴者の中には“感動した”と、ひばりさんの復活を受け入れていたようですが、やはりAIによって生成された姿や声などの作られた感に“気持ち悪い”といった批判的な意見が多数。
フジテレビによる“AIみのもんた”も批判を承知の上でしょうが、それでもテレビ局は競うようにAI技術を取り入れています。お隣りの韓国では、すでに生成AIを導入した番組が定着しつつありますが、日本もその流れを汲んでいますね」
エンタメ事情に詳しい芸能ライターが話すように、近年の国内メディアにおいても生成AIの波がきている。
2026年1月7日、BS日テレが2夜連続で放送する『令和に甦(よみがえ)る美空ひばり~今日の我に明日は勝つ~』。紅白で賛否があった“AI美空ひばり”を、さらに進化した最新技術によって再現し、新しい学校のリーダーズとも共演させる。
日本テレビは同じく8日、生成AIをフル活用したドラマ『TOKYO 巫女忍者』を放送。主演俳優らによる実写と、映画『8番出口』に携わった制作スタッフが駆使するヴァーチャル撮影や生成AIを組み合わせたAIドラマになるようだ。
“AI橋田壽賀子”も誕生していた
またAIの業界進出は映像だけに限ったことではない。2025年にはBS-TBSで『AI橋田壽賀子 渡る世間は鬼ばかり 令和版』が放送された。
「脚本に名を連ねたのは“AI橋田壽賀子”で、2021年に亡くなった橋田先生がご存命だったなら“どんな現代を描くか”との発想から、過去作品をAIに学習させた上で、ストーリーや台詞回しなどを橋田風に作り上げたそうです。
トレンドにめっぽう弱いテレビ局の“サガ”とでもいいますか。ネットコンテンツに押されてテレビ離れが加速する現状、視聴者の声は後回しにしてでも話題になるものはなりふり構わず取り入れたい現状があるのでしょう」(前出・芸能ライター)
いずれは出演者もみな、生成AIにとって変わるのかもしれない。
