12月22日(現地時間21日)にシカゴ・ホワイトソックスと2年、約53億円で契約合意に至った東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆選手(25)。2016年シーズンよりチームの一員としてプレーすることになるが、元プロ野球OBは移籍先に懸念を抱いてーー。
「非常にあの〜弱小チームで。4年間でずっと100敗以上しているのかな。成績があんまりふるわしくないんだけども。そこに決まったということで、まあやるしかないんだけども……」
村上のホワイトソックス移籍を受けて自身のYouTubeチャンネルを更新、動画で私見を述べたのは元プロ野球選手で、野球評論家の高木豊氏(67)。晴れて夢の舞台への挑戦が決まった村上にエールを送る一方で、どこか浮かない表情を見せた。
というのも、創設100年以上の歴史と伝統あるホワイトソックスだが近年は低迷。2023年に61勝101敗、2024年は41勝121敗、そして今シーズンも60勝102敗と最下位に沈んでいる。ちなみに2024年の121敗は、20世紀以降の最多敗戦記録だ。
そんな低迷期にある“弱小チームだけに、
「弱いチームというのはモチベーション的にね、あの(モチベーションが)非常に低い戦いを。まあ、戦うんだから最初はね、高くモチベーションをしてても、諦めが早かったりだとか、そういうチームの雰囲気にちょっと頑張ってほしいなと思うよね」
選手とコーチが試合中に口論
勝つことにこだわるMLB球団において、100敗が常態化したホワイトソックス。高木氏は、試合に臨む選手のモチベーションが低くなりやすく、村上もつられて調子を崩す可能性を指摘したわけだ。
実はホワイトソックス、チームが“下り坂”を辿り始めた2022年6月には、こんな“内紛”も起こしている。
この日、デトロイト・タイガースを相手に9対6で勝利したチームだが、先発のベテラン投手のランス・リン(38、2024年に引退)が2回にベンチに戻ると、当時コーチを務めていたジョー・マクユーイング(53)と何やら口論をはじめ、次第に激しい口調に。
MLB事情に詳しいスポーツライターが騒動の真相を解説する。
「この回にタイガースに逆転を許したリンですが、きっかけとなったのがコディ・クレメンス(29)のライト前ヒット。ところが内野は極端なシフトを敷いており、本来ならばセカンドゴロで打ち取ったはずのリンだけに、指揮官ら首脳陣が出した指示に納得いかなかったのでしょう。
怒りおさまらず捲し立てるリンに、ダグアウトでなだめていたマクユーイングコーチもついには“勝手にしろ”とばかりにお手上げ。そんな選手とコーチのいざこざがバッチリ中継されてしまったのです」
元所属選手が規律の乱れを“告発”
2023年8月には選手による“告発”もあった。すでに敗戦を重ねていたホワイトソックスは、シーズン途中でベテラン選手らの放出を始めたのだが、これを不服としたのか、ニューヨーク・ヤンキースに移籍したキーナン・ミドルトン投手(32)がぶちまけた。
「なんでもミドルトンによると、ホワイトソックスには“試合中に居眠りをする、ミーティングに出ない、守備練習に参加しない選手もいる”との、チーム内で生じているという規律の乱れを“ノー・ルール”として断罪したのです。
この“告発”に猛反論したGMリック・ハーン(54)ですが、同シーズンをもって成績不振を理由にチームを解雇されています。当時は試合中の乱闘騒ぎもあったばかりでチーム状況は最悪。大方が“事実だろう”と見做していました」(前出・スポーツライター)
ホワイトソックスとの契約合意で、チームではルーキーにして2番目の高級取りとなった村上。仮に年俸に見合った活躍ができなければ、ファンだけでなく、チームメイトからもブーイングが起きるかもしれない。
