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 東京・渋谷の人気ドーナツ店『I'm donut?』の渋谷宮益坂店における商品陳列をめぐり、SNS上で賛否の声が広がっている。ピンク色のタイルにドーナツを直接置く販売方法に対し、衛生面やデザイン性への違和感を指摘する投稿が相次いでいるのだ。

せめて敷紙を…

「『I'm donut?』は、2022年3月に東京・中目黒で第1号店をオープン。現在は中目黒、原宿、表参道、池袋、自由が丘、京都、福岡などへ出店を広げており、渋谷宮益坂店は9店舗目にあたります。1号店オープン当初から行列ができる店として注目を集め、SNSを中心に人気が拡大してきました。シンプルかつ個性的な空間デザインも同店の特徴で、写真映えする世界観が支持されています」(フードライター、以下同)

 話題となっている渋谷宮益坂店では、メイン商品であるドーナツが、ブランドカラーのピンクタイルを立方体状に組み合わせた什器に陳列されている。ブロックを積み重ねたような立体的構造で、“オブジェ型ディスプレー”とも言える演出だ。

SNSで話題になったドーナツ店『I'm donut?』の陳列(同店の公式インスタグラムより)

「一方で、そのタイルの上には敷紙やトレーが敷かれておらず、ドーナツはタイル面に直接置かれた状態です。商品を覆うカバーもなく、売り切れた箇所にはドーナツに付着していた砂糖などが残っていることから、見た目の印象として”衛生的ではないのでは”といった声が上がっています」

 X上では、《確かにこの陳列は日本人の衛生観念にフィットしなさそう》《変な陳列には目を瞑るとしても、せめてトレーとか敷紙は…?って感じかな》《この色、お風呂場かトイレみたい》といった声が。

 こうした反応を受け、店舗を運営する株式会社peace putに見解を尋ねた。

《陳列台のデザインにつきまして、お風呂や浴槽などを想起させるタイルではなく、キューブの組み合わせをイメージしたデザイン表現としております。今回ご指摘いただいた陳列台につきましては、日常的に清掃および衛生管理を実施しております。一方で、当該陳列方法に関して、さまざまなお声を頂戴していることも真摯に受け止めております。今後皆様により安心・安全に、そして心地よくご利用いただける店舗づくりを目指し、運用面の見直しを含めて検討を進めてまいります》

 今回注目されているのはあくまで陳列方法であり、ドーナツそのものの味やビジュアルの評価が高い点は変わらない。

「2024年10月30日放送の『カンブリア宮殿』で、創業者の平子良太氏は『お店をつくるのが好きです。建物を見てからデザインを決めるので、毎回デザインが変わる』と語り、店舗ごとの空間づくりへのこだわりを明かしていました。今回の件も、トレーを敷く、カバーを設置するなど、演出を大きく損なわない形での改善は十分に可能でしょう」

 今回の反響をどのように受け止め、ブランドの世界観と時代の衛生意識をいかに両立させていくのか、今後の対応に注目が集まりそうだ。