元ロッテの里崎智也氏(本人のインスタグラムより)

 来季こそ、新庄剛志監督の胴上げが見られるのかーー。そんな期待が一気に現実味を帯びた。チームを率いて4年。監督就任時には「優勝なんか一切、目指しません」と宣言して野球ファンを仰天させたものだったが、2度の最下位を経て2年連続で2位とチーム力は確実にアップ。そこに優勝を狙うための“最後のピース”が、思いがけない形で埋まったーー。

里崎氏が問題視した契約の“抜け穴”

 12月25日、2年連続で最多勝の有原航平投手が北海道日本ハムファイターズと4年総額24億円の大型契約で合意。6年ぶりに古巣復帰を果たすことがわかった。

「有原は日本ハムに在籍していた19年に15勝で最多勝を獲得するなど6年間で計60勝をマーク。20年オフにポスティングシステムを利用してレンジャーズへ移籍しました。22年オフに日本球界へ復帰する際に、日本ハムはオファーを出したものの有原はそれを蹴ってソフトバンク入り。24年、25年に連続最多勝に輝いています。

 今回、有原の移籍先としてはメジャー再挑戦か巨人入り、もしくはソフトバンク残留というのが大方の予想でしたが、蓋を開ければ一度は袖にした古巣へのまさかの復帰となったことで、ファンや球界関係者から驚きの声が上がりました」(スポーツ紙記者、以下同)

 これで日本ハムは、有原とともに今季14勝をマークした伊藤大海と合わせ、「最多勝投手が2人」という贅沢な戦力補強に成功。来季、優勝候補の筆頭に踊り出ることに。

「今季のドラフトでは中継ぎか抑えとして明治大学の大川慈英を1位指名し、先発投手より野手への補強を優先させていたのも、有原獲得が決まっていたからかもしれません。若手投手の成長もあり、かなり贅沢な先発ローテーションが組めそう。なによりも、優勝したソフトバンクから14勝投手を“強奪”して戦力を大幅に低下させることができたのが大きいですね」

 ただ、この移籍劇について“別角度”から疑問を呈したのが元ロッテ捕手の里崎智也氏だ。同日に更新した自身のYouTubeチャンネルでは、〈なぜ有原は自由契約になったのか!?〉とのタイトルで動画を投稿。最多勝投手が「フリーエージェント(FA)」ではなく、「自由契約」であったことに対し、疑問を投げかけた。

「里崎氏は『球界の七不思議の1つ』として、メジャーに移籍したのち日本球界に復帰した選手の契約体系が外国人選手と同じになる場合があると解説。日本球団に所属している選手の場合、一定基準をクリアしてFA権を取得すれば自由に移籍ができるようになりますが、FA権を行使すれば再FAするのに4年が必要となる。加えて、獲得した球団には金銭もしくは人的保証も発生します。

 それが“メジャー帰り”なら、その統一ルールの適用外となり、契約が終了するたびに自由に球団を選べるようになる。里崎氏は“登録は日本人扱いでも契約は外国人扱いになる”現状の“抜け穴”を問題視。ずっと日本でプレーしてきた選手と不平等が生じていると指摘しています

 ともあれ、有原を獲得できたことで新庄監督が白い歯を見せてニンマリする場面が増えることは間違いないだろう。