内館牧子さん(2023年)

 12月26日、脚本家の内館牧子さんが急性心不全のため、77歳でこの世を去ったと報じられた。

角界を愛し続けた脚本家が死去

「内館さんが亡くなったのは12月17日のことで、葬儀・告別式はすでに近親者のみで行われたそうで、来年の春にお別れの場が設けられる予定だといいます」(スポーツ紙記者、以下同)

 内館さんは武蔵野美術大卒を卒業後、三菱重工業に勤務。三菱重工に勤務中にシナリオライターの学校に通うようになり、40歳で脚本家としてデビュー。

「デビュー後は、NHK連続テレビ小説『ひらり』や『私の青空』、大河ドラマ『毛利元就』など、国民的ドラマを担当。ほかにも『想い出にかわるまで』(TBS系)や『白虎隊』(テレビ朝日系)など、数々の民放話題作ドラマも手掛けました」

 内館さんは脚本家としての顔だけでなく、大の“相撲”好きとして知られ、2000年には女性初の『横綱審議委員』に就任した。

「2010年に10年の任期を満了し、同委員を退任。任期中は、元横綱・朝青龍の素行を問題視することが多く、“アスリートとしては150%愛しているが、横綱、力士としては認めていない”と最後まで、朝青龍とは相容れない姿勢を崩しませんでした。

 任期を終えた際は“びん付け油のにおいがする場所に10年間通えて、本当に幸せでした”と感謝とともに10年間を振り返っていました」

 強気な発言で敵を作ることもあった内館さん。のちに、このスタンスで居続けたことについて、「相撲が好きだから、委員会に出て発言しないということが、許せなかった」と相撲を愛するがゆえのことだったと語っている。

 角界を愛してきた内館さんだが、“ある人気力士”との熱愛が浮上したこともあった。それは20年以上も前のこと。「心の恋人」を公表していた水戸泉ではなく、人気力士だった当時24歳の雅山(現・二子山親方)と結婚するという“謎のファックス”が出回ったのだ。

 内館さんは53歳。29歳差のビッグカップルの誕生かと、当時、週刊女性が内館さんの所属事務所に取材を申し込むと、

「雅山関と結婚するなんていう事実はありません。ファックスのことは知っています。内館も友達か誰かに送られてきたものを見ています。そもそも雅山関とは一度も会ったことがないようです。それに本人はもう結婚するつもりはないようですよ。今回のことが本当だったら雅山関が可哀想よって。(内館の)お母さんがいっていたようですよ」

 とコメント。のちに内館さん本人からも、「あれはおかしな話だからエッセーに書くつもりなんですけどね」とのコメントをいただいた。このことは2004年に発売されたエッセイ『なめないでね、わたしのこと』に綴られている。

 多くの人気作品を手掛け、相撲を愛し続けた内館さん。びん付け油の香りに包まれながら桟敷席で相撲を楽しんでいるのだろう。ご冥福をお祈りいたします。