「これまで5作品ほど大河ドラマに出演させていただいて、作品の真ん中に立っている先輩の背中は、本当にカッコいいなと思っていました。いつか自分も、という憧れはありましたが、いろんなお仕事をしていると、大河ドラマの主役がどれだけ遠いものなのかを痛感させられました。今回、主人公のオファーをいただいたときに、片隅にあった夢が突如、目の前に現れたような気持ちになり、本当に驚きました」
大河ドラマ初主演を掴んだ仲野太賀
これまで『風林火山』('07年)や『天地人』('09年)、『江~姫たちの戦国~』('11年)、『八重の桜』('13年)、そして『いだてん~東京オリムピック噺~』('19年)と5作品の大河ドラマに出演してきた仲野太賀が、満を持して初主演。クランクインから半年が過ぎ、撮影ペースをつかんできたというが、当初は意気込みすぎて空回りしたこともあったと話す。
「最初は力の入れ具合がわからなくて、肩をブン回しながらやっていましたが、途中で肩が壊れまして(笑)。そこで気づいたのは、大河ドラマは約1年半にわたる長い撮影なので、短距離走ではなくマラソンなんだということ。いいコンディションで長く撮影を続けていくために、今は休憩しながら、ゆっくりと撮影に臨んでいます」
演じているのは、豊臣秀長(小一郎)。豊臣秀吉(藤吉郎/池松壮亮)の弟だ。“天下一の補佐役”として、秀吉をいちずに支え、共に兄弟で天下統一という偉業に挑んでいく。
「秀長は、秀吉というカリスマ的な才覚と、すごい情熱を持った兄がいて、その補佐官として活躍した人物。今の時代においても、秀吉や(織田)信長、(徳川)家康のような天下人になる人って、100人に1人の本当のカリスマだと思いますが、秀長は残りの99人側にいた人だと思うんです。秀吉と、その家臣や市井の人々との間にいる人間だったので、兄が天下人として見ている景色とは、また違った世界を見ていたと思います。そこはすごく大事にして演じていきたいなと思っています」
兄・秀吉役を演じる池松とは、現場で日々、コミュニケーションをとりながら撮影に臨んでいるんだそう。
「池松さんは秀吉のように明るく、カリスマ性があって、現場を和やかにしてくれるんです。アクションシーンでも、池松さんは殺陣の経験があるので、いろいろなアドバイスをいただき、“このシーンは、このほうがいいんじゃない”とか、“兄弟ならではの表現を入れ込みながらやれたらいいね”と相談しながら臨みました」
織田信長役・小栗旬との共演
そんな豊臣兄弟の絶対的な主君となる織田信長役は小栗旬。仲野との本格的な共演は今回が初めてとなる。
「僕自身、小栗さんと出会って十数年たつのですが、しっかり共演させていただくのは実は初めて。ご一緒していて日々思うのは、撮影がどんなに大変な状況でも一切手を抜かないんです。信長としての強い男のオーラや覇気を常々現場にいて感じていますし、いるだけで場が織田信長の空気になっていって。それはもう言葉にするのもはばかられるくらい怖いです(笑)。信長は小栗さん以外に考えられないですし、いつもストイックなので、本当に尊敬しかないですね」
戦国時代を舞台に、秀長の活躍をダイナミックに描いていく本作。仲野自身も、プレッシャーを感じつつも、先々の展開が楽しみだという。
「『豊臣兄弟!』は、大河ドラマにおいてまさに王道。誰もが知っているような有名な武将がたくさん登場して、戦国時代らしく、目まぐるしく物語が展開していきます。演じるうえでも、現代劇と違って、生きるか死ぬかという極限の状態がすごく身近にありますし、演技の振り幅は戦国時代ならではと思っていて、俳優としてもすごく演じがいがあります。
軽やかで、青春活劇のようなポップさもあって、見る人を選ばない、誰もが楽しめるエンターテインメント作品になっていますので、どうかみなさん楽しみにしてください」
大河ドラマならではの楽しみは?
「今回、戦国時代が舞台だからといって、プレッシャーはありませんでした。もちろん、殺陣とか所作とか、馬の稽古とか、そういうものは大河ドラマならではですが、個人的に楽しくやらせてもらっていて。気づいたら乗馬が大好きになっていて、今となっては、撮影の合間に乗馬の練習に行くことが、最高の息抜きになっています」
