高市早苗首相

 デジタル庁は2026年度より、生成人工知能(AI)による国会答弁案作成を試行する予定だ。これまで、官僚により作成されていた国会答弁案にAIが活用されるとあり、賛否の声が上がっている。 

官僚の長時間勤務の原因

国会で熱弁する松野明美(公式インスタグラムより)

 現在の国会答弁案は、各党議員の質問が答弁前日の昼頃までに事前に通告され、その通告を見てから官僚が答弁書を作成。

 国会答弁案の作成には多くの時間を要し、官僚の長時間勤務の原因のひとつともなっている。こうした問題の解消にも役立てたいようだ。

「実はデジタル庁内では、すでに過去の答弁や法令の確認、要約などができるAIを利用した業務補助システムが開発されています。業務補助システムの名称は、江戸時代の発明家である平賀源内をもじって“源内”と名付けられました。

 このシステムは2025年5月から導入されており、職員が質問をすると源内が生成AIにアクセスし、関連法を提示しながら規制や法的解釈などを回答してくれます」(全国紙政治部記者)

 “源内”についてデジタル庁の職員へアンケートをとったところ、回答者の8割が「業務に寄与している」と回答。職員たちはAIシステムの導入を肯定的に捉え、活用している様子がうかがえる。

高市早苗首相も“源内”を展開する方針

高市早苗首相が大きく写った自民党の新しいポスター(自民党広報の公式Xより)

「今後は、他省庁にも導入される予定の“源内”。2025年12月19日には、AIの研究開発や活用推進を議論する人工知能戦略本部の会議において、高市早苗首相も“源内”を政府の職員10万人超に展開する方針を示しました。2026年5月をめどに活用が開始される予定です」(前出・全国紙政治部記者)

 こうした各省庁でのAI導入についてネット上では、

「これほどAIに合ってる業務はないと思う。ようやくAIのまともな運用法がでてきたな」「長時間勤務の解消につなげるためにAIを活用するのは賛成」

 と肯定的な声が聞かれる一方で、「何でもかんでもAIに任せるのはどうかと思う。責任感も薄れてしまいそう……」「野党の質問のレベルが低いことが問題。そもそも答弁する必要がないのでは?」「AIが回答するのなら質問の意味がないよね。最初から野党がAIに質問すればいいじゃん」

 といった否定的な意見も上がっている。

 国会答弁案作成にAIを導入するといっても、最終的なチェックは官僚がおこなうこととなる。“源内”が答弁案作成の手助けになり官僚たちの勤務時間削減につながることを期待しつつ、答弁自体の意義も見つめなおす必要があるのかもしれない。