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 2026年以降に大幅改正が検討されている労働基準法。1987年以来、約40年ぶりとなる今回の改正には、現代の働き方に合わせたさまざまな変更が盛り込まれている。

 例えば、これまで“何時間働いたか”を軸にした「時間管理」だったものを、“心身の健康が保たれているか”を問う「健康管理」へ。長時間働いた分を残業代として支払う仕組みではなく、休息を確保するという方向へシフトしていく。

「つながらない権利」に注目が

「今回の改正のポイントは、『工場モデル』から『自立型モデル』への転換。その中のひとつが『健康管理』で、タイムカードを押した時間で管理するのではなく、従業員が“成果”と“休息”を自己管理できるよう法律で後押しするということです。テレワークやデジタル技術の普及で働き方が多様化している中で、現行の『時間管理』ではいろいろと問題が出ていることの現れですね」(商社労務担当)

 休息の確保に向けた施策については、終業から次の勤務開始までに一定の休息時間を義務付ける「勤務間インターバル制度」などが議論されている。これらさまざまな施策の中でも、注目を集めているのが「つながらない権利」だ。

「つながらない権利」とは、終業後や休日などの勤務時間外に業務連絡への対応を拒否できる権利のこと。現時点では法律による義務化ではなく、あくまでガイドライン化を提言するとのことだが、実現すれば体力的にも気持ち的にも楽になる従業員は多いのではないだろうか。

過労死・過労自殺の認定件数の推移

「“つながらない権利”以外にも、大きなインパクトのある施策に“13日を超える連続勤務の禁止”があります。現行では4週の間に4日以上の休日があればOKなので、24日連続勤務が可能でした。改正案では、13日を超える勤務は一律で禁止。最低でも2週に1日は休めるようになります」(前出・労務担当)

 これまで繁忙期や納期間近などには黙認されていた休日連絡や長時間労働が、今後は許されなくなる今回の改正案。ネット上では、「休日の連絡はプレッシャー凄いから、禁止してくれると有り難い」と喜ぶ声がある一方で、「13日でもまだ長すぎる。5日を超える勤務は禁止してほしい」と再考を求める声もあがっている。

 また、「必ず休みを確保できるのは安心だけど、納期間近とか切羽詰まった状態になると無理だと思う」「これ管理職には関係ない話なんだよね。結局、名ばかり管理職を作るだけで法律逃れできちゃう」「取引先から休日に連絡が来る場合はどうしたら?企業間のやり取りも規制してくれないと抜本的解決にならない」「過労死を防ぐのには有効だけど、働いて稼ぎたい人には不利になりそうな改正だな」など、さまざまな意見が寄せられている。

 実際に、すべてをクリアするのは難しい企業もあるだろう。法案提出の時期はまだ定まっていないが、実務に則した内容となるのか――。