久米宏

 1月13日、フリーアナウンサーの久米宏さんが肺がんのため81歳で1月1日に死去していたことが、13日までにわかった。

大相撲の懸賞幕の元祖は…

『ザ・ベストテン』(TBS系)や『ニュースステーション』(テレビ朝日系)など、数々の有名番組に出演してきた人物の死去に悲しみの声が相次いでいる。

 訃報が伝えられる前、ネット上では思わぬところで久米さんの名前があがっていたと語るのはスポーツ紙記者だ。

11日のNHKの大相撲初場所中継に出てくる懸賞幕に、テレビ朝日系のテレビドラマ『おコメの女 国税局資料調査課・雑国室』が映され、民放初の試みだと話題になったのです。しかし、ネット上では1982年から84年に放送された久米さん司会の番組『TVスクランブル』が“元祖”ではないかといった指摘が相次ぎました」

 懸賞幕とは、大相撲の取組前に懸賞金がかけられていることを知らせるために土俵上を回る幕を指す。現在は懸賞1本につき7万円が協賛する企業・団体から提供される。

 ネット上では、《「オコメの女」が初場所に懸賞金を出して幕が映ったと話題になっているが、久米宏のTVスクランブルでやっていたなぁと思い出した矢先だった》《昔「久米宏のTVスクランブル」が懸賞幕を出したことがあるので、今回が民放初ではないですね》といった声が並ぶ。

 日本テレビ系の『TVスクランブル』は生放送の情報バラエティ番組であり、画期的だったと語るのは放送作家だ。

「放送時間は1時間で、コーナーが10個ほどありました。当初は久米さんとともに漫才師の横山やすしさんが出演していましたが、生放送中に酒に酔った状態での度重なる暴言などで途中で降板しています。ニッチな情報を紹介するコーナーでは『大相撲に懸賞幕をかけたい人』が取り上げられました」

 そこで『TVスクランブル』を懸賞幕にして、NHKの大相撲中継に映り込ませ番組の宣伝を行おうとしたようだ。

「懸賞幕は場合によっては、特定の企業の商品を宣伝する形になるため、NHKの中継では基本的に画面が引きになり、提供先が読み上げられる音声も絞られるようになっています。『TVスクランブル』の懸賞幕もそうした扱いだったと思われますが、それが民放初だったのかどうかは不明です。なお、『TVスクランブル』は情報をわかりやすくエンタメ化した番組であり、この路線はのちの久米さんが司会の『ニュースステーション』に受け継がれました」(前出・放送作家)

 テレビにさまざまな新しいものを持ち込んだのが久米さんだったのだろう。訃報が明らかになった13日、『ニュースステーション』の後継番組である『報道ステーション』をはじめ、各局の報道番組でその生涯と功績が紹介された。